
古い時代の王とかは、戦争において自ら前線に出て兵士たちを率いていたことも有りました。
アレクサンドロス大王とか、カエサルとか、スウェーデン王・カール12世と、織田信長とか、上杉謙信とか、ナポレオンとか。
そうすると兵士たちの士気も大いに高揚するそうですし、すごい勇敢さだと思います。
ですが、現代の戦争では国王とか大統領が前線に出て、軍を率いて戦う事はまずないですよね。
そこで思ったんですが、現代の戦争では国王や大統領が一切前線に出なくなった理由を知りたいです。
それとも、現代でも国王とか大統領や首相が、最前線に自ら出撃することは意外とあり得ますか?
軍事に興味ある人など、皆さんからのいろんな回答を待っていますね。
No.10ベストアンサー
- 回答日時:
「古い時代の王とか」
この点について、例に出された人物で、代替えの利かない統治者だったのはアレクサンドロス大王とカール12世だけで、カエサルは元老院が選出する2人の執政官のうちの一人(つまり一人が戦争で死んでも、もう一人が国内政治をする)、ナポレオンは皇帝になってからは前線にほとんど出ていない、その他は領主であっても国家の統治者とは言えません。
信長も天下布武の後は、ほとんど前線にでてないですね。
ということで、ご質問の主旨は理解しますが、例に挙げた人物の実情はちょっと違います。
でもたしかに「近現代では統治者が直接前線に出ないが、古代は違った」とはいえます。
その理由はいくつかありますが、まず古代の国家というのは「属人的だった」という点があります。分かりやすく言うと「なんでこいつが王になり、俺たちは従うのか?」という点を納得させるのが難しかった、ということです。
そもそも戦争になれば男は徴発されます。命令で死ぬ覚悟で相手と戦うわけで「その命令が間違いだったら?自分達が守るべきものではなく、指導者の私利私欲のためだったら?」と思ったら誰も戦わないわけです。
これを説得するのに一番わかりやすい方法は「指導者が先頭に立ち、一番死ぬ可能性が高い状態で戦う」ことです。
これで勝てば信頼を得られるからです。
しかし、古代から中世ぐらいになると、大規模国家はだんだん政治機構が複雑化し、階級も複層化していくので「身分が固定化され王が死んだら、息子たちが後を継ぐ」という形になっていき、必ずしも国王が前線に出ることは無くなっていきます。
ただ、今のイギリスなどでも「先代国王の葬儀で棺を担げるのは軍人だけ」という伝統があるように《国家を支えているのは兵士》という考え方自体はあります。
逆に小国の王(指導者)は自ら前線にでて奮闘する必要があります。この点ではカール12世が当てはまりますが、これは現代でもそれほど変わりません。
たとえばかつて存在したPLO(パレスチナ解放戦線)のアラファト議長は「パレスチナ人の自治を勝ち取る」といういわば「大国に占領された小国の領主」という位置づけができる人物でしたし、彼は前線で指揮することもあったし、国際的な交渉にも参加しました。
ただ、彼は例外的といえば例外的です。
少なくとも近代に入ると「武器がものすごく発達した」からです。
国王などの指導者が前線で指揮できるのは「周囲を固める近衛兵が居れば、割と安全」だからです。
しかし大砲や小銃が発明されると、遠くからでも砲撃できるようになり「ここに指揮官が居る」なら集中して狙われるようになっていきます。
現代戦になると、ミサイルもそうですが狙撃に対する警戒も必要で、指導者の周囲半径1kmという広大な範囲を監視する必要が出てきてしまいます。
そうなると「指導者が外に出歩くだけでリスク」なので、前線に自ら出ていくようなことはなくなっていったわけです。
さらにもう一つは「民族自決」という考え方です。つまり「国家領土は王のものではなく、国民全員のもの」という考え方が近代になると広まります。
これが徴兵の理由にもなっていくわけですが「王が前線で指揮して領土を勝ち取る」ならそれは「王の領地」であって《国民全体の利益》ではないわけです。
なので、最初に書いた階層化がさらに進み「王と政治の分離」になっていくわけです。これが顕著に表れたのがイギリスのマグナカルタです。
マグナカルタは近代国家における君主と統治(政治)の距離を決定しました。日本も明治政府以降このマグナカルタによる「君臨すれども統治せず」を意識した政治体制になっています。
なので、特に現代においては「統治行為そのものをしない君主が率先して戦場で指揮することはない(そもそも軍事的に指揮をすることもない)」です。
