また質問させて頂きます。
PCRで目的のインサートが増幅してくれたので、そのPCR産物をベクターに組み込み、ライゲーションして大腸菌に入れてプラスミドを調整するところまでこぎつけました。このインサートには、3’末端にMycタグをつけているので、ORFがあっていなければならないというので、シークエンスを行いました。
ところが、少なくとも数個の点変異や欠失が見られ、また同じクローンを数回読んだのですが、その度に変異や欠失の位置が違っています。もちろん、同じところもあるのですが。このベクターは細胞にトランスフェクションして、タンパク質発現に用いるので、やはり100%の正確性が求められるべきでしょう。どれくらいのクローンのシークエンスを読んで、検討した方がいいでしょうか?ただ、シークエンスに使用する試薬類が残り少ないこともあり、あまりどかどかとシークエンサーを使用できないという欠点があるのですが。あるいは、PCRの時点で100%のfidelityをもつ酵素を購入して、それで増幅させたほうがいいのでしょうか?
ちなみに、PCRではKOD-Plus-、TaKaRa LA taqの両方を用いて、シークエンサーはベックマンコールター社のCEQ8000を使用しています。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
CEQ800はダイプライマーなんですね。
950bpくらいまで読めていれば十分にうまく反応できています。
これ以上繰り返しても片側2.25kbを越えて読めることはないはずですので、
適当な制限酵素で切り出して適当なベクターにサブクローニングし、
それを読むことになると思います。
全長読めていないクローンを使う気にはなりませんよね。
予算的に可能ならば、インサート内に特異的なプライマーにダイをつけて、
それでシーケンスしたほうが早いのですが、
難しいですよね。
4.5kbなので、3つくらいのフラグメントになるように切り出せば、
それぞれをシーケンスして全長をカバーできると思います。
可能ならば複数の制限酵素サイトを使って、
使った制限酵素サイト付近もカバーできるように
A.--○-------◎------
B.-------●-----△---
-:DNA
○●◎△:制限酵素サイト
(それぞれサブクローニングして計6個のフラグメントを読む)
こんな感じに切り出せれば制限酵素サイトをつぶして(bluntingなどをして)サブクローニングすることになっても安心です。
このときに始めのクローンを複数用意しておけば、
例え変異が入っていても切り張りで正しいクローンを作ることが出来ます。
(●-△フラグメントに変異が入っていた場合、他のクローンの●-△フラグメントに置き換えることが出来ます。)
前の質問を覚えていないのですが、
もしかしたらクローニングをしているのではなくて、
全長が完全に読めているクローンを元にしてPCRでタグを付け直しているのでしょうか。
それでしたら、両側1kb読めていれば、
そこに含まれている制限酵素サイトを使って元の配列を入れ直せば(上の例でいえば○-△フラグメントを切り出して、元の○-△フラグメントを切り出して挿入する)、
今のシーケンスの結果だけで先に進めることが出来ます。
制限酵素できって、それぞれのフラグメントをベクターに入れて、シーケンスするというのは思い付かなかったですね。
それよりも、ご指摘の通り、現段階においては全長の配列が分かっているクローンにPCRでタグをつけ直しているわけなので、元のクローンから制限酵素で必要な配列を切り取って入れ直せば、事が早いですよね。
いざいわれてみると、単純な方法なのに、なかなか思い付きませんでした。
これで先に進めそうです。ありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
シークエンスシステムの能力の限界ですね。
プライマーから遠いところのシークエンスの信頼性は低くなって当然です。同じ系で何度繰り返しても信頼性を高めることはできないでしょう。カスタムプライマーでのシークエンスができないのであれば、手間はかかりますがExoIIIを利用したseqencial deletionを作るという古典的な方法があります(Takaraのキロシークエンス用deletion kitなど)。
そうですか、シークエンスの限界でしたか。では、同じクローンを何度読み直しても、最後の方で歯入れ悦結果が異なるのは当然のことなんですね。
sequencial deletionは、試したことがないので、少々不安ですが今後のオプションの1つとして参考にさせて頂きます。
いつも経験者の立場からの有用なアドバイスの数々、ありがとうございます。
