長講堂領とか八条院領とか、皇族が荘園のオーナーになっては、公領は守られないと思うのですが、なぜ、国の

長講堂領とか八条院領とか、皇族が荘園のオーナーになっては、公領は守られないと思うのですが、なぜ、国のトップファミリーがこうすることを誰も止めなかったのでしょうか？

皇族が富んで、朝廷が支配地を失うことに、上皇、天皇はなんとも思わなかったのでしょうか？

No.1 ベストアンサー 回答者： hiroparty1 回答日時： 2021/02/18 20:31

この時代、中央政権では国衙（公領）とは名ばかりで、国司の私領とかしていましたし「知行国」という形で「一国」の支配権を特定の人物に与えることが一般化しています。

さらに現実として、治安の維持などは各地の有力農民や土豪層が事実上行っていました。わかりやすく言えば「中央貴族や天皇家、さらに有力寺社は、全国の土地を「単なる収入源」としか見ていません。国の制度や治安より「自分の収入」だったわけです。一方地方豪族は「支配力」があっても「支配の正当性」はありませんでした。「その正当性」を「中央貴族」や「有力寺社」に求めたわけです。「俺のバックには～組が付いている」と言って威張るやくざと同じ構造です。
中央では「政治の立て直し」が行われたと書かれることがありますが（醍醐天皇や後三条天皇の時代）実際は荘園が増大し中央との新しいパイプができたにすぎません。こうした「中央政府のいい加減な政治」に嫌気のさした「土豪」たちは「源頼朝」に中央政治とは別の支配体制を作ってほしいと望んだ結果「鎌倉幕府」ができたわけです。ここで、やっとまずいと気付いた京都政権は「承久の乱」を起こしますが、手遅れでした。