さらに付け足すと、戦後の独裁国家が大体「〇〇将軍」という肩書を使っているのは国王などの君主号や大統領などの号を用いると「自分が直接政治や軍事を指揮できなくなる」からでもあります。
あ、ナポレオンや信長も途中から前線にはめったに出なくなっていたのですね。
古代では指導者が率先して戦う雄姿を見せることが、民を兵を納得させるのに有効だったようです。
大国か小国かでも、事情は変わってくると。
ですが、兵器が強力になってくると、指導者が前線にいるともろに狙われてしまい、危険すぎるのですね。
また、民族自決の思想ですか。
独裁国家は、将軍という肩書を用いることもあるようです。 軍事を掌握するためでしたか、納得できました。
ベストアンサー差し上げますね。
No.17
- 回答日時:
全て情報形態の変化(速度や範囲など)です。
例えば、信長の場合、己以外は信用してませんでした。そのタイプの者は、人伝えの情報より自身の目視優先でした。
つまり、最前線である現場に足を踏み入れないと自身が納得出来ない訳です。
しかし、現在の情報の殆どがライブ式で殆ど得ることが出来ます。
元首が最前線に行く理由など何一つありません。
「そうすると兵士たちの士気も大いに高揚するそうですし、すごい勇敢さだと思います。」
↑
中世時代ならそら知れませんが、元首が最前線に行ったら、敵にも警戒、味方にも警戒、現場の警備は大変、現場の兵士らは「余計に疲れる」「止めてくれ」「こっちの身になってくれ」です。
現在なら有難迷惑以外に何も有りません。
情報速度や情報伝達範囲の、大きな向上によるところが大きいですか。
信長は自身以外はろくに信用してなかったんですね。
むしろ現代では、王や大統領が最前線に行ったら、兵士たちが守るのが大変で気が休まらないから、有難迷惑なんですね。
回答ありがとです。
No.16
- 回答日時:
確かに紀元前30世紀ころは、国同士の総力戦。
と言っても、現代なら局部戦争です。
双方が文を通して、戦場を決めて、二手に分かれて向かい合う。
日の出の合図で戦争開始し、日没まで決着がつかないと停戦。
翌朝また日の出の合図で戦う。
このような戦争では家族総出て見学し、国王も戦闘を見届けるため
戦場に居たい(だけです)。
そのような戦争は長続きせず、紀元前4世紀には奇襲戦争が有効と
戦い方は、不意打ちが主流に変わった。
いつどこが戦場になるかわからんから、国王も戦場に居ることは無理。
また、宣戦布告もしないのが普通でしたが、20世紀初頭には、国際条約で宣戦布告することが義務付けられたが、現代も守られることは稀。
不意打ちにが主流になると、国王も線上にいることが無理になっていったと。
現代は宣戦布告が義務付けられているんですね、一応は。
回答ありがとです。
No.14
- 回答日時:
最近ではアフリカ・チャドのイドリス・デビ大統領は、交戦中の前線視察中の負傷が元で死亡されました。
現イギリス国王 チャールズ3世は前線には出ていないけど、陸軍海軍に在籍し軍用機の操縦や艦艇勤務をされていることが何度も紹介されていました。
大統領就任前ですが、ジョージ・W・ブッシュやドワイト・アイゼンハワーは第二次世界大戦に従軍した経験があるようです。
No.13
- 回答日時:
それは、「軍」の大規模化や「国家」における分業体制の確立と職掌担当者のプロフェッショナル化です。
中小企業の社長さんなんかだと、工員であり、開発担当者であり、営業であり、経理担当であり、経営者であるという多面的に仕事をしている人が良くいます。良くも悪くも社長が引っ張ってなんでもかんでもやらないと組織が回らないからです。しかし、大企業になると、社長が工場に来て機械を動かすことも、得意先回りをすることもまずありません。組織が巨大化すると、各自でやるべき仕事を分担して行うのが効率的だからです。社長がいちいち工場に来てあれしとこれしろと口出しするのは、工場の担当者にとっては迷惑でかえって混乱のもとです。経営者は方針と担当者を決めて任せて仕事ぶりを評価していればいいのです。
たとえば源頼朝。挙兵時は自ら軍勢を率いて戦闘を指揮しましたが、鎌倉に落ち着いて関東を平定してからは、軍事遠征は部下に任せるようになります。
南北朝の動乱で、新田義貞が足利尊氏に一騎打ちで戦の決着をつけようと呼びかけました。尊氏が立ち上がってそれに応じようとすると、周囲の武将たちが「そんなのは部下に任せなさい。大将がやることではない。匹夫の勇だよ。」と引き止め、尊氏は納得したというエピソードがあります。
