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あなたが、今までに旅行された場所で、一番感動した場所を教えてください。

A 回答 (2件)

オーストリアのアルプス地方の、いわゆる『チロル』と呼ばれるようなところの牧歌的な景色かなぁ



『ここ』というピンポイントじゃなくて、そのあたり全体の雰囲気みたいなものも入れてということです。

私はもう隠居したプロファイルの様な年寄りです。
なので、お話もずいぶん前、ヨーロッパにコロナ禍や難民・移民問題が起きる前、良き欧州の香りをのんびり楽しめたころのことです。

私はカミさんと共通の趣味である貧乏旅行をよく楽しんでおり、ある時の夏、オーストリアを行先に選びました。
欧州はたびたび訪れていて移動などには慣れていたので、その時は、ウィーンに入り、そことザルツブルクに滞在することだけを決め、後は成り行きで移動やサイドトリップを決めることにしていました。

Google Map でも見ながら聞いてもらうと良いと思いますが、普通、ウィーンからザルツブルクへ移動するというと、西にほぼ一直線のリンツを通るルートを使うのでしょうが、その時は南を大回りするルートをとりました。

日本で言えば、東京から名古屋に行くのに東海道という最短ルートではなく、裏日本を廻っていくようなものでした。

具体的には、カップフェンベルク、シュピールベルクを通り、クラーゲンフルトを廻るルートです。
その後は、マルニッツからバートガスタインで山脈を抜け、ビショフスホーフェンを通ってザルツブルクに入ります。
当時はこのルートを直通する列車が日に1本だけ走っており、我々はそれを利用しました。

まだネットなんかがない時代で、このルートは日本からの旅行者などは行かない方面でもあったことから、その地に降りることはなく、ただ列車から景色を眺める旅にしていました。
とはいえ、欧州現地の観光ガイドではいわゆる『観光ルート(scenic route)』として紹介されていましたから期待はしていました。

その最大の目玉はクラーゲンフルトを中心にした盆地でした。
その地方はアルプスの峰々に囲まれた湖沼が点在する盆地で、中世の街の雰囲気を色濃く残しているほか、湖沼に寄り添うように小さな町が点在し、田舎でゆっくり流れる時間を楽しむ保養地となっていると聞いていました。

ウィーンからそのクラーゲンフルトまでは、列車は美しく深い森に抱かれた『高原』のようなところを走っていきます。
そうして着いたクラーゲンフルトとその周りの景色はまさにその通りで、点在する町々は尖塔のある小さな教会の周りに家々が少しだけ並んだ牧歌的な感じのところで、観光ガイドによれば、民宿がたくさんあり、お弁当を作ってもらって湖畔をサイクリングしたり、のんびり読書で過ごすなどで夏場は賑わうんだそうな。

そんな景色が、中世の城下町クラーゲンフルトからフィラハあたりにかけて楽しめます。

私がおすすめなのはその先です。
鉄道は、シュピッタール・アン・デア・ドラウを出ると西に進み、氷河が刻んだ鋭く深い谷の北側の壁を這うようにへばりついて登っていきます。
そこを走る列車の窓からは、谷の反対側、南側の斜面が見えるのですが、列車が高度を上げるにつれて谷底の景色が見えなくなり、向こうの斜面が見えるだけになります。
それはちょうど車窓と言う額に入れた絵のようです。

そして、その絵はみるみるチロルの山合の牧場となります。
きれいに手入れされた急斜面の牧草地には、ところどころに森が残され、牧草地の明るい緑と森の深い緑とが絶妙なコントラストを見せてくれます。
そして、ところどころにある岩や、つづら折りに作られた道路が明るい灰色で変化を与えてくれます。
極めつけは家々。
白壁の土台に木の色が鮮やかな上屋をのせ、窓には色鮮やかな花がたっぷり飾られている。
絵の中の素晴らしいアクセントです。

今もしてるかどうか知りませんが、私がそこを通った時、乗っていた列車はそこでしばらく停車してくれました。
案内放送もなければ、止まったところも駅でも何でもないところでした。
たぶん『観光停車』だったんじゃないかなぁと思います。
停車していたのは 10 分か 15 分ぐらいだったんじゃないかと思います。
当時の列車は窓の開く客車の列車で、晴れたいい日だったので、窓を開けてヒバリの声と風の音を聞きながら景色を堪能しました。
私は風景写真はあまり好きでなく、同じ映像なら、頭の中に焼き付けることが好みなので、じっと眺めていました。
カミさんとは『いつかここで降りてみたいねぇ』と話し合ったのを昨日のことのように覚えています。

たぶんこれはマルニッツというところの前後だと思うのですが、Google の Street View でも見つからないのでどのあたりだったかなぁと思うことしきりです。

列車はこの後長いトンネルを抜けて山を越えます。
そこから先の景色はつまらないものでした。
それだけ『車窓を額にしてみた絵にかいたようなチロルの景色』が印象深く頭に刻み込まれました。

つたない思い出話で失礼しました。
もしかして経路や地名が間違っているかもしれません。
その時はお許しください。
何分にも記憶だけでお話ししましたので。
お目汚しで失礼しました。
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この回答へのお礼

ありがとう

素晴らしいお話ありがとうございました。

お礼日時:2022/06/08 09:30

高知のスイレンの池…

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