
No.8ベストアンサー
- 回答日時:
諸行無常というのはあくまで仏教用語で、物でも地位でも何にしても普遍なものなど何もない。
だから執着を捨てなさい。執着を捨てることこそ解脱への道ですよ、というある意味で仏教の基本であり、究極の教えとも言える言葉です。平家物語の「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」とは”祇園精舎の荘厳な鐘の音には、(その雰囲気も含め)聞くものに、世俗に執着している身をちっぽけな存在に感じさせる力(響き)がある”という意味に解するのが正しいかと思います。
序文全体でこの「諸行無常」、物欲・権力欲にとりつかれることの愚かしさ、むなしさを切々と語っています。また、この短い文章で物語を貫くテーマを凝縮しながら、韻を踏んだ詩的な表現で聞くものの耳に、心に強く訴えかけます。日本文学史に燦然と輝く名文と言えるでしょう。
情報が変化するのどうのといった解釈はきわめて一面的で表面的なものであると言わざるを得ません。
No.7
- 回答日時:
私も他の方々のように、平家物語の冒頭を、
> 情報は変化せず常に一定で人間がどんどん変化する
と解するのは、あくまでも現代的な(しかも恣意的な)解釈であって、平家物語の作者は仏教的無常観にしたがって、物そのもの(人間も含めた万物)が変化するという意味で述べていると思います。
冥王星を例にとるなら(もちろん平家物語の頃にはその存在は知られていませんでしたが)、冥王星そのものが永久不滅ではない。いつか爆発して粉々になるか、太陽に引き込まれて溶けてしまうか(←天文学は門外漢なので荒唐無稽な例かもしれませんが)して、なくなってしまう。夜空の星も「きらめく星々は絶えずして、しかも元の星にあらず」というわけです。
ちなみに、養老猛司さんはNo.1の方がおっしゃるように、情報は変化しないということを述べていますが、これは、一度発せられた情報は固定した形で流通する、ということだと思います。
現時点でインターネットの天文サイトでは、まだ冥王星が惑星であるとの記述が残っているでしょうし(Wikipediaはきちんと更新されてますね。)、発行済みの書籍はなおさら。一度発せられた情報はそのままの形でいつまでも残るのです。つまり、情報は変化しない。
これに対して、同じものに関する情報であっても、修正・加筆訂正されたり改変されたりしたものは、元の情報ではなく、新しい情報ということになります。
Wikipediaの「冥王星(めいおうせい、Pluto)は、太陽系のdwarf planet(訳語は未確定)であり」云々というのは、情報が変化したのではなく、古い情報が、別の新しい情報と入れ替わったのです。
養老さんは「情報は変化せず常に一定で人間がどんどん変化する」ことについて、病院での検査値の例をあげています(『情報化社会と若者』)。
今日結果が届いて、カルテに記載された一週間前の8月23日の検査数値は、一ヶ月後であろうと、何年後であろうと、2006年8月23日の数値としては変わることはありません。
それに対し人間の方は、今日8月30日には8月23日の状態から変化していて、今検査すればまた別の検査数値が出るかもしれない。だから、検査結果という情報の「確実性は、実は生きている人間にとってはあまり意味がない」と養老さんは言います。「情報、つまり言葉で書かれたものは、実は停まっている」とも。
残念ながら養老さんが平家冒頭に言及した文章は読んだことがありませんので、以下は私の勝手な想像ですが、そういうのがあるとしたら、そこで養老さんは、万物=情報という言い方はしてないのではないでしょうか。鐘は毎回同じ音を発するという前提に立って、同じ鐘の音が、いわば固定された情報であり、それを受け止める人間の方が、たとえば喜怒哀楽等様々に変化しており、受け止め方が変わってくるというようなことを述べているのではと思います。
参考URL:http://www.amazon.co.jp/gp/product/4047041548/24 …
No.6
- 回答日時:
No.3です。
情報という言葉について調べてみました。まずWikiで調べると、次のように載っています。
”明治期の、森鴎外による訳語という説もあるが、実際には最初の用例は1876年出版の訳書「佛國歩兵陣中要務實地演習軌典」にある。”
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%83%85%E5%A0%B1
