
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
文学作品の解釈はいろいろあっていいと思うのですが、この作品に関してはかなりはっきりしていると思います。
要するに李徴には「心の広さ、大きさ」がたりなかったのだと思います。お手元に山月記のテキストがあれば見ていただきたいのですが、「山月記」でこの部分を解釈する上で、ヒントになるのはその袁サンの台詞のすぐ後の部分です。もっと言えば、袁サンのこの発言は、あとの李徴の発言を導く為と、とれないこともないです。
袁サンのこの発言を受けて、李徴は「何故こんな運命になったか判らぬと、先刻は言ったが、しかし、考えように依れば、思い当ることが全然ないでもない」と、自己分析を始めます。
例えば師匠につかなかったこと、友達と詩の品評をしなかったことなどは、「臆病な自尊心」から来ています。小説でも絵でも音楽でもそうですが、芸術作品を作るうえでは、「他人の評価に耳を傾けること」がとても大切です。李徴は他人からの非難を恐れるあまり、これを怠ったのです。
つまり、他人のことはバカにしているくせに、自らは他人と関わるのが怖い、という小さな人間だったのです。こんな人間に人を感動させる詩が書けると思いますか。
裏返せば、謙虚な心を持って、他人の批評に耳を傾けていれば、李徴にもチャンスはあったのではないか、ということです。
ただし、文学作品に正解はないですから、これも一つの解釈ととらえてください。質問があればどうぞ。
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