
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
ワインとかブランディーとかアルコールのような液体での「燃焼」を前提に考えます。
100%のアルコールは別ですが、お酒にせよ、各種の油にせよ、燃焼しない成分、または非常に高温でないと燃焼しない成分が含まれています(例えばワインだと、水分がかなり含まれていますが、これは燃えません。またその他の不純物もアルコールよりずっと発火点や引火点が高いです)。
ブランディーはワインよりもずっとアルコール濃度が高く、燃えやすいはずですが、ブランディーにマッチの火を近づけてもブランディーは燃え出しません。これは、液体状態で燃え出すには無理があるからです。
アルコールが液体状態で燃え出すのは、あれは燃えているのは液体のアルコールではなく、熱によって気化したアルコール蒸気が燃えているのです。アルコールは気化熱が少ないので、すぐ気化し、蒸気になると体積が大きくなり、空気(酸素)との接触混合体積も大きくなり、これが燃えているのです。
ブランディーやワインだと、火を近づけると、少しのアルコールは気化しますが、水も一緒に温度を上げないといけないため、多くの量のアルコールが気化しません。その結果、瞬間に小さな蒸発部分が燃えても、気づかないし、マッチ程度では、それ以上、「アルコール+水」の混合液体の温度を上昇させることはできないので、燃えません。
しかし、ワインやブランディーの蒸留過程で、蒸発して来るアルコール蒸気をうまく細い管などに集めることができると、場合によって、この蒸発成分のアルコール濃度が高いと、そのまま燃えます。ただ、水も水蒸気になって混じるので、燃えないこともあります。蒸気を分留すれば、アルコール蒸気だけなら、空気を十分加えれば、よく燃えます。
ブランディーの場合、角砂糖に染み込ませるとか、干しぶどうに振りかけるとかすれば、マッチの火を近づけると、角砂糖が燃えだし、干しぶどうの表面で、ブランディーのアルコール成分が燃え出します。
これは蝋燭の芯や、昔の油灯火の芯と同じ原理で、アルコールが空気と接触する面積を大きくして、蒸発アルコールと空気の混合がより起こりやすくしているため、マッチの火を近づけ、引火が起こると燃焼がその部分で継続するのです(灯芯や干しぶどうが燃えるのではなく、そこに含まれるワインや油のなかの気化したアルコールや油蒸気が燃えます)。
しかし、この場合でも、ワインのように水が多いと、アルコールの気化体積が少ないので、燃焼が継続的に起こらないのです。
料理の時にワインが燃えるのは、鍋の温度が非常に高温で、またワインが広い面積に広がり、気化面積が大きくなるので、それだけアルコールの蒸発分が多くなり、また、空気との混合も十分に行われ、全体が一挙に引火するため、瞬間燃えるのです。
この瞬間的な燃焼なら、ブランディーにそのままマッチの火を近づけても、ごく一部、気づかない程度に起こっているはずなのです。料理鍋に加えると、ワインが鍋の内容に一挙に広まり、高温で一挙に気化し、水の気化はそれに遅れるので、アルコール蒸気が大量の空気と混じって、一挙に燃えるのです。
無論、料理に油を使っていますから、この油の高温蒸気と気化したアルコールが一緒になって燃えるということも考えに入れないといけないでしょう。
燃焼には、「燃焼物+酸素+温度」の三つの条件が必要なのです。上で説明したように、ケースケースで、酸素が混合されておらず足りなかったり、温度が低すぎるなどで、燃えない場合と燃える場合が分かれるのです。
とても細かいご回答をありがとうございました!
おかげさまで理解が広がりました.
一回の理科の実験でこんなにたくさんに理解に広がるなんて感激でした!
本当にどうもありがとうございました!

No.4
- 回答日時:
問題は引火点です。
#1の「発火点」を「引火点」に置き換えて読めばOKです。
引火点:近くに着火源(炎や静電気火花等)があるときに引火する温度
発火点:近くに着火源が無くとも、自然に発火する温度
純粋なエタノールの引火点はかなり低く、室温以下です。室温で炎を近づけると引火します。
しかしワイン程度のアルコール濃度では引火点が高く、室温で炎を近づけても引火することができません。
料理では加熱して、低濃度のアルコールでも引火できるところまで温度を上げているため、引火可能となります。
引火点と発火点は違うのですね!私もなんだかごちゃ混ぜにしてしまっていました.
やっぱりアルコール濃度の問題なんですね.
とてもよくわかりました.ありがとうございました!
No.3
- 回答日時:
料理番組などでワインを入れると炎があがるのはワインのアルコールがフライパンの熱で効かしてそれに非がツタと言うこともありますがそれ以外にフライパンの中の油がワインの中に入っている水分に反応して細かい霧状になってはじけているところに火がつく場合の方が多いです。
油で炒めているフライパンにワインではなく少量の水を入れても炎があがることでもこれが分かります。
ワインのアルコールだけであれだけ派手な炎はあがりません。ブランデーだったら多少は違いますが。
また、帆の卯があがるにはフライパンの中が高温になっている必要があるのでプロ用の火力の強いコンロでないと出ないのでそれが分かると思います。
わかりやすい回答をありがとうございました!
水を入れただけでも炎が上がるのですね!火力が強くないとダメなら家庭のコンロでは火はつかないでしょうね・・・?
どうもありがとうございました!
No.2
- 回答日時:
こんばんは。
フライパンで熱したときに火がつくのはアルコールが気化していて
火がつきやすい状態だからです。加熱前・後(冷めた状態)では
アルコールの気化量が少なすぎる(orしていない)ため火がつかない
のだと思います。留出するとアルコールの純度が上がるので
常温でも気化しやすい→火がつきやすいのだと思います。
加熱後のワインに火がつかないのは、加熱によって既にアルコールが
飛んでしまったというのも考えられます。
気化の問題なんですか!
結局燃えているのはワインではなくて気化した気体なんでしょうか??とっても興味深いことです!どうもありがとうございました!
No.1
- 回答日時:
物が燃えるには一定のエネルギーが必要です。
アルコールなどでは発火点にまで達しないと燃焼はおこりません。ワインを蒸留して得たアルコールは「アルコール濃度」が高くマッチの炎程度でも発火点に達しますが、ワインそのままでは「アルコール濃度」が低いので発火点に達するには大きなエネルギーが必要です。つまりはフライパンで熱してやるとワインでも燃えるってところですね。ちなみにワインを蒸留するとブランデーになるっていうのは今の話題には関係ないね(^^;;
わかりやすい回答をどうもありがとうございました!ワインを蒸留するとブランデーになるのですか?!すいません・・・知りませんでした.おかげさまでまたひとつ知識が増えました.本当にどうもありがとうございました!
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