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ベルリン・フィルは、例えば 1st ヴァイオリンの国籍を見ると、3分の2がドイツ以外の出身者であり、管楽器もカラヤン時代はほとんどドイツ出身だったと思われますが、現在はドイツ出身者は少数です。一応、「ベルリン」という名前は付いていますが、実態は「ワールドオーケストラ化」しています。

一方、ウィーン・フィルは楽器の特殊性もあって、割と国籍も同質な出身者が多いのではないでしょうか。ただ、ウィーン・フィルのメンバー表を見ても出自が分かりにくいので、あまり私の言うことは当てになりませんが。

そこで、生物学的?に見て、オーケストラのメンバーは、多国籍したほうが良いと思いますか?
それとも同質性を保った方が良いと思いますか?

※日本に目を向けるとN響が日本人オンリーなのが気になります。

ベルリン・フィルメンバー表
https://www.berliner-philharmoniker.de/en/orches …

ウィーン・フィルメンバー表
https://www.wienerphilharmoniker.at/jp/orchestra …

A 回答 (5件)

音楽の世界、特に歌劇場やオーケストラは運営にお金がかかるので、国家や都市から「財政補助」を受け、その大義名分として「国家、都市の伝統文化を継承する」という義務のようなものが課せられることが多いようです。



ベルリン・フィルは、ベルリン市からの財政補助を受けているはずです。
第2次大戦前は団員のほとんどがドイツ人で、ナチスの時代にはユダヤ系ドイツ人ですら解雇されたはずです。
戦後、カラヤンは「団員の国際化を推進した」と言われています。カラヤンに招かれてコンサートマスターになったミシェル・シュヴァルベはポーランド生まれでパリで学び、ベルリンに来る前はスイス・ロマンド管のコンマスでしたし、ヴィオラの土屋邦雄氏などの日本人や、フルートのオーレル・ニコレ(フランス人)、ジェームズ・ゴールウェイ(イギリス人)など、この頃からドイツ人以外の優秀な演奏家を集めていました。
もともと、ベルリンは 1871年の「ドイツ帝国」誕生とともに「近代都市」「国際都市」になった町なので、その町のオーケストラも「近代的」「国際的」なのだと思います。

それに対して、ウィーンは「神聖ローマ帝国」の皇帝を輩出するハプスブルク帝国の首都としての歴史と伝統があり、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスなどがそこで生きて作曲した町です。「歴史と伝統」という点ではベルリンの比ではないのでしょうね。
ウィーン・フィルは、ご承知のように「ウィーン国立歌劇場」のオーケストラのメンバーが、管弦楽曲を演奏するために自主的に作っている団体です。「ウィーン国立歌劇場」は、1917年のオーストリア帝国解体までは「ウィーン宮廷歌劇場」でした。「国立」というように、オーストリア国家から財政援助を受けています(トヨタもかなりの寄付をしているはずで、ウィーン国立歌劇場のチケットには控えめに「レクサス」のマークが付いています。ただし「トヨタ」の文字は一切ありません)。
ウィーン・フィルのメンバーになるためには、必然的に「ウィーン国立歌劇場」のオーケストラのメンバーである必要があり、「ウィーン・スタイル」「ウィーン・メソッド」で演奏様式を統一するため、「ウィーンで音楽教育を受けていること」という条件が付くようです。オーボエやホルンだけではなく、弦楽器なども「ウィーンの職人」が作ったものを使っていて、楽器はすべて団の所有です。
こういった「制約」があるので、ウィーン・フィルのメンバーになるにはベルリン・フィル以上に制度的な壁が大きいようです。(別に、国籍で制限しているわけではないと思いますが、1997年まで女性団員を認めなかったように、やはり選抜条件にはいろいろ偏見や差別もあるようです)

日本のオーケストラの事情はよく分かりませんが、N響は「日本のフラッグシップ・オケ」というプライドや、「NHKを通して国家予算が使われている」ことによる「日本人優遇」があるのではないでしょうか。

>オーケストラのメンバーは、多国籍したほうが良いと思いますか?
>それとも同質性を保った方が良いと思いますか?

これはなかなか難しいですね。
私は、どちらかと言えば「ドイツっぽい」「フランスっぽい」「ロシアっぽい」といった演奏が好きなので、国際化して「誰が演奏しているのか分からない」というのは、ちょっとつまらないなあと思います。「音色」とか「歌いまわし」、ハーモニー感といったものの「ちょっとした訛り、方言」のようなものだと思います。
最近では、フランスのオーケストラでも「フランス式のバスーン=バッソン」を使うところがほとんどなくなり、みんな「ドイツ式のファゴット」になりました。とても残念なことです。
生の楽器で演奏されるはずの音楽が、「シンセサイザー」や「コンピューター」で演奏されるようになってきているような気がして・・・。

そういった現状に反旗を翻して、初演当時の楽器・演奏様式で演奏する「ピリオド演奏」あるいは「HIP = Historically Informed Performance:歴史的知見に基づく演奏」が盛んになってきたことは、とても良いことだと思っています。「国籍」という地理的なものだけではなく、「時代」という時間的な要素も再現しようということですから。
それは、上に書いた「自然な訛り、方言」とは違い、一種の「役者が演じる古い時代、田舎の再現」であって不自然だ、という批判もあるとは思いますが。

その意味で、
・世界中の音楽を、何でもこなす多機能・無国籍オケ
・地方、時代の「歴史と伝統」を守り通すオケ
・現代の技術で「歴史と伝統」を再現するオケ
など、多様な演奏が並立して存在するのがよい、という月並みな意見ということになります。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。yhr2さんの潜在能力がフルに発揮された回答だと思います。