またこの書の用例について「情報の略歴」というHPには次のように載っていました。
”「情報」はフランス語の renseignement に充てた訳語”
http://ccs.cla.kobe-u.ac.jp/Jouhou/kyoukan/Ono/j …
また今日使われる情報という意味については次の「情報の語源」のHPに詳しく書いてあります。
” 第二次世界大戦後、情報理論が日本に導入されたとき、informationの訳語として「情報」が充当された経緯があって、再度西洋語の訳語として造語された。
1949年(昭和24年)以降、関英男が最初にinformationに「情報」という語を充て、情報理論を紹介した。”
http://blogs.yahoo.co.jp/hiromichit1013/40775916 …
結論として今日使われる「情報」という言葉は英語informationの訳語であり、戦後以後の用法である。鎌倉時代に書かれた平家物語にこの戦後の言葉を持ち込むのは間違いでしょう。平家物語の作者が「情報」という言葉を知っていたことなどありえないことです。
No.5
- 回答日時:
平家の有名なこの冒頭部分は、その後に「娑羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす」と続きます。
先の「祇園精舎の・・・」と対になっているのです。つまり、「世(すべてのもの)のはかなさ」をここでは言っているのだと私は考えています。別の言い方をすれば「どんなものでも盛衰はある、この世は思うようには行かないものだ」と言えましょうか。「情報」という言葉は、ここでは適切ではないようですね。No.4
- 回答日時:
No.1で回答した者です。
私の記憶の中では、養老氏は「人は変化するが、情報は変化しない。情報は変わるのではなく、新しい情報になるだけだ」という趣旨のことをおっしゃっていたような気がします。
私にはこの考えの判断はつきかねますが、少なくとも諸行無常ということに関しては、違うんじゃないかな・・・という気がしています。
No.3の方も書いていらっしゃいますが、この言葉は仏教用語ですし、当時の万物の中に情報が入っていたかというと、違う気がします。
そもそも、情報という言葉自体、明治時代頃に初めて使われたように思います。
No.3
- 回答日時:
諸行無常というのは仏教の決まり文句で解釈の余地はないですよ。
「諸行は無常にして一切空なり」と言ったりもします。すべてのものは空なのです。「情報は変化せず」なんていうのは間違いです。冥王星は惑星のひとつだとわたしたちは習いそう信じてきました。しかし今や惑星ではなくなりました。情報は変化するのです。

No.2
- 回答日時:
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり
を調べたら幾つかの解説にヒットしました
*祇園精舎(釈迦に寄進されたインドの僧院)の鐘の音は、万物が流転し、
常住不変ではないことを教えている。
*祇園精舎の鐘の音には、
諸行無常すなわちこの世のすべての現象は絶えず変化していくものだという響きがある。
万物=情報と限らず、万物=「世のすべての現象」と理解したほうが良いようです
No.1
- 回答日時:
>情報は変化せず常に一定で人間がどんどん変化するのだという意味
という言葉は、養老孟司氏の著作をお読みになったのでしょうか。
確か、氏の考えにこういうものがあった気がします。
(間違っていたらすみません)
一般的な意味では、質問者さんの解釈で正しいと思います。
万物は全て移り変わって、とどまるものがない、という意味です。
ただし、この言葉は仏教思想に基づくものですから、平家物語の作者が、万物という言葉のうちに情報までを含んでいたかどうかは分かりません。
普通は、万物(主に人や盛者)は生滅を繰り返す、という意味ではないか、と思います。
釈迦が説法をした祇園精舎の鐘は、諸行無常の理を伝えている、という意味かと。
回答になっていなくて、申し訳ありません。
この回答への補足
ご回答有り難うございます。仰るとおり養老さんの著書にありました。養老さんの考えでは情報は変化せず。とありましたがどう思われますか?
補足日時:2006/08/29 14:57お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!
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