
No.8ベストアンサー
- 回答日時:
以下、長い文章になりますことからご回答としての結論を先に書きます。
ご質問の「藤ノ木」という姓で考えられますことは、ひとつは、かなり古い時代に、何か漢文の文書に注釈などでカタカナを添える書記官のような仕事に従事していた方の姓だったものか、家系の姓「藤乃木」とか「藤之木」などから分家をした方が名乗ったものか、でなければ、逆にかなり後世、ひょっとすると明治時代以降になってから、たとえば婚姻によって「藤ノ木」という姓を最初から新しく戸籍として名乗ったのかもしれませんし、あるいは、店舗の屋号から逆に姓として名乗ったのかもしれません。
ただ言えることは、姓の中にカタカナがあるのは西欧の方との婚姻があったから…というほどには規則も習慣も見当たらず、直接の可能性はなさそうに感じることをお知らせしておきます。
この日本では、古くは貴族階級や武士階級では苗字と帯刀(刀を所持し携帯すること)が許されていて、血縁や養子縁組によって苗字がことに家系を表す大切なものと考えられていました。
ですが、事実上、下層に属する町民や農民、漁民などには、よほどの立場のものでない限り、帯刀はもとより、苗字、つまり姓を名乗ることができませんでした。ですから、当時では、○○村のたろべえ…とか、明神下の平次…などと地名と名前などで呼び合っていたようです。
それが後々、世の中が落ち着き、あらたに日本という国家が生まれたことに関係して、戸籍を明確にする必要から、国民はすべて、それぞれの家で苗字を名乗ることになりました。そこで、それまで苗字を持たなかった人々は頭を絞って苗字を考えたと思います。
ある者は住まう村に川があったことから川村と名乗り、田畑が山の中腹にあったことから山田と名乗り、藤木だとか藤田、藤本などときめた人は、住まいや田畑に藤の木があったのかもしれません。ですが、中には藤の木とか藤之木などと考えついた人もいたに違いありません。とにかくこうしていろいろな苗字が生まれました。
また、古く源氏と平家の合戦の頃や各地の武将が勢力争いをした戦国時代当時では、戦(いくさ)で勇敢に戦った者には、主君や指揮を取った武将から褒美として苗字を貰ったり、彼らの名前の一文字を貰って苗字を定めた者もいたようです。たとえば伊藤、佐藤、加藤などは藤原家の家来であったかも知れず、扇とか桧などの文字は平家の血筋だったかもしれません。さらには、先祖が中国や朝鮮の出身だったことから、日本ではあまり見かけない彼らの本来の文字をそのまま苗字に取り込み踏襲した人たちも居たはずです。
こうして、ある地域では血縁を中心として、広い地域のほとんどの住人がみんな村上を名乗った例もあり、逆に、わざわざ珍しい苗字を好んで、ただ「一」一文字と決めたりと、とにかくさまざまな苗字が生まれました。今日、街の印房、つまり印鑑屋さんが店頭に置いた棚の中の在庫の認印では、考えつくどんな苗字のものもすでにあるというその多彩さに驚かされます。
さて、ご質問に対する回答に移りましょう。日本には漢字と、それを平易な文字に作り変えた、平仮名(ひらがな)と片仮名(カタカナ)があります。漢字には音読みと訓読みがありますが、ひらがなやカタカナはともに漢字の姿と音読みの音から省略して作られた日本独自の文字で、たとえば、ひらがなのあいうえお…は安以宇衣於から、カタカナのアイウエオは阿伊宇江於からと、ネットで「仮名の元の漢字」と入力して検索しますと、51文字全部の漢字が分かります。
漢字は古く中国から伝わった高度な文字文化ですが、日本で作られたひらがななどは古くは高貴な層や女性が嗜む文字として、和歌など詩歌や女流作家の文学などに使われてきました。一方、カタカナは、いわば第三の文字として、漢文の注記など特殊な用途に使われてきたようです。
