
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
そうですね。
#3の説明は,理解するには良い方法と思いますが,厳密に言うと違います。慣性モーメントの定義を分かりやすく簡単に説明すると,慣性力は物体が現在の状態を維持しようとする力,つまり,物体の運動や変形に抵抗する力の事です。モーメントというのは回転に関する運動率,つまり,回転に関する係数です。合わせて,回転に対する抵抗係数が慣性モーメントです。
係数ですから次元に関係はありません。と言うよりも,適用される状況によって異なった次元を持ってもかまわないと言うことです。
そこで,慣性モーメントとは,動力学では,回転運動に対する抵抗係数で,静力学では,回転変形(曲げ変形)に対する抵抗係数です。
J=∫r^2 dmやI=∫r^2 dAという算定式は,一般的に解釈すれば,「慣性モーメントは,物体が物体の任意の軸に関して,物体内の微小部分と軸から微小部分までの距離の2乗との積を全物体について合算した値である」と定義できると思います。
質量慣性モーメントの場合,この微小部分が微小質量であり,断面2次モーメントの場合微小部分が微小断面積になります。
そこで,
>「材料力学では」断面二次モーメント=慣性モーメント
という定義がされているものと思いますが,ここでは,「材料力学では」と言う条件が重要な部分だと思います。
でも,こんな説明をしている書籍を見たことはありません。断定的な説明をしていますが,私の理解している内容を文章にしただけですので,ほぼ合っていると思いますが,多少の違いがあるかもしれません。他の専門家の意見も聞いて頂くと良いと思います。
No.5
- 回答日時:
>材料力学の慣性モーメントと質量慣性モーメントとは全くつながりが無い
と言い切ってしまうと、感覚的に抵抗があります。概念としては、まったく同じものですから・・・とっても分かりやすい(と本人は思っている)例えで比較すると、
自動車という概念で考えると、トラックと乗用車は同じものです。エンジンがあるとか、車体があるとか、タイヤがあるとか、燃料が必要とか、運転手が必要・・・のように、ほとんどの部分が共通です。唯一異なっているのが、トラックは物を運ぶ、乗用車は人を運ぶという目的です。そのために、形状が少々異なっています。
慣性モーメントという概念で考えると、質量慣性モーメントと断面2次モーメントは同じものです。微小部分とか、距離の2乗とか・・・のように、ほとんどの部分が共通です。唯一異なっているのが、質量慣性モーメントは回転運動の抵抗係数で、断面2次モーメントは回転変形の抵抗係数という目的です。そのために、算定式が少々異なっています。
えーと、物質の変形を扱う静力学という範疇の中でのみ、慣性モーメント=断面2次モーメントが成り立ち、物質の運動を扱う動力学という範疇の中でのみ、慣性モーメント=質量慣性モーメントが成り立つ。という事であって、静力学と動力学という土俵の異なるものを比較しても意味がない。
慣性モーメントは、あくまでも両方を含む概念に過ぎない。上の例えで言うと、慣性モーメントが自動車、トラックが断面2次モーメント、乗用車が質量慣性モーメントです。トラックのことを自動車といってもおかしくないし、合ってるでしょう。
という、説明でいかがでしょうか?
分かり易い説明ありがとうございます.
私自身一番疑問に思っていたことは
断面二次モーメントから質量慣性モーメントが
求められるものなのか?ということでした.
みなさまの説明と自分の頭での考察から
どうやらそれはできないということが
わかりました.
ありがとうございました.
No.3
- 回答日時:
慣性モーメントは,動力学と静力学の両方で用います。
例えば,質問者さんの記しておられる式(∫r^2 dm)を用いて説明すると,動力学では,物体の運動がほとんど質量によって左右されるので,質量に関する慣性モーメント,J=∫r^2 dm で,(dmは微小質量)質量慣性モーメント,略して慣性モーメントと言います。(mass moment of inertia 又は,moment of inertia)
静力学の場合は,運動をある一瞬の静止状態で考えるので,物体の性質が物体の質量に関係なく幾何学的形状によって左右されることになり,面積に関する慣性モーメントで,I=∫r^2 dA で,(dAは微小面積)断面2次モーメントと言います。(moment of inertia of area)
無理を承知で説明すれば,動力学の質量(dm)は,体積(dAxdt)x比重(ρ)なので,比重(ρ=1),体積の厚み(dt=1)という特別な場合と仮定すれば,dm=dAとなり,静力学の式と一致します。つまり,静力学の断面2次モーメントは,動力学の慣性モーメントの特別な場合と言うことが出来ると思います。(多少強引ですが・・・)
この回答への補足
確かに断面二次モーメントに密度と厚さを掛けると
次元が一致しますね.
動力学的意味では動作する物体が動作し続けようとする
という意味での慣性力と考え
静力学的意味では静止している物体が静止し続けようとする
という意味での慣性力と捉えてよいのでしょうか?
また断面二次モーメントに物体の密度と厚さを掛けると
動力学的意味での慣性モーメントになると言って良いのでしょうか?
ご説明では
>無理を承知で説明すれば,動力学の質量(dm)は,体積(dAxdt)x比重(ρ)なので,比重(ρ=1),体積の厚み(dt=1)という特別な場合と仮定すれば,dm=dAとなり,静力学の式と一致します
ということですが
これは理解しやすいための解釈に過ぎず
厳密には違うと言う理由で無理を承知とおっしゃっているのでしょうか?
No.2
- 回答日時:
材料力学をやられているので区別は付いているようですが,
おっしゃるようにこれは厳密な用語の使い方に従っていないと思います.
慣性モーメントは飽くまで「慣性」に関するものなので,
質量の次元を含まねばなりません.
>ですが慣性モーメントって∫r^2 dmですよね?
そうです,円盤の場合ですと,
dm=ρ(r)×(π(r+dr)^2-πr^2)
で,二次以上の微小項を無視すれば,
dm=ρ(r)2πrdr
となりますので,これを上式に当てはめて求めたものが「慣性モーメント」です.
分野によってこういう使われ方をされるのかも知れませんが,
いまや「工学」と「物理」を同時に習得する人は多いのですから,
ちゃんと区別してほしいですよね.
#老婆心ながら,軸の回転などを扱う場合は,
材料力学でも慣性モーメントは出るので混同されませぬよう.
この回答への補足
断面二次モーメントと慣性モーメントは
全然別物だと考えた方が良いのでしょうか?
なのになぜ慣性モーメントというのかが
いまいちピント来ないのですが.
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