軍隊の大規模化や分業体制のプロフェッショナル化でしたか。
中小企業と大企業では、社長が現場に出過ぎると非効率的だし迷惑で混乱するんですね。
源頼朝もとちゅうからは、部下に遠征を任せていたんですね。
回答ありがとです。
No.11
- 回答日時:
まあ現代でも、元首が前線を視察などして、自軍を鼓舞するくらいの可能性はあり得ると思いますけど。
簡単に言えば、現在はシビリアンコントロール(文民統制)が主流だからです。
すなわち、最高指揮官は軍人ではなく文民なので、従軍はしません。
一方、元首などが先陣に立つのは、基本、軍事国家や戦争が常態化している場合などで、元首が最高位の軍人である場合です。
ただ現代は、元首が最高位の軍人であっても、実際の戦争で元首が前線に立ったり、戦闘を指揮すると言うのは、ほぼ無いでしょう。
遠距離,長距離,超長距離の攻撃なども可能なので、リスクが高過ぎるし。
政治や国家が成熟し、国家元首が軍事に専念できる立場でもないから。
また古代でも、国家元首が先陣に立ったり、まして戦闘に加わると言うケースは、そんなに無いと思います。
たとえば、自国や領地が存亡の危機を迎えたら、国家元首も戦わざるを得ない局面などに限定的で。
さもなきゃ、圧倒的に有利な状況で、示威的に従軍するとか。
現代では、遠距離攻撃、長距離攻撃、超長距離攻撃が可能ななために。 国家元首が前線に立つのはリスクが高すぎるようです。
国家元首が軍事に専念できる立場でもないと。
古代でも原酒が前線で戦うのは、稀だったんですね。最終手段だったのかも。
回答ありがとです。
No.9
- 回答日時:
一つ兵力の集中の変化。
敵を打倒するために、敵より多くの兵力を戦場に投入しようとしますね。ご質問にある、アレクサンダー大王やナポレオンなどの時代は、敵味方が兵力を一カ所に集めて戦う大会戦を行って、その戦いの勝敗が戦争全体に影響したので、王が直接に出陣して、自分の目で戦況を確認しながら戦場で指揮を執った。昔ながらの兵力の集中使用です。
日露戦争、第一次世界大戦、第二次世界大戦の頃は、無線などで離れた部隊の動向を把握したり、命令が出せるようになったこと、広範囲の地域で戦闘が行われるようになって、国や軍隊のトップは全体の戦況が把握できる後方から、作戦目的に沿って、○○部隊は敵飛行場を攻略、××部隊は……などと、一つの作戦目的のためにそれぞれの部隊を運用するようになった。昔の似ように一カ所のエリアに兵を集めるのではなく、作戦目的に合わせて兵力を集中するようになってます。
二つ目は、現代は兵力の専門家が進んで一人の王がそれぞれの部隊にベストの判断を下して命令を出すことができなくなった。
陸軍、海軍、空軍、さらに陸軍なら歩兵戦闘や戦車戦闘、最近ではドローン攻撃など、指示命令を出すために専門的な知識が必要になりますね。
中途半端に自信過剰なトップがいると……、例えば3.11震災の時の民主党の総理大臣のように、オレは原発をよく知ってるんだと現場を混乱させて原発の大爆発を起こすような事も起きてしまいます。
だから、国のトップは、後方で全体の状況を把握し、軍事情勢に国内の状況や外交関係も含めた全体の運営について判断を下すのがベストと言うことです。
ふむふむ、情報伝達能力の進歩が大きいですか。
さらに、兵力の専門家が進んでトップが適切な判断を出来ないし、現場を混乱させかねないようです。
国のトップは後方で全体状況を把握し、運営の判断を下すのがベストであると。
回答ありがとです。
No.8
- 回答日時:
兵員の変化が最大の理由
職業軍人が確立していない時代の場合
戦うための訓練を受けている人間は国王を始め各領域の支配を行う領主やその近臣に限られる
そう言う状況でいざ戦争となった場合に兵隊としてかき集められるのは領域内で暮らす農民になる
彼らは普段は農作業に従事しているので力は有っても武器を持って敵と対峙する
更には自らの命をかけて敵と刃を交えるなんてことは簡単には行えない
そんな素人集団に対して戦う意欲を持たせるためには、支配層が先頭に立って手本を示し兵隊を鼓舞しなければ勝てませんでした
時代が下って軍隊が傭兵や職業軍人がメインになれば、国王や領主が危険を犯す必然性がなくなるからね
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