そして、後世、日本の書類や書簡、あるいは文学では、漢字とひらがなを適度に混ぜて読みやすく理解しやすく書き記す習慣が生まれました。と同時に、西欧との交流が盛んになるにつれて、オランダ語やポルトガル語など外来語の表記が問題になりました。当初は、チョコレートは貯古齢糖、キリシタン(クリスチャンのこと)は切支丹などと無理やり外来語を漢字で書き表していました。しかしその後は、外来語はカタカナで書き表すようになり現在もそうなっています。
日本の書き言葉はこのように複雑です。それでも江戸時代の中期から末期には、それまで教育を受けることもなかった町民や農民、漁民などにも、寺子屋などと多少の教育らしいことが行われるようになりました。ですが、漢字やひらがなまでならともかく、片仮名は日常生活の場ではあまり必要もなかったはずです。
さて、こうして見てきますと、冒頭に書きましたように、ご質問の「藤ノ木」という姓は、ひとつは、かなり古い時代に、元々の家系の姓「藤乃木」あたりから分家をした方が、たまたまカタカナに慣れた書記のような仕事に従事していた方が名乗ったものか、でなければ、逆にかなり後世、ひょっとすると明治時代以降になってから、たとえば婚姻によって「藤ノ木」という姓を最初から名乗ったもののようにも感じます。
ただ言えることは、外来語はカタカナで表記することが一般的ではありますが、姓の中にカタカナがあるからといって、西欧の方との婚姻があったから…というほどには規則も習慣も見当たらず、直接の可能性はまず無いと考えます。
最後に、ご質問者様のご質問文は適度に丁寧で礼儀正しく、とても美しい日本語で書かれています。もちろん不自然な表現などはまったくありませんでした。むしろ、わたくしの回答のほうが、急いで書きましたために、逆に余計な遠回りをしてしまいまして恥ずかしいです、失礼いたしました。これからも、どうぞ中日両国の親善と協力のために頑張ってくださいませ。
ご丁寧に教えていただき誠にありがとうございます。大変興味深く拝見いたしました。文章の書き方も非常に参考になりました。おかげさまで、理解できるようになり、とても助かりました。微力ながら中日の橋になれればと思います。どうもありがとうございました。
No.7
- 回答日時:
No.6です。
すみません、操作を誤って、文章が途中で切れた状態で回答してしまいました。
×カタカナは、現代日本語の表記では外来語や擬音語擬態語に使うものとされていますが、
○カタカナは、現代日本語の表記では外来語や擬音語に使うものとされていますが、昔はそうではありませんでした。
なお、カタカナの歴史については、Wikipediaに簡潔にまとまっているので、御覧ください。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%87%E4%BB%AE …
No.6
- 回答日時:
カタカナは、現代日本語の表記では外来語や擬音語擬態語に使うものとされていますが、
カタカナもひらがなも、元々は万葉仮名という、漢字の形を使った仮名を変形させたものです。全体を崩したのがひらがな(安→あ)、一部を崩したのがカナカナ(「阿」のこざと偏→ア)です。
カタカナは、平安時代以降、主に漢文を読むときのフリガナや送り仮名、漢文調の漢字仮名交じり文の仮名の部分に使われました。戦前の日本の法律文は「漢字カタカナ交じり」でした。カタカナの方がひらがなより実用的でもあり、戦前までは、ひらがなより先にカタカナを学び、メモ書きもカタカナを使うことが多かったのです。
一方のひらがなは、文学作品や私的な文章の世界で使われることが多く、カタカナとは使い分けをしていました。
江戸時代以降、西洋から入ってきた外来語をカタカナ表記するようにもなりましたが、それよりもはるか昔から、日本で「正式な文書、公的な文書」とされる漢文調の表記の世界で一般的に使われていた表記です。
ですから、「漢字カタカナ交じり」というのは、決して西洋の外来語表記の影響によるものではなく、むしろ漢字との相性の良い表記なのです。
「藤ノ木」というのは、「藤木」だと「ふじき」と読まれてしまうので、そうではなく「ふじのき」だということを示すために、一種の送り仮名である「ノ」を追加した表記と考えられます。歴史的に、漢字の送り仮名にはカタカナを使うのが普通ですから、「藤の木」とひらがなで送るよりも、「藤ノ木」とカタカナで送った方が、違和感はありません。
