ブレンステッド理論での、“水平化効果”とはどのようなものなのでしょうか?
教科書を読んでも、ごちゃごちゃしてて分かりにくい説明なので困ってます。

どなたか、分かる方よろしくお願いします。

A 回答 (1件)

水平化効果をすんごくわかりやすく言い切ってしまえば,



『単体ではどんなに強い酸でも,水に溶かすと酸性度が弱まってしまうこと』

です.でも,これじゃああまりに不親切なので,その根拠を説明します.
ただし,私自身もそれほどよく理解していないので,説明がわかりにくいかもしれませんが,ご了承ください.

--------------------------------------------------
◆ブレンステッドの定義のおさらい

まず,ブレンステッドの酸,塩基の定義をおさらいしますと,

酸:プロトンH+を相手に与えることができる物質(HCl,H3O+,CH3COOHなど)
塩基:プロトンH+を相手から受け取ることができる物質(Cl-,OH-,CH3COO-など)

でしたね.ところで,中学や高校では,HClは強酸,CH3COOHは弱酸と習いました.
じゃあ,この「酸の強弱」とは何なのか?それは,「プロトンを与える能力の大きさ」のことです.水溶液においては,それは「H2OにH+を与える能力が大きいかどうか」に相当します.

ところが!ものごとには基準というものがあって然りです.つまり,「酸が強い」というのは,「何を基準に強いのか?」がわからなければダメですよね.例えば,A君が「俺はテニスが強いんだ!」っていっても,どれほど強いのかわかりませんね.「B君よりも強いんだ」とか,「○○大会で優勝したんだ」とか言ってもらわないとお話になりません.

話がちょっとそれちゃいましたが,「酸の強さの基準」に相当するもの,それはH3O+なんです.
←H3O+も酸の一種ですよ.(だって,プロトンH+を相手に上げる能力をもっているでしょ!).

だから,HClが強酸というのは,「HClはH3O+よりも酸性度が強い」ということであり,CH3COOHが弱酸というのは,「CH3COOHはH3O+よりも酸性度が弱い」ということです.
(つまり,酸性度の強さは,HCl>H3O+>CH3COOHとなりますが,なぜこうなるかについては説明が難しいので省略します)


◆水溶液中での酸のふるまい

では,実際に水溶液中における強酸,弱酸の酸解離平衡を考えてみましょう.
ただし,以下では「プロトンの授受」を強調するため,H+ではなくH3O+を用います.

(1)HCl + H2O <--> Cl- + H3O+
(2)CH3COOH + H2O <--> CH3COO- + H3O+

すると,どういうことがいえるでしょうか?

(1)の水溶液はほぼ100%電離して,水溶液中に含まれる「酸」はH3O+だけである
(2)の水溶液はほとんど電離しないので,水溶液中に含まれる「酸」はCH3COOH(少量)とH3O+(多量)の両方がある.

ここで,(1)に注目します.これは,
「HCl単体では(H3O+よりも)強い酸なのに,水に溶かすとHClはすべてH3O+に取って代わられてしまう」
=「水溶液中に含まれる酸はH3O+のみである」
=「“HCl水溶液”の酸性度は,HClではなくてH3O+である!」
であることに他なりません!

長々となってしまいましたが,以上の理論と冒頭の定義をミックスしますと,

『どんなにH3O+よりも強い酸でも,水に溶かすと酸性はH3O+に弱められてしまう』

これが水平化効果の定義です.


◆水平化効果の例を挙げてみると・・・?

上の説明だけじゃぁイメージがつかみにくいと思うので,次のような例を考えましょう.
Aという物質をHClという強酸で反応させたい,つまり
HCl + A --> Cl- + HA
という反応を起こしたいとします.このときAという物質は,HClほどの酸性を持った物質とは反応するが,それ以下の酸性度のものでは反応しないものだとします.

すると,HCl単体とA同士は反応しますが,HClを水に溶かした塩酸とAは反応しないことになります.なぜなら,HClを水に溶かすと,
HCl + H2O --> Cl- + H3O+
となり,塩酸の酸性度はHClではなくてH3O+となって,酸性度がHClよりも弱まってしまうからです.

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こんな説明でわかっていただけたでしょうか?
もしここがわかりにくいなどの意見がございましたら,折り返し補足をお願いいたします.
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この回答へのお礼

いえいえ、とっても分かりやすい説明でした。
有り難うございました。

お礼日時:2002/02/23 12:26

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Qブレンステッド酸塩基について

いまちょうど高校でやっているんですが、この考えは『広義』の酸、塩基と

習いましたがいまいち理解できません。

この考えでは、拡張されているので実際酸、塩基じゃないものも酸、塩基に

なります。これは、その実験だけにおける相対的なものなのでしょうか?

