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断面相乗モーメントと慣性相乗モーメントというものがあるらしいですが、それぞれどういう意味があるのですか?
また、これらを算出するには基準平面が必要なのですか?
私は3次元CADを使っていて、そのコマンドで断面相乗モーメントと慣性相乗モーメントを求めることができます。そのとき基準平面を指定するのですが、なんのための計算なのかよく理解していません。

A 回答 (2件)

そうなんですよね。

材料力学や構造力学の教科書を見ても,計算方法の説明や計算式の根拠は書いてあるけれど,その意味とか,何なのかというのは書いてないんですよね。私も,これらの意味を解説した教科書を見たことはありません。

前置きは置いといて,
剛体の任意の部分に力が作用したとき,この剛体は剛体上の回転軸を中心にして回転します。この回転力をモーメントと言ってます。そして,このモーメントに対する抵抗力の係数,つまり,回転しにくさを表すものが慣性モーメント(monment of inertia)です。この慣性モーメントを,材料の断面に適用したものが2次の断面モーメント(sectional moment of  the second order)で,断面2次モーメント(geometrical moment of inertia)と断面相乗モーメント(product of inertia of area)です。つまり,断面相乗モーメントと慣性相乗モーメントは全く同じものです。断面2次モーメントと断面相乗モーメントは,ちょっとだけ違います。

そこである整形な断面,例えば長方形断面があったとして,この長方形の図心を通り長辺に平行な軸をy軸,短辺に平行な軸をx軸として,x軸が水平になるように置いて,x軸を中心に回転させたときの抵抗係数が,断面2次モーメントで,この断面上の任意の微小断面積に回転軸からの距離の自乗を乗じたものの総和で表します。この時,この長方形はy軸を中心とした方向には回転していない事になります。
さて,ここからが本題ですが,この長方形をちょっとだけ回転させ,上下方向と左右方向に少しだけ移動させると,中心が少しずれて,少し横に寝た長方形になります。ここで,元のx軸(水平な軸)をxx軸とし,元のy軸をyy軸とし,xx軸を中心に回転させると,回転に対する抵抗力は,長方形が斜めになっているので,短辺方向の回転抵抗力だけでなく,長辺方向の回転抵抗力の影響を同時に受けることになります。そこで,この影響力をお互いに相乗じた抵抗影響係数として定義し,断面相乗モーメントと言います。結局,断面相乗モーメントというのは,ちょっと変形した(着眼点を変えた)断面2次モーメントなんです。

ただ,断面2次モーメントでは,回転に対する抵抗力がx軸方向だけだったので,
Ix=∫s(x^2ds)   ・・・sは面積
で,xの自乗でしたが,断面相乗モーメントは,両方向の影響係数なので,
Ixy=∫s(xyds)
で,xyとなり,
Mx=AIx+BIxy  (AとBは未定常数)
となります。当然,x軸又はy軸と図心が一致している場合は,お互いに影響せず,x=0又は,y=0となるので,断面相乗モーメントは零(0)となり,通常の断面2次モーメントに一致します。

以上,考えながら書いたので,多少わかりにくい所があるかもしれません。又,勘違いがあったり,語句の使い方が統一されていないかもしれませんが,ご容赦ください。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます、非常に参考になりました。
とってもわかりやすいです。どうして教科書はこのように書いてくれないんでしょうね!

お礼日時:2005/04/29 20:20

「相乗モーメント」とは初めて聞きました,時代による言い方なのかも知れません,


状況から察するに,
「断面二次モーメント」と「慣性(二次)モーメント」のことであろうと思われます.

それでありましたらご理解されていることと思われますが,
念の為書きますと,詳細については,前者はとりわけ「材料力学」,
後者は適宜剛体の物理関連の教科書に書かれています.
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。お礼が遅くなって申し訳ありません。
こういった専門用語(?)は時代で変わったり、呼ぶ人によってビミョーに変わったりするから大変です。

お礼日時:2005/04/29 20:23

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