言語とは、限られた語彙と少数の規則(文法)から「無限」の言葉を作り出すものだ、という言説があります。
そこら辺のヨタが言ってる訳ではなく、doctor Frei Herr Von Humboltや、現在でもMITの教授である、チョムスキー博士らの言語学論文での記述です。
論文の中でindefinitely large number of 云々言ってるのはまあ言葉のアヤでしょ、ってことで済ますことができるのですが、チョムスキー博士の著書の中で、 infinite set を作るというのがありまして、明らかに言語が無限集合に全単射するということを主張しているようです。
人間の言語は高々6500言語ほどの有限数であり、それぞれの言語が高々有限の語彙(単語数)しか持たず、あらゆる文章は有限の長さしか持ち得ず、結果有限の単語の組み合わせにしかすぎず、どう考えても無限の要素が出てこないので、有限集合に有限数をかけた程度にすぎないように思えます。
しかしながら、MITの終身教授ともあろう偉いお方が、間違って infinite set などという危険な言葉を使うのだろうかと疑問にお思います。
数学業界のご専門に方々は、仮に「言語が無限だ」という言説を擁護するとしたら、どの様な説明をされますか?
数式を使わずに、「言語が無限である」という命題を評価していただけたらありがたいです。
どうぞよろしくお願いします。
No.9ベストアンサー
- 回答日時:
>V(min)からも無限の文が作れますか?
作れます。1語で十分です。
実際、語彙の集合={a}とすると、
句構造規則: a→aa
終端記号: .
とすると、
{a., aa., aaa.,・・・}
は全て文で、かつ、無限集合です。
(非文概念と句構造文法はなんかなじまない気がしますが、そこは規則に従って作った文字列は全て文であるとします。)
なるほど!!!!!!
目から鱗が取れた感じです!
モールス信号で、どんな言葉でも表現できるのを忘れていました。
今風にいえばUnicodeのフォーマットを調べたことがありましたが、すっかり忘れていました。
というか、バイナリ表記が人間の言語と結びつかなかったんです。
やっぱ、チョムスキー博士は無分別にinfinite setという表現を使ったわけでは無かったですね。
「言語は無限だ」という言説の真意が良く理解できました。
そして同時に、言語が無限か有限かは、Semantics上、特段重要な境界ではないと思えるようになってきました。
質問してみて本当に良かった。ibm_111さんから回答を貰って本当に良かった。
どうも有難うございました。
No.8
- 回答日時:
>この世に人間が誕生してから有限の時間しか経過していないので、有限の個体数で、それぞれの個体が有限の時間の中で発した言語は全部あつめても有限であることは間違いないです。
>しかし、チョムスキー博士ら、理論言語学の学者たちは、実際に発せられた言語ではなく、発する可能がある言語を研究しているので、ここでは、過去の言語の(文の)数では無く、今後、発せられる可能性がある順列組み合わせとカンが無ければなりません。
>かといって、人間の言語ですから、ジュゲムジュゲムといっても、所詮有限の長さで区切りが無ければなりません。
ここまではyes
しかし、具体的な制約(10^9語とか、人間の最大寿命は120歳で1秒に発せる語は1語で・・・のような)が無いなら、やはり無限集合です。
>文の事例でabbを挙げていらっしゃいますが、一文に同じ単語が複数回登場するかどうかで、有限か無限かの評価が変わってきますか?
もちろん変わります。
例えば、{a,b,b}={a,b}ですが、
文字列としてみれば、abb.≠ab.です。
ちなみに、無限に大きな文字列を許すとすると、
その集合は実数全体と同じ大きさになります。
有難うございます。
「具体的制約」に関しては、語彙数が例えば5万とか10万とか、それぞれの言語ごとにだいたい決まっているのですが、それは具体的制約にならないのでしょうか?
英語の語彙をすべて含む集合をV(E)とし、日本語の語彙をすべて含む集合をV(J)、ドイツ語の語彙をすべて含む集合をV(D)などとします。人間の言語は6500種類ほどありますが、一番語彙が少ない言語の語彙をすべて含む集合をV(min)とします。
V(min)からも無限の文が作れますか?
V(x)の元の数をCard(V(x))とし、
Card(V(x))が1000であっても、無限の文が作れますか?
Card(V(x))が100ではどうでしょうか?
Card(V(x))が10ではどうでしょう? なんか無限の文は作れないような気がします。
はたして、無限の文ができるかできないかに関して、Card(V(x))に限界値があるのでしょうか?
No.7
- 回答日時:
>それは初耳ですが、文字列には長さの限界があることを忘れていませんか?
>人間の言語ですよ。
別に忘れてはいませんが(忘れてたら、わざわざ「有限個の文字からなる」なんて言い方はしない)、
ここで想定している「人間の言語」には具体的な限界があるのですか?
例えば、10^9語発言したらその人は死ぬ、みたいな
それなら有限ですが。
>したがって、捨ての単語を含む集合をVとすると、あらゆる文の集合は、Vのべき集合Power(V)の元になります。
例えば、V={a,b}とすると、Power(V)={∅,{a},{b},{a,b}}で有限集合です。
しかし、文と言った場合(空集合は一応除いておく)、
a., b., ab., ba., aba., abb.,・・・
は全て文だと認識しているのですが、違うのですか?