教科書を見ると、実験によっては水も酸ということになりますし前述の

とおり理解できません。

Aベストアンサー

ブレンステッドの定義では2種類の物質の酸性度(酸としての強さ=H+を与える力の強さ)の違いによって、どちらが酸になるかが決まります。したがって、酸・塩基というのは相対的なものです。そしてその酸の強さの尺度としてKaあるいはpKaと呼ばれる数値が用いられるということです。高校ではならわないでしょうが。

これまでに学習したアレニウスの定義というのは、比較対象は常に水ということになります。つまり、任意の2種類の物質を比較するのではなく、常に水と比較するということです。
アレニウスの定義の弱点としては、常に水が基準となりますので、水溶液以外では全く無力ということです。つまり、アルコール溶液やエーテル溶液などにおいては酸・塩基が定義出来ない(OH-がありませんから)ので、酸塩基の議論ができないことになり、特に水に難溶性の有機化合物を扱う場合などに極めて不便です。そのために、一般的な酸塩基の尺度としてブレンステッドの定義が使われます。
また、ブレンステッドの定義では酸と塩基をペアにして扱うことになりますので、たとえば、水に塩基(アルカリ)を加えた場合、そのアルカリは塩基として振る舞い、アルカリにH+を奪われる水は「酸として振る舞っている」と考えます。逆に水に塩酸などを加えると、HClは水にH+を与えるので酸として振る舞うことになり、H+を受け取る水は塩基として振る舞ったと考えます。これが酸・塩基をペアにして考えるということです。

ブレンステッドの定義では水よりも強い酸(塩酸、酢酸など)と混ぜると水は塩基として作用し、H+を受け取ってH3O+になりますし、水よりも弱い酸(アンモニアなど)と混ぜると酸として作用し、H+を与えてOH-になります。しかしアレニウスの定義では水は基準になるので、それが酸であるとか塩基であるとか言ったことは議論しないということになります。

ブレンステッドの定義では2種類の物質の酸性度(酸としての強さ=H+を与える力の強さ)の違いによって、どちらが酸になるかが決まります。したがって、酸・塩基というのは相対的なものです。そしてその酸の強さの尺度としてKaあるいはpKaと呼ばれる数値が用いられるということです。高校ではならわないでしょうが。

これまでに学習したアレニウスの定義というのは、比較対象は常に水ということになります。つまり、任意の2種類の物質を比較するのではなく、常に水と比較するということです。
アレニウスの定...続きを読む

Qブレンステッド酸の定義について

ブレンステッド酸では、

HCl + H2O →  Cl- + H3O+

とした時HClは酸、H2Oは塩基ですが 

NaOHが電離する時は

NaOH + H3O+ → Na+ + 2H2O

この時NaOHは塩基、H3O+は酸

と考えていいんですか??

ということは、NaOHの電離とは水の中に微量に存在する、水のイオン積由来のH30+
と反応してOH-を生成するという事になると思うんですが、当たってますか??

Aベストアンサー

> NaOHの電離とは水の中に微量に存在する、水のイオン積由来のH30+
> と反応してOH-を生成するという事になると思うんですが、当たってますか??

いいえ。当たっていません。

固体のNaOHが電離して水に溶けるのは、固体のNaClが電離して水に溶けるのと同じ理屈です。

NaCl(固体) + 大量のH2O → Na+(aq) + Cl-(aq) + 大量のH2O

NaOH(固体) + 大量のH2O → Na+(aq) + OH-(aq) + 大量のH2O

NaOH結晶は、ナトリウムイオンと水酸化物イオンからなるイオン結晶です。NaClが水に溶けるときに「まずNaCl分子の形で水に溶け出してから、その分子が水中でNa+とCl-に電離する」と考えないのと同じように、「まずNaOH分子の形で水に溶け出してから、その分子が水中でH2OやH30+と反応することでNa+とOH-に電離する」ということにはなりません。

NaCl水溶液が中性になるのに対して、NaOH水溶液がアルカリ性になるのは、Na+(aq)とCl-(aq)が中性のイオンで、OH-(aq)が塩基性のイオンだからです。

Cl-(aq)はきわめて酸性の強い分子HCl(aq)の共役塩基ですから、きわめて塩基性の弱いイオンです。

HCl(aq) + H2O → Cl-(aq) + H3O+(aq)

また、Cl-(aq)が酸として働くのならば

Cl-(aq) + H2O → [ClOH]2-(aq) + H+(aq)

のような反応が起るはずですけど、この反応は起こりそうも無い反応なので、Cl-(aq)がきわめて弱い酸であることも分かります。

ブレンステッドの酸・塩基の考え方では、きわめて弱い酸であって かつ きわめて弱い塩基である分子・イオンのことを中性の分子・イオンと呼びます。上で見たように、Cl-(aq)は中性のイオンです。