No.2
- 回答日時:
同じクローンを読んで、その都度結果が違うというのは解せないです。
私のところはABIですが、同じくローンならいつも同じ結果がでます。なので、単一のクローンを同じプライマーで何度も読み直してconfirmするということはしません。やるとしたら、プライマーをずらして、正確に読める伸長範囲で読めるようにする、です。ひょっとして、long sequenceをして長い方で不一致が起こっているということではないですか? 長い方のシークエンスはどうしても不正確、不安定になりますので。
PCRで増やしたDNAを発現に使うときは、PCR産物のクローンを複数シークエンスをして正しい配列のものをさがすか、良いところをとって制限酵素消化、ライゲーションでつなぎ合わせます(変異が起こってしまった部分は、Mycタグを付ける前のクローンから調達すれば間違いないですね)。
geneticist12様、今回の件に関しては最初からアドバイスを頂きっぱなしで、何とお礼申し上げて良いのやら分かりません。ありがとうございます。
同じクローンは何回読んでも、同じ結果になるんですね。うちの研究室では、シークエンスに対してあまり信頼性を持っていないらしく、配列がどこか違っていても、気にしない方もいらっしゃるので。
インサートは4.5kbくらいなのですが、フォワード、リバースそれぞれのプライマーを用いて前後1kbくらいずつシークエンスしています。本来なら、全長をシークエンスできればいいのでしょうが、なかなかできません。シーケンサーにセットするゲルが足らないというのが難点です。毎回変異の位置が違っているというのは、説明不足の感もありますが、1kb読んだ時に大体950bp辺りから後ろの配列で違いが生じてくるのです。それまでは、結果は皆同じなのですが。このあたりが、シークエンスにあまり信頼性を持っていない理由なのかもしれません。
折角、数々のアドバイスを頂いておりますので、何とか成功させようと、またクローンの配列解析を進めています。当たりが取れるまでがんばります。
No.1
- 回答日時:
そのシーケンサーを使ったことがありませんが、
泳動パターン(泳動時の各ピークかゲルのイメージ)を見ることは出来ますか?
同じクローン
(取り直しをしたりしていない同じサンプルという意味ですよね)
なのに読むたびに結果が違うということですが、
泳動パターンと出力された配列を見比べてあっているのでしょうか。
シーケンスの結果が汚いためにピークを拾えていないような気がします。
あまり無いことだと思いますが、
生データを目で見ても変異や欠失が同じくローンなのに毎回異なるのでしたら、
シングルクローンを拾えていないのかもしれません。
(変異が入ったものとピークが混ざっているために毎回異なる結果になっている)
もう一度シングルコロニーを取り直して見るくらいしか対応策が思いつきません。
>どれくらいのクローンのシークエンスを読んで、
当たりのクローンが取れるまで続けることになると思います。
最低でも点突然変異が入っていても、アミノ酸置換の起きていないクローンが必要です。
毎回同じところに点突然変異が入っているのでしたら、
SNP(s)なのかもしれません。
cDNAを作るためのRNAの由来を替える必要がでてくるかもしれません。
>PCRの時点で100%のfidelityをもつ酵素を購入して、
そんないい酵素があるのでしたら教えてください。
もともとそういう酵素が存在するのでしたら、はじめから使っていますよね。
MIYD様、いつもいつもご回答頂き恐縮です。
大体シークエンスをすると、始めてから20分後くらいにDyeマーカーのピークが出ると思います。インサートは4.5kbくらいのものなのですが、フォワード、リバースそれぞれのプライマーを用いて、前後1kbくらいを読んでいます。毎回変異の位置が異なるというのは、少々説明不足だったかもしれませんが、読んだ配列結果の後ろの方で違ってくるのです。例えば、1kb読んだとすると、950bp辺りからシークエンス結果に不一致が生じてきます。それより前では、結果は皆同じです。この後ろの部分が不安で、数回読み直しを行ったのです。このベクターの構築は必須なので、当たりが取れるまでがんばります。
>PCRの時点で100%のfidelityをもつ酵素を購入して、
そんないい酵素があるのでしたら教えてください。
もともとそういう酵素が存在するのでしたら、はじめから使っていますよね。
全くその通りです。PCRでそんな抜群の酵素があったら、みんな使ってますもんね。とんだ戯言を漏らしてしまいました(恥)。
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