2024年に成し遂げたこと

「論語」の中に、「吾」と「我」とが出てきます。どちらも「私」の意味で使われていますが、「吾」と「我」とはどのように使い分けるのでしょうか。
「字通」(白川)では「吾は所有格の用法、我は主格・目的格に用いることが多い・・」とある一方、「角川・漢和中辞典」では、おおむねその反対の説明があります。また「字源」(簡野)は「己に就きて言ふには吾といひ、人に因りて言ふには我といふ。」とありますが、これらの説明がどうも分りません。

A 回答 (2件)

こんにちわ(/は)。



いくらか語感が異なりますが、「間接話法」と「直接話法」の違いのようなもの、と説明すれば解り易いと思います。

間接話法:誰かが述べたり書いたり考えたりした内容を、話し手の表現に換えて伝える話法。(伝達話法)とも言う。
直接話法:ある人が述べたり書いたりした内容を、引用符に入れて直接的に伝える方法。

公冶長第五 12章の場合は;
*まず、書き手(孔子さまの弟子など)・子貢さん(話題の人)・論語の読み手(例えば質問者さん)の三者が居ることを念頭にしてください。

子貢曰:“我不欲人之加諸我也,吾亦欲無加諸人。”子曰:“賜也,非爾所及也。”
「しこういはく、a:われひとのこれをb:われにくわえることを欲せざるや、c:われもまたこれを人にくわえること無からんことを欲す、しのたまはく、賜や汝の及ぶ所にあらざるなり、」

a:とb:間接話法で"我/わたし"。・・・子貢さんは「私は他人が私に仕掛けるのを好まないようなことは」と言っていました。それゆえに"我"を使用します。

c:直接話法で"吾/わたし"。・・・・・「私のほうでもまたこれを他人に仕掛けないようにしたい」と子貢さん自身が"自述"しています。それゆえに"吾"を使用します。

論語全文に亘って以上の方法を採用しています。上記の場面背景を想像してみるとすんなり行くと思います。(^^♪。
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この回答へのお礼

なるほど、そういうことでしたか!。論語はまだ初めてですが、おっしゃるとおり、「吾」と「我」を使い分けているようです。どうも有難うございました。

お礼日時:2005/02/22 15:38

こんにちわ(/は)。

簡単に一言だけを以下;

>「吾」と「我」とはどのように使い分けるのでしょうか。

*「吾」と「我」は共に第一人称。わたし、われ、じぶん。
------
>「字源」(簡野)は「己に就きて言ふには吾といひ、人に因りて言ふには我といふ。」とありますが、これらの説明がどうも分りません。

*この解説文の言っている意味は;
「吾」は自分自身が言う自分の呼称。
「我」は話者の相手の人のことを他人が言うときの呼称。あなた、きみ の意に相当(注:ただし第二人称とは違います)。
------
例文;
論語 卷第三 公冶長第五:http://www.hcn.zaq.ne.jp/debugger/lunyu/lunyuFra …
「子曰、吾未見剛者、・・・」
「し、のたまはく、われ(じぶん)いまだにごうしゃをみず、・・・」
---
論語 卷第五 郷黨第十:http://www.hcn.zaq.ne.jp/debugger/lunyu/lunyuFra …
「朋友死、無所歸、曰、於我殯、・・・」
友人しして、きするところがなければ、のたまはく、われ(あなた)においてひんしなさい、・・・」

以上、コピペは規約で禁止されているので一部編集済み、よろしく(^^♪。
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この回答へのお礼

早速のご回答、有難うございました。
ご回答の
 <・・「我」は話者の相手の人のことを他人が言うときの呼称。あなた、きみ の意に相当(注:ただし第二人称とは違います)・・>
 の意味をもう少し易しく教えていただけると幸甚です。

例えば、次の文ではどうでしょうか?
公冶長第五 12章に「・・我不欲人之加諸我也、吾亦欲無加諸人・・」の一文があり、「・・我れ人の諸(こ)れを我れに加えんことを欲せざるは、吾れ亦諸れを人に加うること無からんと欲す・・」と読んでいますが、ここにある「吾」は、なぜ「我」にしないのか・・という疑問。こういうところが、まだ分りません。

お礼日時:2005/02/21 18:41

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