一方、OH-(aq)は、両性分子H2Oの共役塩基です。

H2O + H2O → OH-(aq) + H3O+(aq)

水平化効果のため、OH-(aq)は水中では最強の塩基になります。塩基の水平化効果とは、もし水中にOH-(aq)より強い塩基Bが入ってきたとしても

H2O + B → OH-(aq) + HB(aq)

の反応が起こって、塩基Bをきわめて弱い酸HB(aq)に変えてしまうことをいいます。

Na+(aq)がきわめて弱い酸であることは、

Na+(aq) + H2O → [Na(OH)](aq) + H3O+(aq)
または
[Na(H2O)6]+ + H2O → [Na(OH)(H2O)5] + H3O+(aq)

のような加水分解が水中では起こらないことから分かります。水中で加水分解を起こす金属イオンとしてはFe3+(aq)が知られています。

Fe3+(aq) + H2O → [Fe(OH)]2+(aq) + H3O+(aq)
または
[Fe(H2O)6]3+ + H2O → [Fe(OH)(H2O)5]2+ + H3O+(aq)

これらの反応式から、加水分解を起こす金属イオンとは、ブレンステッド酸に他ならないことが分かります。また、加水分解を起こさない金属イオンは、きわめて弱いブレンステッド酸であることも分かります。酸解離定数を使うと、金属イオンの加水分解の起こりやすさについて、さらに詳しく議論することができます。たとえばpKaの順に並べると、Fe3+(aq)<Al3+(aq)<Zn2+(aq)<Mg2+(aq)<Na+(aq)のようになります。ブレンステッドの酸・塩基の考え方は、非水溶媒での反応に限らず、水溶液でも非常に有用な考え方です。

Na+(aq)とCl-(aq)は中性のイオンである、というのは、これらのイオンがH2Oに比べるとブレンステッド酸としてもブレンステッド塩基としてもきわめて弱い、ということです。これらのイオンはプロトンのやり取りをしないので水溶液の液性には影響しない、だから中性である、と考えてもいいです。


> NaOHが電離する時は
> NaOH + H3O+ → Na+ + 2H2O
> この時NaOHは塩基、H3O+は酸
> と考えていいんですか??

NaOHが何を意味するかによって答えは変わります。

もしNaOH結晶の固体表面で起こる反応であるならば、NaOHはイオン結晶なのでH3O+の有無にかかわらず、はじめからナトリウムイオンと水酸化物イオンは電離しているものと考えます。そのときはナトリウムイオンは反応の傍観者になりますので、塩基はOH-、H3O+が酸になります(共役酸と共役塩基はどちらもH2O)。しかし、水の中に微量に存在する水のイオン積由来のH30+よりもH2O分子のほうが圧倒的に数が多いのですから、固体表面で起こる主な反応は

NaOH + H2O → Na+ + H2O + OH-

のようなものになるでしょう。この場合は、塩基はOH-、H2Oが酸です(OH-の共役酸がH2Oで、H2Oの共役塩基はOH-)。いずれにしても、ブレンステッドの酸・塩基の考え方では、物質レベルではなく、分子・イオンのレベルで酸・塩基の区別をしますから、「NaOHは塩基」と考えるのではなく、NaOHという物質を構成しているイオンのOH-が塩基、と考えます。あるいは、OH-というH2Oより強いブレンステッド塩基を含むため、NaOHはアレニウス塩基とみなせる、と考えてもいいです。

一方、NaOHが水に溶けたNaOH分子である、と考えるならNaOHは塩基、H3O+は酸と考えていいです。先に見たように、NaOH(aq)はNa+(aq)の共役塩基です。Na+(aq)がきわめて弱い酸なので、NaOH(aq)はきわめて強い塩基です。きわめて強い塩基なので、H2Oとも反応します。

NaOH(aq) + H2O → Na+(aq) + OH-

この反応は水平化効果の一例です。HCl(aq)はきわめて強い酸であるために水中では安定に存在し得ない、というのと同じ意味で、NaOH(aq)はきわめて強い塩基なので水中では安定に存在し得ない、と考えてください。

> NaOHの電離とは水の中に微量に存在する、水のイオン積由来のH30+
> と反応してOH-を生成するという事になると思うんですが、当たってますか??

