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ドイツ語初心者です。標記の件について、ずっと疑問に思ってきたことを質問します。
ドイツ語で、後に母音が続かない場合の"r"の発音の仕方は、どうも二種類あるようです。

(1)日本語の「ア」に近い発音の場合。
(2)日本語の「ル」に近い発音の場合。

手元のドイツ語の入門書には、ところどころカタカナで発音の補助が書かれています。
(できるだけこのカタカナには頼らないようにしていますが、この"r"の場合は無視できない問題のようですので)
それで、今まで勉強してきた中で、「ア」に近いとされている場合、「ル」に近いとされている場合を、集めてみました。それらについて、辞書にある発音記号も一緒に記します。
(発音記号中の記号"´"は、アクセントを意味します。)

(1)「ア」に近いとされる場合
der[der] →「デア」(×「デル」?)
Arbeit[´arbait] →「アァバイト」(×「アルバイト」?)
sterben[´∫tεrbәn] →「シュテァベン」(×「シュテルベン」?)
er[er] →「エア」(×「エル」?)

(2)「ル」に近いとされる場合
entfernt[εnt´fεrnt] →「エントフェルント」(×「エントフェアント」?)
lernen[´lεrnәn] →「レルネン」(×「レアネン」?)

これらの違いは、何なのでしょうか。何か規則性はあるのでしょうか。また、それぞれの一番右に()内に書いたように、例えばderを「デル」のように、lernenを「レアネン」のようには言わないのでしょうか。

よろしくお願い致します。

A 回答 (2件)

その入門書のカタカナ表記はまずいですね。



rの発音は、舌先を震わせる方法もありますが、
口蓋垂(のどひこ)を震わせる発音の方が標準なので、
舌の動きの阻害ということでは説明できません。

日本語でドイツ語のrを表記するときは、
「ル」か「ア」のどちらかにするのが習慣ではありますが、
「発音がルに近いか、アに近いか」という分け方は無理です。
正しいのは、rが「子音として発音される」か、
または「母音化するか」という区別の仕方です。

「子音として発音される」というのは、つまり、
口蓋垂を震わせる「ルルル・・・」という音です。
基本的には、r+母音のときにのみ、このような子音として発音され、
母音+rで終わる場合や、母音+r+子音の場合のrは母音化されます。
母音化されたrをすべて「ア」で書き表すことに無理があり、
「ア」と書くと不自然な場合や読みにくい場合に「ル」と表記することが多いので、
カタカナ表記だけを見ると「ア」と「ル」の2種類があると錯覚します。
どちらのように書かれるか(聞こえるか)は、後続の子音の種類とは関係なく、
rの前の母音の種類によります。

Arbeitのrは、子音のrとしては発音されず、母音化されますが、
「アァバイト」「アーバイト」ではありません。
もしどうしてもカタカナ表記をするなら、「アウバイト」の方がまだ少しマシかもしれません。
ar, er, ir, or, urのいずれの場合もrは母音化されますが、
これらが語末ではなく語中にあるとき、それを「ア」と表記してもおかしくないのは、erとurの場合で、
erlauben「エアラウベン」やUrlaub「ウアラウプ」なら問題ないのです。
しかし、irgendを「イアゲント」と表記して、
日本語の「ア」のように口を広げて発音されては困りますし、
Dorfを「ドアフ」、vorneを「フォアネ」と表記するのも適切ではありません。
なので、「イルゲント」「ドルフ」「フォルネ」を書くことになるのですが、
この場合もrはのどひこを震わせる子音のrではありません。

この点で、お使いになっている入門書は中途半端で、
Arbeit「アァバイト」 sterben「シュテァベン」
entfernt「エントフェルント」 lernen「レルネン」
と書いてあるそうですが、「アァバイト」「シュテァベン」という書き方をするのであれば、
ほかの二つも「エントフェァント」「レァネン」と表記すべきです。

母音+rが語末にある場合は、どの母音の場合も「ア」と考えて大体問題ありません。
-ar: Nachbar ナッハバー
-er: Lehrer レーラー
-ia: Safia ザフィア
-or: hervor ヘアフォア
-ur: Merkur メルクーア

derやerは、標準語の会話では「デア」「エア」で、
原則として「デル」「エル」とは発音されません。
ただし、演劇や音楽の歌唱などの場合の「舞台語」としての発音では、
「デル」「エル」と発音されることがありますし、
地方によってはrの母音化が少なく、子音として発音されることが多くなります。
また、標準語の会話でも、何らかの理由で強調したい場合、
ふざけて言う場合、電話などで声が聞こえにくい場合、
住所、氏名などの綴りを正確に書き取ってもらいたい場合などに、
通常母音化されるrを子音として「ルルル・・・」と発音することはあります。

それから、アクセントのない前綴りとして出てくるer-や-er-は、
速く、軽く発音される場合は、「エア」よりも、ほとんど単母音「ア」のように聞こえます。
(もちろんこの場合も日本語の「ア」ではなく、もう少し曖昧な「ア」です。)
erlauben エアラウベン → アラウベン
verlaufen フェアラウフェン → ファラウフェン
zerbrechen ツェアブレッヒェン → ツァブレッヒェン

