
1. ▲ (日本語教師のネタ帳:「象は鼻が長い」「僕はウナギだ」「コンニャクは太らない」)
https://nantong-japanese.com/2022/05/11/%e3%80%8 …
☆ なるサイトは 標題の三つの日本文について一定の見解を示しています。それをめぐって問い求めます。
2. これらの文は 主語が何か 主語がないではないかといったように議論されつづけているのですが そこでは ハ格が 主題提示をになっており取り立ての役目を成すなどなどとして 説明しています。
3. その詳細は お手数ですが実際にあたっていただくとして もう一つ日本語でその構文として説明しづらい文の事例を ここで取り上げます。
4. すなわち表題の一文です。さっそく分析しますと こうなると考えます。:
[a] 太郎-ハ 花子-ガ 好きだ。
〔=(α)類型: 《 A-ハ B-ガ C-ナリ。 / C-スル。》の構文〕
まだはっきりしませんが 例文[a]は じつは 両義的(アンビギュアス)だからです。たまたまではなく 基本として 同時にふたつの別の意味を――文脈を無視すれば―― になっているからです。
5.すなわち:
[ a-1 ] 《 A-ガ B-ヲ 好く》という解釈例:
・ 太郎が好いている相手は 花子だ。; Taroh likes Hanako.
[ a-2 ] 《 A-ヲ B-ガ 好く》という解釈例:
・ 太郎を好いているのは 花子だ。; Hanako likes Taroh.
7. 問題は ハ格およびガ格のハタラキにあります。
太郎‐ハ 花子‐ガ ・・・
→ [ a-1 ] 太郎ガ 花子ヲ 好く。
→ [ a-2 ] 太郎ヲ 花子ガ 好く。
8. すなわち:
ハ格 ⇒ ガ格(主格) あるいは ヲ格(対格)
ガ格 ⇒ 〔意味上から〕ヲ格(対格) または ガ格(主格)
というように 両義を同時に持ち得るという性格です。そういうハタラキを帯びていると言えるようです。
9. 詳しくは 次の質問の趣旨説明を参照していただくとさいわいです。
【Q:日本語は 言語類型として あたかも始原のごとくである】
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/12970949.html?from= …
☆ 自由に見解をお寄せください。
A 回答 (1件)
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No.1
- 回答日時:
[a] 太郎-ハ 花子-ガ 好きだ。
これが多義文に見えるのは文字面しか見ていないからです。
無標のイントネーションで読む限り、
[ a-1 ] 太郎ガ 花子ヲ 好く。
この解釈しかありえない。
[ a-2 ] 太郎ヲ 花子ガ 好く。
こちらの読みを得るには、「太郎は」にプロミネンス(強さ、高さ)が必要です。
同じに見えてふたつの「は」の機能には大きな違いがある。
[ a-1 ] 太郎ガ 花子ヲ 好く。→ハ=主題・話題
[ a-2 ] 太郎ヲ 花子ガ 好く。→ハ=対比焦点
同様の多義文は英語にもある。
(1)That pizza, I won't eat.(話題化 Topicalization)
(2)A:Which house is Bill living in?
B:That one house on the hill Bill is living in.
(焦点化 Focalization)
こんにちは ご回答をありがとうございます。
★ ~~~
[a] 太郎-ハ 花子-ガ 好きだ。
これが多義文に見えるのは文字面しか見ていないからです。
無標のイントネーションで読む限り、
[ a-1 ] 太郎ガ 花子ヲ 好く。
この解釈しかありえない。
~~~
☆ 《無標のイントネーションで読む限り》ですか。ふむ。《抑揚が無い》という意味でしょうか? 太郎かまたは花子か いづれかへの強めがない といったような?
なら 余計に両義性を持つのでは?
★ ~~~
[ a-2 ] 太郎ヲ 花子ガ 好く。
こちらの読みを得るには、「太郎は」にプロミネンス(強さ、高さ)が必要です。
~~~
☆ それは 見解を異にすると言わざるを得ませんね。
なぜって 文脈を抜きにするという条件で 文字だけで読んだとき(話し方について無標のとき)こそ 二つの意味が生じる・・・と思うのですがねぇ。
★ 同じに見えてふたつの「は」の機能には大きな違いがある。
[ a-1 ] 太郎ガ 花子ヲ 好く。→ハ=主題・話題
[ a-2 ] 太郎ヲ 花子ガ 好く。→ハ=対比焦点
☆ たぶんそのようだと考えますが [ a-2 ]のほうは すでに《誰かを誰かが好いている》といった話題が出たその場で それでは《太郎ハ?》という問いが出たときの応答でしょうね。つまりやはり主題提示なんです。
★ 同様の多義文は英語にもある。
(1)That pizza, I won't eat.(話題化 Topicalization)
(2)A:Which house is Bill living in?
B:That one house on the hill Bill is living in.
(焦点化 Focalization)
☆ たしかに話題化に焦点化 すなわちまとめて主題提示の文形成は 英文でも出来るんですよね。いつも
・ Regret, I had a few.
という文例を引き合いに出しますが だとすれば 日本文の(α)類型:《 A-ハ B-ガ C-ナリ。 / C-スル。》の構文が なおさら活きているのではないですか?
つまり英文にも見られる主題提示語法は――(ω)類型:S-V-O文型にとっていまでは例外として――(α)類型の名残りなのではないかと考えられるからです。
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№1お礼欄をおぎないます。
★ 話題化 Topicalization と 焦点化 Focalization
☆ のどちをも 一般論としての主題提示の用法に容れます。
話題化は けっきょく一般の主題提示です。
焦点化は 主題提示の言わば格活用であるハ格の派生的かつ副次的な用法だと捉えます。取り立て格です。
(1‐1) ピザ‐ハ(主要取り立て格) いつも‐ハ / 大抵のもの‐ハ 食べるのです‐ガ 今日‐ハ / あのピザ‐ハ 食べられません。
最初の語句についたハ格が 基本の用法です。あとのものはみな 副次的な主題として取り立てるための――それでも――主題提示なんです。焦点化と言えると思います。
なお(1‐1)は 《 A-ハ B-ガ C-ナリ。 / C-スル。》の構文に従った典型のひとつだと見ます。どうでしょう。