
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
何であれ大切なことは本質を見極めることです.単結晶を使用するラウエ法の場合何故連続線を使用したのでしょうか.もし多結晶粉末法と同様に単色線を用いたら,ラウエスポットは殆ど出現しないからです.粉末法は単結晶の集合体に過ぎませんので,デバイリングを分解能をあげてよく見れば単に個々の単結晶のラウエスポットが円上に配列しているだけであることが判明します.本質とは結局ラウエスポットの出現する回折条件を調べることです.回折条件式にはブラッグの式(スカラー表示)とラウエの式(ベクトル表示)があり,前者は後者の中に含まれています.ラウエの式はTexで書けば,
$$\vec{S}-\vec{S_0}=\lambda \vec{H} :(1)$$
ここでSとS_0は散乱波と入射波の単位ベクトル従って方向のみに意味があります.\lambdaは波長です.Hは逆格子ベクトルでhkl反射面間隔d(hkl)とすればH=1/d(hkl)です.ブラッグの式は(1)から次式(2)が導かれます.
$$2d(hkl)sin(\theta)=\lambda :(2)$$
デバイリングは\lambdaが一定ですから,小さなデバイリングは小さな\thetaですから,d(hkl)は大となります.この場合結晶の格子定数が予め判明していれば,ユニークにhkl即ち反射面指数は判明します.ラウエ法では\lambdaが不定(沢山ある)ですから,(1)式の右辺は不定となります.従ってhklも当然不定です.しかし不定なのは大きさのみで,左辺の方向に関する情報は不定ではありません.ラウエ法とは結局は結晶方向に関する情報のみを得ているのです.質問にある格子面と反射面とは同じでありません.例えば(100)格子面は対応反射面指数でいえば(100),(200),(300),と多数存在します.識別できないのは,この(100),(200),(300)の区別です.格子面(100),(110),(111)の識別はラウエでも可能です.ここを理解するためには逆格子ベクトル\vec{H(hkl)}の理解することが重要で,これが2つめの本質です.
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