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- 回答日時:
日本古典の中でも、とりわけ『古今和歌集』と『伊勢物語』を愛読してきた者です。
>伊勢の成立年代がなぜ905年以降といえるのか?
『伊勢物語』の成立事情については、いまだに研究者たちにとっても不明な点が多々あることについてはご存じですよね。
そうは言っても、現行の『伊勢物語』のテクストが生成される前段階の、より古い原形らしきものが『古今集』編纂の勅命が下された905年以前に存在していたはずと考えられております。
それが現存の『業平集』にも通じる家集に近いの形を取っていたのか、それとも多くの人々の口伝てによる歌語りのような形を取っていたのかとなると、これを確認するための文献資料は残っていないようです。
しかしながら、『古今集』編纂時には、こういう業平の歌やエピソード(逸話)を記録したものがあって、編者たちがこれらを参照したことが『古今』序に記されています。
現行『伊勢物語』のテクストを検証すると、『古今和歌集』や『後撰和歌集』から歌を取り込んで物語が作られている章段があることからして、確かに『伊勢物語』の原形は『古今集』以前に存在していたにせよ、現行の物語に近いテクストが成立するまでには、『古今』、『後撰』はもちろん、その他の歌集・家集、歌語り、伝承、逸話の類からも多くの題材を取り込みながら生成発展していったと考えられているようです。
ということで、現行の『伊勢物語』にほぼ近いテクストが成立した年代は、どんなに遡ろうとも、『古今集』編纂の勅命が下された「905年以降」であると推定せざるをえないのです。
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