再度の投稿ありがとうございます。
この世に人間が誕生してから有限の時間しか経過していないので、有限の個体数で、それぞれの個体が有限の時間の中で発した言語は全部あつめても有限であることは間違いないです。
しかし、チョムスキー博士ら、理論言語学の学者たちは、実際に発せられた言語ではなく、発する可能がある言語を研究しているので、ここでは、過去の言語の(文の)数では無く、今後、発せられる可能性がある順列組み合わせとカンが無ければなりません。
かといって、人間の言語ですから、ジュゲムジュゲムといっても、所詮有限の長さで区切りが無ければなりません。
文の事例でabbを挙げていらっしゃいますが、一文に同じ単語が複数回登場するかどうかで、有限か無限かの評価が変わってきますか?
私もその点が引っかかっておりまして、Vの定義を拡張して、各単語に添え字を付け、たとえば英語のthe なら、the(1), the(2), the(3),,,,the(10)まで、各単語の複写が10個ずつ入っている集合にします。これをV-10とすると、V-10は依然として有限の集合ですね。
そのうえで、V-nのnはいくつでああっても、結果として文が有限であることを立証したいとおもったのですが、アプローチはまちがっていますか?
文の中に同じ単語を繰り返し使うということが、文の種類が有限か無限かの境目なのかどうか、ご教示いただけれるとありがたいです。
No.5
- 回答日時:
有限個の文字からなる文字列全体は無限集合です。
それは初耳ですが、文字列には長さの限界があることを忘れていませんか?
人間の言語ですよ。
英語だったら、必ずピリオドなどで文が完結する。
英語以外でもなんらかの記号で文は完結します。
したがって、捨ての単語を含む集合をVとすると、あらゆる文の集合は、Vのべき集合Power(V)の元になります。
単語の集合には非文(言語として意味を持たない単語列)が含まれますが、文も真部分集合です。
Power(V)が有限集合なので、その真部分集合である文全体の集合も有限集合ではないですか?
No.4
- 回答日時:
No.3です。
改めて、
> 仮に「言語が無限だ」という言説を擁護するとしたら、どの様な説明をされますか?
自分では把握できない量と認識した時に「無限」と表するのは一般的です。
例えば、
原発使用済み燃料の地下保管期間は1万年以上必要と言われています。
人生100年の一般人には「無限」に思え、
その管理継続を保証できる人もいるはずがなく、実質は「無限」な期間です。
太陽エネルギーは有限であり、寿命も50億年と言われていますが、
それでも「太陽エネルギーは無限である」というのが一般的です。
有難うございます。
質問文に書いたように、
論文の中でindefinitely large number of など無限と訳すことも可能な表現が使われている点に関しては、一般的な有限の数を示しているケースに当てはまるでしょう。
しかし、明示的にinfinite setと言っているところがあって、「実は、有限を指しているんでしょ!」なんて言ったらチョムスキー教授に怒られませんかね?
No.2
- 回答日時:
あなたの議論は単語の反復を無視していると思うのですが、いかがでしょう。
例えばシェークスピアの異なる作品の中の同じ単語が完全に同じ意味を持って使われていると主張したらばかにされるでしょう、あなたの議論はそれに似ています。人間ではA、C、T、Gの四つの塩基を持つDNAから5万のタンパク質を作り出しています。この四つが百に増えたらどれだけの物質をコード出来るでしょう。自然数から自然数の単射は「有限集合に有限数をかけた程度」では無いのです。
有限数の累乗、それも多重の累乗になりますから容易に発散してしまいます。もう一度、言語学の今日の教科書と大学における自然数の数学、ついでに論理学も覗いてみると面白いと思います。
少なくともフンボルト男爵やチョムスキー教授だけの古典的な話しだけではなく、200報以上の論文にぶつかるでしょう。
>同じ単語が完全に同じ意味を持って使われていると主張したら、、
これは有限か無限かの議論ではなく、確定か不定かの議論にすり替えていますね。
もし、その議論なら、チョムスキー教授らまともな学者はCertainかUncertainなどを使い、infiniteは使わないでしょう。
>この四つが百に増えたらどれだけの物質をコード出来るでしょう。
数え切れないほど多くの有限の物質種でしょ?
なにか、有限の数が、だんだん大きくなって、級数にたとえれば、10、100、1000、10000、、、、無限! みたいなナイーブな(つまりゲオルグ・カントール以前のデカルトとかアウグスティヌス時代の)概念に先祖帰りしているのでしょうか。
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ドイツ語では一単語で79文字という長大な単語があります。
Rindfleischetikettierungsüberwachungsaufgabenübertragungsgesetz
というものですが、これとて、これまでに(過去に)ドイツ人が作った最長単語と言われているだけで、明日にでも80文字からなる単語が発せられる可能性は否定できないので、単語の長さは制約がない。
制約をつければ、「言語は有限」となるが、制約が無い以上「言語は無限」が正しですね!!