進化論について、非常に初歩的なことがわからなくなってしまいましたので、教えてください。
「進化論」は、遺伝子の突然変異と自然淘汰により、生物の進化が進んだという考え方だと思うのですが、もし、そうだとすると、「進化論」は、「生物の性質が変化すること」、すなわち、「様々な多様な生物が発生すること」の説明にはなっていますが、「生物が進化する」ことの説明にはなっていないのではないでしょうか?
「変化」という言葉には、「方向性」の意味は含まれていませんが、「進化」には、「より高度な方向へ向かっての変化」というような方向性の意味が含まれていると思います。
「進化」という言葉の意味をそのように考えると、「進化論」は、生物種が「変化」する理由の説明にはなりますが、「進化」する説明にはならない、すなわち、「生物が高度化する説明」にはならないのではないでしょうか?
何故なら、自然淘汰された種と自然淘汰されなかった種があった場合、後者が前者より「高度」であるという根拠は全くないからです。例えば、「マンモス」が淘汰され、「みみず」が未だに淘汰されていないからと言って、「みみず」の方が「マンモス」より高度だとは言えないからです。
従って、「進化論」は、本当は「変化論」と呼ぶべきなのではないでしょうか?
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
仰るとおり、進化論の骨子は「生物は変化する」「環境に適応したものが生き残る」ということで、「生き残った生物がより高度である」という概念は含まれません。
その意味で「進化論は本当は変化論と呼ぶべきである」という主張は正当なものです。この問題のそもそもの発端は、本来発生学の用語であった evolution が、生物の変化の過程を表す用語に転用されたことに始まります。 evolution は前成説の用語で、「展開する」=「生物の胚は成体と同じパーツを内包していて、この隠されていたパーツが発生の過程で徐々に表れる」ということを意味していました。この胚の成長過程を生物のたどって来た変化の歴史に例えて、進化論の用語として用いられるようになったのです。ここで「進化とは、単純な構造の生物が複雑な構造に変化すること」という先入観を生むことになりました。
また進化論が展開された十九世紀は、産業革命によって力を付けた市民層による、教会や貴族の価値観の否定=革命が各地で起こった時期でした。ダーウィンの唱えた進化論は、聖書に記述されている種の不変性を真っ向から否定するものだったため、ある意味で既存権威の否定の象徴に利用されたのです。新しく台頭した市民階級にとって、変化とは旧体制からの進歩であり、発展でなければなりませんでした。
そのため、西洋文明が日本に本格的に導入された明治初期には既に、本来の学問の問題とは離れて、生物の進化とは進歩発展の歴史であるという認識が広まっていました。そのため evolution の和訳として進化という言葉が採用されてしまったのです。
今更用語を変えるのは無理でしょうが、進化=進歩ではない、と認識しておくことは必要かもしれません。
参考URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%B2%E5%8C%96% …
この回答への補足
ご回答ありがとうございました。
>ここで「進化とは、単純な構造の生物が複雑な構造に変化すること」という先入観を生むことになりました。
やはり、先入観なんですね。
そうだとすると、実際に、単細胞から、多細胞、魚類、両生類、爬虫類、哺乳類、そして、哺乳類の中の人類、と順次構造が高度化して来たこの事実は、どのように説明したらよいのでしょうね?
全くの偶然と考えるべきか、それとも、単細胞の段階で既に、高度化へ向けて進化するようなメカニズムが組み込まれていたと考えるのでしょうか?
もし、生物進化の高度化を説明する理論をご存知でしたら、教えてください。
No.3
- 回答日時:
No.2です。
>順次構造が高度化して来たこの事実は、どのように説明したらよいのでしょうね?
私見ですが、「構造の複雑化」は種の存続のための戦略の一つに過ぎないのです。
地球上の生物が選択したDNAから蛋白質へのセントラルドグマが、「構造の複雑化」に適応しやすいシステムであることは確かです。重複によっていくらでも遺伝子を継ぎ足すことができますし、突然変異によって塩基配列を変えるだけで、無数の蛋白を作りだせます。しかしそれは、不安定な複製システムとエネルギー効率の悪化、という諸刃の剣でもあります。
人類の繁栄が、「構造の複雑化」の戦略が他の種が採った戦略より優れていたから、と考えるのは早計です。哺乳類の祖先である哺乳類型爬虫類は、他の爬虫類の祖先と同じくペルム紀に生まれていますが、恐竜が繁栄している間は弱少種に甘んじていなければなりませんでした。人類の場合も、アフリカから各地に分散していったのは5~6万年前ですが、ほんの1万年前までは、総人口は400万足らずにすぎなかったのです。
No.1
- 回答日時:
進化論とは、遺伝子の突然変異などで生き物が「変化」する中、その生き物の生存のために有利な変化をしたものが生き残り、子孫をふやし、その変化した(より優れた)遺伝子を残していくというものです。
突然変異に方向性はありませんが、進化論はその突然変異のなかでも優れたものだけが残る、という方向性を含んでいます。「優れた」というのは脳の発達や力の強さではなく、その生き物の住む環境に一番適した、という意味ですから、ミミズはミミズの世界(土の中)に適応していれば良いのです。また、環境は変化していますから、それに対応するために生き物は常に変化(進化)しなければいけません。マンモスは環境の変化についていけなかったため絶滅したのでしょう(それに関してはいろんな説がありますが)。
この回答への補足
ご回答ありがとうございました。
>突然変異に方向性はありませんが、進化論はその突然変異のなかでも優れたものだけが残る、という方向性を含んでいます。
私も、長いこと、同様の理解をしていたのですが、最近、どうもおかしいのではないかという気がしてきました。それは、「優れたものが残る」という表現です。「優れたものが残る」と考えると、「劣っていたものが滅ぶ」と表裏一体のように思えます。しかし、劣っていたから滅んだんでしょうか? 例えば、ある動物が1万年生きていたけれど、あるとき、気候が悪くなり、餌が全くなくなってしまったとすると、どんな動物でも滅ぶのではないでしょうか? だから、滅んだのは、その動物が劣っていたのではなく、単に環境が悪くなっただけではないでしょうか? 言い換えると、ある動物が生き残っているのは、その動物が優れているからではなく、その動物が滅びるほど劣悪な環境が、たまたま、なかったというだけではないでしょうか?
これに対し、「滅びる」=「劣っている」、「生き延びる」=「優れている」ということなんだ、と言う人がいるかも知れません。しかし、その場合は、矛盾が起こります。それは、ある動物が、10万匹いて、そのうち、5万匹は南へ、残りの5万匹は北へ移動したとします。その結果、北に移動した5万匹は気候が合わなくて、全部滅んで、子孫を残せなかったとします。一方、南へ移動した5万匹は、生き延びて子孫を残したとします。この場合、北へ移動した5万匹は「劣っていて」、南へ移動した5万匹は「優れていた」ということになりますが、もともと、同じ種なのですから、「優れている」「劣っている」とは言うのは、おかしいと思います。
このように考えると、「進化論」は、やはり、種の進化の説明にはなっていないと思うのですが、いかがでしょうか?
もう少し、具体的には、生物が、単細胞--->多細胞--->魚類--->両生類--->爬虫類--->哺乳類(---> ---> 猿人--->人類)などのように、高度化の道を歩んできた理由は、「進化論」では説明できないと思うのですが。
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