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遺伝子欠損において、nullとsystematic deletionはどう違うのでしょうか?

A 回答 (1件)

systematic deletionはどういうcontextで使われているのか、ちょっと意味がとれないのですが、おそらく体系的な(つまりある範囲を網羅するような)連続的な欠失のこと、またはそれらを生じさせることだと思います。



nullと対比するならただのdeletion(欠失)のことだと思いますのでその前提で、

nullは遺伝学用語のamorphと同義と考えて良いです。これは、遺伝子の機能が全くなくなった状態のことです。その原因は問いません。転写が全く起こらなくなったのか、転写は起きても機能的なタンパク質ができなくなっているのか、遺伝子自体が欠失しているのかなどなど。

ただし、あるalleleが本当にnullかどうかというのは判断が難しいです。分子レベルで見ても本当にnullなのか、ほんの少しは機能が残っているけれど検出できないだけとか、表現型に現れるほどではないだけとか、証明するが難しいのはおわかりでしょう。多くの場合、不完全ながらもいろいろな証拠から「このalleleはnullであると考えられる」と言っているのにすぎません。

しかし、その遺伝子を欠失しているのであれば、完全に機能を失っているのは自明です。deletion mutantで観察される現象はその遺伝子のnullを見ていることになります。また、ほかの原因によるalleleがnullかどうかは、deletionの表現型との比較が重要な判断材料になります。

まとめると、nullとはある遺伝子が完全に機能を失った状態である。機能の失い方は問わない。

deletionはnullをもたらす原因の一つであり、唯一、nullであることが自明な状態である。
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この回答へのお礼

大変参考になりました。どうもありがとうございました。

お礼日時:2006/05/25 20:39

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