いいえ。当たっていません。

固体のNaOHが電離して水に溶けるのは、固体のNaClが電離して水に溶けるのと同じ理屈です。

NaCl(固体) + 大量のH2O → Na+(aq) + Cl-(aq) + 大量のH2O

NaOH(固体) + 大量のH2O → Na+(aq) + OH-(aq) + 大量のH2O

NaOH結晶は、ナトリウムイオンと水酸化物イオンからなるイオン結晶です。NaClが水に溶けるときに「まずNaCl分子の形で...続きを読む

Qブレンステッドによる酸・塩基の定義について

ブレンステッドによる酸・塩基の定義を用いて
「塩化水素は水溶液中では強酸であるが、酢酸溶液中では完全に解離せず弱い酸としてふるまう。その理由は次のように考えられる。
( ア )は、塩基としては( イ )よりも弱いために、( イ )に比べてH+を受け取りにくく、( ア )中では塩化水素の解離度が( ウ )なるからである。」
という文の空欄に語句をいれるのですがあまりわかりません。

わたしの答としては ア:酢酸
          イ:水 
          ウ:低く
と思うのですがどうでしょうか?
ご回答お願いします。

Aベストアンサー

よろしいのではないでしょうか。
ウは「小さく」の方がいいかな。

Qブレンステッドの定義を使う問題がわかりません

1次の物質が水に溶けるとき、水が酸としてはたらく場合をA、水が塩基としてはたらく場合をB、どちらでもない場合はCを記せ。

(1)NaCl
NaCl+H2O→NaOH+NaOH+HCl
(答)C

(2)CH3COOH
CH3COOH+H2O⇔CH3COO-+H+
(答)B

どうしてこうなるのかわかりません。
特に(2)で⇔のあとの数があいません(H2Oは、どこにいってしまったのでしょうか?)

解説よろしくお願い致します。

Aベストアンサー

(2)は#1さんが仰るように
CH3COOH + H2O ⇔ CH3COO^- + H3O^+
が正しくて、ブレンステッド・ローリーの定義ではプロトン(H^+)供与体が酸で、プロトン受容体が塩基となっている。

今回はH2Oがプロトンを受け取ってH3O^+となっているので、この場合は水は塩基として働いている。だからB


(1)はよくわからないんだが、
NaOH + HCl → NaCl + H2O
の逆反応であると考えて
NaCl + H2O →NaOH + HCl (実際はほとんど反応は進まない)
で、この場合は、水がプロトン供与体と受容体のどちらにもなっているので、Cが正解

Q活性錯合体理論と衝突理論

反応速度の分野です。「衝突理論」と「活性錯合体理論」の違いについて調べているのですが、いまいちよく分からないので質問しました。とりあえず僕なりの考えを述べます。

『衝突理論は2分子間の単純な直線的衝突による場合しか考えていないので、複雑な分子には適用できない。そのため複雑な分子にも適用できる活性錯合体理論が導かれた。』

WEBや文献で調べてみたのですが、これくらいしか分かりません。誤りや補足等ありましたら教えてください。よろしくお願いします。

Aベストアンサー

化学反応を反応の遷移状態に着目してより詳しく記述
したのが活性錯合体理論です。
古典的衝突理論も活性錯合体理論も共に多分子反応へ
適応できます。

衝突理論では、衝突頻度因子A、活性化エネルギーEaと
いったパラメータが登場しますが、活性錯合体理論で
は、反応の遷移状態に関して熱力学的・統計力学的な
意味合いを考察し、活性化パラメータΔ‡G=Δ‡H-TΔ‡Sを
導入します。
平衡反応でのΔH、ΔSは、定圧反応であれば発熱の有無
と内部エネルギー変化を表わしますが、ここでは反応
の律速段階でのエンタルピー、エントロピー変化が
記述され、反応の遷移状態における考察がより深くな
ります。
(例えば:反応の律速段階はここの部位の解裂である!
だとか)

ちなみに液相・固相反応では、衝突理論のパラメータと
活性化パラメータの間には、
Ea=Δ‡H-RT
A=exp(1+Δ‡S/R)*(kB)T/h
の関係が成立します。

適応できる反応の範囲という点では、むしろ衝突理論
の方が単純明快で広いと思います。
この辺の詳しい内容は、webで調べるよりも普通に物理
化学の教科書を読んだ方が早いと思います。
実験化学講座とか化学便覧とかに案外分かり易く解説
されています。

化学反応を反応の遷移状態に着目してより詳しく記述
したのが活性錯合体理論です。
古典的衝突理論も活性錯合体理論も共に多分子反応へ
適応できます。

衝突理論では、衝突頻度因子A、活性化エネルギーEaと
いったパラメータが登場しますが、活性錯合体理論で
は、反応の遷移状態に関して熱力学的・統計力学的な
意味合いを考察し、活性化パラメータΔ‡G=Δ‡H-TΔ‡Sを
導入します。
平衡反応でのΔH、ΔSは、定圧反応であれば発熱の有無
と内部エネルギー変化を表わしますが、ここでは反応
の律速段階での...続きを読む


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