>多様な演奏が並立して存在するのがよい

私は、「ピリオドアプローチ」に関しては思い至らなくて、「伝統か、革新か」の二項対立でしか捉えていなかったのですが、なるほど言われてみれば、演奏やアプローチの多様性があるのが良いということですね。

お礼日時:2018/10/16 18:29

ベルリンフィルが生粋のドイツ人だけで構成されていたのはナチの時代だけです、戦前からユダヤ人などがメンバーにいました。



何人であろうが高度なスキルがあればオーナーとしては採用したいでしょう、というかカラヤンの時代には彼がなりふり構わず一流演奏家を世界中からかき集めていたので、当時から国際化は進んでいました。

メンバーの多民族化を懸念している様ですが、来年のベルリンフィルの首席指揮者は、ロシア人のキリル・ペトレンコですよ、その前がイギリス人のサー・サイモン・ラトル、その前がイタリア人のクラウディオ・アバド、指揮者が国際化しているのにそこの指摘は関係無い?とにかくベルリンフィルはトップレベルの維持の為国際化が進んでいます。

ウィーンフィルはちょっと特殊ですね、楽団員の権限がとても強く、指揮者を選ぶも「あなたは我々に選ばれた指揮者だ、演奏させてやる」ぐらいの上から目線、感性が違えば「あの指揮者分かってねぇ〜な」の罵詈雑言、しまいには指揮者無視の演奏、カール・ベームにだけは「あいつは天皇だ」と言って逆らえなかったらしい。

ここの楽団員の殆どがウィーン国立音大の出身で、楽団員の指導を受けて楽団に出入りして、時として演奏したりしている人が採用されているみたいです、もちろんオーディションの採用もあります。

ウィーンフィルは別としてレベルを上げる為には国際化は必要です。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

>メンバーの多民族化を懸念している様ですが

いえ、私はメンバーのグローバル化が進んでいるベルリン・フィルの方が好きで、ウィーン・フィルはマーラーやR・シュトラウスのCD位しか持っていないのですが、指揮者もラトルになってからは大分変ったようですね。

お礼日時:2018/10/16 18:22

「多国籍にしたほうが良い」以前に、世界的な楽団の多くはそれが大前提だと思います。

有名楽団は自動的に世界から優秀な人が集まってきますから。優秀な奏者というのが特定の国に固まっているならまだしも、そういうわけでもありませんよね。
欧米というのは本当に、ビジネス、文化、スポーツ、学問、あらゆる分野で多民族・多人種が当たり前です。クラシックの世界も例外無くその流れというだけの話。その辺は、「オリンピック目的で国籍を変える」だけで抵抗感を持ってしまうような日本人の私達には理解出来ないものだと思います。

N響が日本人オンリーなのは、単純に「世界的な有名楽団」ではないからです。

「ウィーン・フィルは楽器の特殊性もあって」が何のことなのかわかりませんでしたが(管弦楽は楽器は一緒なので)、ウィーン・フィルは世界的楽団の中でも「格式・伝統」の側面が強い特殊な楽団です。長らく楽団員はドイツ系・オーストリア系の男性だけという伝統がありましたが、今は少し柔軟になってきたとはいえ、スタンスはそう変わらないと思います。(まぁ格式・伝統とはそういうものなので。)
よくベルリンと並べられるものの、そういった点で、その実態は単純に「音楽」や「芸術」を追求しているベルリンとはかなり別物だと思います。実際、ウィーンフィルには、プロ楽団のレベルに至っていないほど不得意なジャンル・演目が少なくないことにもその性質が表れていると思います。(良く言うならそれだけ個性が強いということで。)
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

>「多国籍にしたほうが良い」以前に、世界的な楽団の多くはそれが大前提だと思います。

現代はそうかもしれませんが、「カラヤン時代」は、圧倒的にドイツ人奏者で占められていたと思います。
私は、管楽器奏者しか知りませんが。

>N響が日本人オンリーなのは、単純に「世界的な有名楽団」ではないからです。

在京のオケのメンバーを確認して頂きたいのですが、外国人奏者がいないのは、N響だけです。

>「ウィーン・フィルは楽器の特殊性もあって」が何のことなのかわかりませんでしたが(管弦楽は楽器は一緒なので)

ウィンナ・オーボエやウィンナ・ホルンのことを言います。

ウィーンが特殊だということはわかりましたが、私の質問の論点は、オーケストラの「進化」において、「グローバル化」が良いのか、それとも「伝統・格式」を保つための「同質化」が良いのかということです。

お礼日時:2018/10/16 13:44

その楽団なりの演奏のポリシーというものがあるので、一概にこうだと言えません。



私は音感というのは先天的なものでなく育った環境によると思います。
 気候、風土、民族性、家庭環境、教育環境、生活様式、住居様式、・・・
たとえば日本の伝統芸では詰まった声、西洋の声楽は開いた声が尊ばれますが、それは、
日本の建物は紙や木など音を吸収するものが多くその中では詰まった声の方が響きが良い、
対して西洋の建物は石造りが多く残響が多い、
ということが一因であるという説があります。

ついでに言えば、多国籍になってブレンドされれば良いですが、水と油になってしまっては本末転倒です。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。

お礼日時:2018/10/16 12:44

そのオケの目指す音を演奏できるのなら国籍は関係ないと思いますが。

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この回答へのお礼

ありがとうございました。

お礼日時:2018/10/16 12:43

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