No.5
- 回答日時:
No.3です。
補足。
現在の日本語ではカタカナは外来語の表記に多く使われることから
「藤ノ木」を西洋と関係があると思われたのでしょうか。
現在の日本語表記は第二次世界大戦後に定められたものです。
それ以前はカタカナの扱いも異なっていました。
大日本帝国憲法では、現在ならひらがなで書かれる部分が
カタカナで書かれています。
日本人なら、苗字の中にカタカナが入っていても違和感は覚えません。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1 …
https://www.digital.archives.go.jp/DAS/pickup/vi …
ご回答ありがとうございます。おっしゃるとおりで、現在の日本語ではカタカナは外来語の表記に多く使われることから、「藤ノ木」を西洋と関係があると勘違いしてしまいました。いろいろとても参考になりました。どうもありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
・この苗字の方の先祖は日本人と西洋人のカップルの可能性が高いと推測できるでしょうか
全く無関係です。
元々よみがなに「ノ」が入っている姓は少なくありません。
使われている内に、漢字では「の、ノ、之」などが省略されていきました。
【例】
井ノ上→井上、田の上→田上、木之下→木下etc.
カタカナが使われているから、西洋人との関係もありません。
戦前まで学校では平仮名ではなく片仮名から習い始めました。
戦前の小学1年生の国語の教科書では、
「サクラ サクラ サクラ ガ サイタ」とか「ススメ ススメ ヘイタイ ススメ」など、先ずカタカナを習いました。

No.3
- 回答日時:
西洋人とは関係ありません。
「藤ノ木」は藤木の異形で、新潟県中魚沼郡津南町秋成が本拠。
https://name-power.net/fn/%E8%97%A4%E3%83%8E%E6% …
「竹ノ内」、「井ノ口」といった苗字もあります。
https://name-power.net/fn/%E7%AB%B9%E3%83%8E%E5% …
https://name-power.net/fn/%E4%BA%95%E3%83%8E%E5% …
No.2
- 回答日時:
>この苗字の方の先祖は日本人と西洋人のカップルの可能性が高いと推測できるでしょうか。
あなたの日本語の文章は、分かり易く間違いもなく、完璧です。
またその推測は的外れです。「ノ」などの片仮名を含む一般的な苗字をいくつか紹介します。
////////////////////////////////////////////////+
三カ崎 ( ミカザキ )
上ガ島 ( カミガシマ )
尾ケ井 ( オガイ )
醒ケ井 ( サメガイ )
四ケ浦 ( シカウラ )
袖ケ浦 ( ソデガウラ )
石ケ原 ( イシガハラ )
賀シ尾 ( カシオ )
伊セ崎 ( イセザキ )
二タ見 ( フタミ )
下タ村(タはカナ) ( シモタムラ )
安チ谷 ( アチヤ )
三ツ井 ( ミツイ )
四ツ家 ( ヨツヤ )
四ツ谷 ( ヨツタニ )
烏ト根 ( ウトネ )
田ノ井 ( タノイ )
二ノ井 ( ニノイ )
松ノ井 ( マツノイ )
田ノ浦 ( タノウラ )
上ノ原 ( ウエノハラ )
上ミ地 ( カミジ )
竹ム礼 ( タケムレ )
下モ内 ( シモナイ )
奈ラ原 ( ナラハラ )
上リ口→上り口 ( アガリグチ )
下り藤 ( サガリフジ )
見ル野 ( ミルノ )
出典は⇒苗字(名字)の読み方辞典
http://myoujijiten.web.fc2.com/
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