実際の発音を聞いた方がよいので、動画を二つ紹介しますが、
母音化の分け方が両者の間で少し違っています。

最初の動画では、短い文の中のrのどれが子音として、
どれが母音化されて発音されるかを説明しています。
(説明の部分は聞くのがまだ難しいと思うので、発音だけ聞いてください。)
母音化されたrは[ɐ]という発音記号で書かれています。
[r]の発音になっているのは、r+母音になっている2か所のみ、
RobertのRoと、Tanzpartnerinのrinだけです。

Robert hat sich am Fuß verletzt.
Wirklich? Beim Sport?
Im Tanzkurs. Er ist seine Tanzpartnerin über die Füße gestolpert.
Der Arme!
ローベルトは足を怪我したんだって。
本当? スポーツをしているとき?
ダンス教室でよ。パートナーの女性の足につまづいたの。
かわいそうに。


上の動画の説明を見る限り、子音として発音されるのはr+母音のときのみということになります。
これは、ほかの発音に関するドイツ語による説明の多くでもそうなっています。
しかし、次の動画では、a+rの場合と短母音+rの場合は、
rは母音化されるのではなく、弱い子音のrという説明です。
その例としては、wahr, Bart, fertig, Geschirr, Wort, Wurst, wärmen, störrischなどが挙げられています。
これは、どちらが正しいということではなく、どちらもあり得ると思ってください。
実際にドイツ語圏でいろいろな人と話すと、発音は様々です。
この動画も、説明の部分は理解できなくてもかまわないので、
単語の綴りと発音を聞いてください。
なお、ここでは発音をよりよく理解するために、
辞書に書いてある発音記号とは違う表記をしていると前置きしています。
https://www.youtube.com/watch?v=KGstphq2sLo
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この回答へのお礼

どうも、お礼が遅くなりました。No.1さんの場合と同じく、内容が濃いので、今週まとまって閲読できる時間が取れず今日になりました。

非常に詳細で盛りだくさんのご回答および動画の掲載誠にありがとうございます。全文を詳細に追って、動画も二つともじっくりと拝見しました。

私は質問文に書いた入門書と、独和辞典の二つで現在勉強しています。大学の時の教科書は、ずっと持っていたのですが引っ越しの時に紛失したようです。

ご回答を頂いてざっと一読してから、入門書と辞書の"r"の発音のところを読んでみたのですが、どちらも二種の発音が紹介されていました。
1.「歯茎震音」…いわゆる「巻き舌」の音。記号[r]。
2.「口蓋垂震音」…(ネットで調べて一番しっくりきた表現)「魚の小骨がのどに引っかかったときにそれを吐き出そうとするように、喉の深いところで[ch]音をだそうとする、ような音」。記号[R]。

ほかにも、[ʁ]、[ɐ]があるようですが、また追い追い勉強していきます。

No.1さんへのお礼にも書いたのですが、なかなか規則を覚えようとしても身につかないようです。全部の単語を片っ端から、一つ一つ正確に覚えていく方が近道のようです。ご教授頂いたことを頭に入れ、また折に触れて何度も読み返して、動画も何度も見て聞いてみて、少しずつ意味を理解していこうと思います。

ご親切に誠にありがとうございました。感謝致します。

お礼日時:2017/08/11 14:55

ドイツ語のrの発音は1種類しかありません。



2種類あるように聞こえるのは、ネイティブの発音の場合、後の子音のためにrを発音しながら、口の中が次の発音のために切り替わっているからです。

質問者様の提示している例で言うと「ア」に聞こえるのは後がbの時で「ル」に聞こえるのはnの時です。

bの発音は、口の中を広くしたまま唇を一瞬閉じる、いわゆる「破裂音」と言うもので、やや巻き舌になるドイツ語のrの舌の動きを阻害することがありません。

しかしnの発音の場合、nは口を完全に閉じ鼻から息を抜くような発音なので、rの舌の動きを止めてしまいます。

自分でやってみればわかると思います。rの発音をしながら「ん」のように口を閉じるとその音と発声方法は「ル」に近い音で聞こえるでしょう。日本語の「ル」の発言の舌の動きと比べてみるといいでしょう。

日本語は常に子音と母音が1組になっている言語なので、子音だけの発音が聞き取りづらく、次の子音ための動作が母音の違いのように聞こえてしまうのです。

ですからネイティブの発音からすれば、アとルを言い分けてるわけではありません。

また西洋言語の発音方法は日本語とは基本が違います。日本語は一音一音区切って発音しますが、西洋言語は声帯を鳴らしたまま、下や口の形を変化させることで連続的に音を出しています。そのため日本人には連続した子音の変化が聞き取りにくいのです。
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この回答へのお礼

どうも、お礼が遅くなりました。内容が濃いので、今週まとまって閲読できる時間が取れず今日になりました。

奥深いですね。なかなか規則を覚えようとしても身につかないようです。全部の単語を片っ端から、一つ一つ正確に覚えていく方が近道のようです。ご教授頂いたことを頭に入れ、また折に触れて何度も読み返してみて、意味をちゃんと理解しようと思います。

ありがとうございました。

お礼日時:2017/08/11 14:54

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