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幸田露伴の突貫紀行に次のような一文があります。

十一日午前七時青森に着き、田中某を訪う。この行風雅のためにもあらざれば吟哦に首をひねる事もなく、追手を避けて逃ぐるにもあらざれば駛
急と足をひきずるのくるしみもなし。さればまことに弥次郎兵衛の一本立の旅行にて、二本の足をうごかし、三本たらぬ智恵の毛を見聞を広くなすことの功徳にて補わむとする、ふざけたことなり。

私が知りたいのは、「さればまことに弥次郎兵衛の一本立の旅行にて、二本の足をうごかし、三本たらぬ智恵の毛を見聞を広くなすことの功徳にて補わむとする、ふざけたことなり」というところです。

上記の文の中の弥次郎兵衛は、おもちゃのことを指しているのでしょうか?もしくはモデルになった東海道中膝栗毛の人物のことでしょうか。是非、教えてください。

A 回答 (2件)

東海道中膝栗毛の弥次郎兵衛を踏まえているようです。

ただし、膝栗毛では、弥次郎兵衛
には喜多八という連れがいました。小樽から、夜逃げ同然に東京に戻って文学の道を進も
うという露伴には、しかし連れはいません。そこで、弥次郎兵衛の「一本立の旅行」と言っ
ているのでしょう。”一人前になるための、もはや連れはいない一人旅”というニュアンスが
うかがえます。若干悲壮でもあり、また、三本足らぬ智慧の毛を見聞を広めることで増やそ
うなどと殊勝なことも言っていますが、すぐに、ふざけた事だと言って自分を茶化しています。
この辺りが面白いですね。
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No.1の方のご回答でほとんど尽くされています。

わずかに付け加えるなら、一本立、二本足、三本の毛という組み合わせで、「一人旅」・「二人連れ(弥次郎兵衛と喜多八の)」・「三本たらぬ智恵の毛」という使い方の面白さです。人間に比べて猿は三本毛が少ないため知恵がないと言われます。ここでは猿は全く無関係ですが、猿のように知恵の無い私が、という感じで使っています。そういう意味で、なかなか洒落た文章です。
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