No.3ベストアンサー
- 回答日時:
#2 の、myeyesonlyさんがおっしゃっている、原文の「多少の誤差」がちょっと気になりましたので、でしゃばってきました。
、kokiriko さん、myeyesonly さんがおっしゃるとおり「伊勢物語」第9段の「東下り」の話にある歌ですが、この第9段に登場する「八つ橋」は、「三河(みかは)の国、八つ橋といふ所に至りぬ。」とありまして、現在の愛知県知立(ちりゅう)市のあたりのようです。
八つ橋は、カキツバタが美しく咲いていた所で、伊勢物語の主人公が「唐衣(からころも)着つつ慣れにし妻しあればはるばる来きぬる旅をしぞ思ふ」という歌を読んだので有名です。 歌の大意は「中国風の着物を着慣れるように一緒に住み慣れた妻が〔後にしてきた都に〕いるせいで、はるばる遠くまでやって来た旅のことを思うことだ。」ぐらいでしょうか。五七五七七の各句の最初をつなぐと『か(唐衣)・き(着)・つ(妻)・は(はるばる)・た(旅)』となる『折り句』という技巧、それに説明は省きますが掛詞や縁語がふんだんに使ってある歌です。
さて、主人公の一行はこの後、駿河の国(=静岡県)を通り、富士山を眺めたりして、「武蔵の国と下総(しもつふさ、千葉県北部)の国の中」の隅田川までやってきます。だから、「八つ橋」と「隅田川」はけっこう離れた場所です。
なお、yuu1 さんが御質問の歌ですが、「名に負う」という言葉が「名前として持つ。その実体を伴ったものとしての名を持つ」という意味、分かりやすく言うと「その名前にふさわしい実体を持っている」という意味で、それに「し」という意味を強める言葉が付け加えられています。「負う」は歴史的仮名遣いでは「おふ」なので、「名にしほはば」ではなくて「名にしおはば」が正しい表記です。それから最後に「と」がついて七音になっていますので、「名にしおはば いざこと問はむ 都鳥 吾が思う人は ありやなしやと」というのが正しい形です。
また「負ふ」の未然形「負は」に「ば」が付いて「負はば」となることで「もし~ならば」という意味になります。「こととふ」は「事問ふ」もしくは「言問ふ」で「質問する、尋ねる」という意味ですから、一首は「お前が「都鳥」(=都の鳥)という名前にふさわしいのならば(当然、都の事情には詳しいだろうから)さあ、質問してみよう、都鳥よ。私の愛する人は無事でいるのか、いないのかを。」ぐらいの意味になります。
この歌は後に謡曲(能)の『隅田川』にも利用されて、そちらにも登場しますね。
No.2
- 回答日時:
こんばんは。
伊勢物語、東下りの八つ橋の段での主人公(在原業平といわれている)の歌ですね。都を落ちて長~い東下りの旅で、隅田川のほとりまで下ってきました。川が蜘蛛の足のように別れていて橋を八つ渡したので、八つ橋というそうです。一行が、船で川を渡っていると、くちばしと足が赤い、白い鳥が水面をうろちょろし魚をつついて食べていたそうです。
#隅田川のほとり、八つ橋というところ。
#水行く川の蜘蛛手なれば、橋を八つ渡せるによりて、八つ橋という。
#嘴と足と赤き白き鳥の、水の上に遊びつついほ(魚)を食う。
そういう鳥は都では見たことないので、船頭に「何という鳥ですか?」と聞いたら、「これこそ都鳥です」と答えたそうです。都から来た人なのに知らないの?と驚いたようです。
#都では見ぬ鳥なれば人、皆見知らず。船頭に問へば、「これなむ都鳥」
というような前置きの後に出てくる歌で、kokiriko さんの名回答を読んで見てください。(原文多少の誤差があるかも)
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