
質問概要
米朝落語の「一文笛」は人情噺なのか? それ以外の噺なのか?
詳細
上方落語の重鎮に桂米朝という方がいました。
落語のうまさもさることながら、現代では誰も演じなくなったような古い落語を発掘して演ずるなどの地道な研究もされた方です。
人間国宝の表彰も受けた方です。
その桂米朝の演目の一つに「一文笛」というのがあります。
内容をここで明かすとネタバレになるのでしませんが。
といっても落語、というのは観客の大半が予めネタを知っている、という前提で噺をするものであり、ここで噺の詳細を明かしたところで”ネタバレ”というものでもありませんが、とりあえず伏せておきます。知らない人はネット検索、動画検索してください。
さて、この一文笛ですが、なかなか凝っていて、それでいて面白い噺であり、何人かの噺家がこのネタをやっています。
演ずるときに大抵
「この噺は米朝師匠がおつくりになった人情噺で・・・」
と前置きし、噺の半ばになると、めちゃくちゃタメを作ります。
ようするに「人情噺で観客を泣かせよう」という意図が見えます。
で、私の質問は以下の通りです。
一文笛って人情噺でしょうか?
人情噺といえば人情噺のようにも見える(聞こえる)のですが、この噺って
「二重三重にトリックを掛けてあるところが面白い」
という、噺の構築を楽しむものであって、人情味というのはそれの付加にすぎないと思うのですが。
例を挙げれば(一応ネタは伏せておきます)
前段の、
スリの世界には「スリ取る権利の売買」がある
ターゲットの旦那からたばこ入れを買い取る振りをして、最終的な目的として財布も買取金として差し出した金も全部スリ師が持って行ってしまう。
↑
という実況だと思ったら、実は手下への説教だった
から始まって、最後の
がめつい医者からスッた財布(の中身)を使って、その医者に手術代を支払う。
「どうせこの金はもともと医者のものだから、誰も被害を受けていない」
という説得力がありそうでなさそうな弁明
(指を切り落とした右手で医者の財布をスッたと思わせて
「兄貴、実は俺、ぎっちょ(左利き)なんだ」
と言い放つ
「スリ稼業を反省して、利き手の右手の指を切り落とした」
のはスタンドプレーにすぎない、という落ち(つまり、このスリ、何も反省はしていない)
と、このようにこの話は
「・・・と思ったら・・・だった」
ということが何度も重なっています。
これって人情噺なのでしょうか?
この一文笛を継承した落語家(特に上方ではなく、東京の落語家)が
やたらと「人情噺」を強調し、噺の中盤で客を泣かせよう、泣かせよう、
としていることに違和感を覚えます。
米朝師匠はそのあたりをものすごく「さらっ」と話していて、全然タメを作っていません。
今、他の落語家が一文笛を演じているのを見ると
「米朝師匠はそういう意図でこの噺を作ったんじゃないんだと思うけどなあ」
と思ってしまうのですが・・・
詳しい方、お願いします。
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