私の住む町の道端には都会であるにもかかわらず、何体かのお地蔵さんが並んでおります。
わたしはいつもそこの前を通るたびに疑問が頭に浮かぶのです。
それは「お地蔵さんって一体なんなんだろう。。。?」ということです。
わたしのニワカ知識で知っている限りの「お地蔵さん」とは、願い事などの「観音様への取次ぎ役」ということです。
お地蔵さんにお願い事をすると観音様に取り次いでくれる、ということはきいたことはあるのですが・・・
いつ、だれが、どんなきっかけで、何の目的でそこに置いたのか?ということです。
過去にそこの土地で災害や悲しい出来事でもあって、ご供養のために置かれたものなのでしょうか?それならば「お墓」による供養が考えられると思うのですが・・・
また「お地蔵さん」の設置目的はどこでも同じ理由で備えられているのでしょうか?
どなたか教えてくだされれば幸いに存じます。
何卒宜しくお願い申し上げます。
No.7ベストアンサー
- 回答日時:
教学的なことは省略し、ごく簡単に述べます。
地蔵信仰は、江戸時代に道祖神(賽の神)信仰と結びついたため道端に祀られるようになりました。
祀られている場所は事故や行き倒れ等の不幸があった場所が多く、死者を供養したり行路安全を願うためです。これは道端の観音さまとまったく同じで、供養する霊の戒名が刻まれていることもあります。
また、子育ての願いを込めて祀られているところもあります。これは梵名に子育てを連想させる意味があるからで、子供の形をしているのはこのためです(いろんなこと言う人がいますが)。子供を育てるのが難しかった時代はお地蔵さまにすがりたいことも多かったのでしょう。
賽の河原のお話は賽の神信仰と子育て信仰によって作られました。
今の時代でも篤信者は祀るんですよ。
って、とこです!
それではゴキゲンヨウ!!! (^^)v
ご回答いただきまして有難うございました。
私の意中の回答に大変ちかいものです。
地蔵は宗教的な意味合いもさることながら、それは人為的に置かれているのですから、なにかそこに置かなければならない何か「わけ」があったのだろう・・・ということはある程度予想はしておりましたが。
大昔は自分の家の「庭」や(誰の所有かもわからない)眺めの良い「山の中腹」とかに「お墓」が作られていたのと同じで、地蔵も地元やそこの場所で起こった事故や病気や天災でなくなった(幼い)御霊を鎮めたりする日常的な慣習の中から置かれるようになったのかもしれませんね。
現代でも幹線道路のガードレール脇などによく花束やお供え物がおいてありますが、昔であれば時間の経過とともに後日そこに「地蔵」や「道祖神」などが奉られたのかも知れないと考えるのは、思い込みすぎなのかも知れませんけどね。
No.6
- 回答日時:
お地蔵さんはサンスクリット語ではKsitigarbhaと呼びます。
前半のksitiは大地という意味で、後半のgarbhaは胎・子宮という意味から包蔵という意味で捉えられ、「地蔵」と訳されました。もともと地蔵は『地蔵十論経』のなかに「よく善根を生ずることは、大地の徳の如し」とあるように大地の徳そのものを呼ぶ語だったようです。それが、バラモン教の大地の神(または豊作の女神)プリティヴィーの信仰とあいまって擬人化し「地蔵菩薩」という仏教の修行者として誕生したというのが通説のようです。ですから、現在日本でも土地の守り神のような立場におかれたりするのも、大地の神プリティヴィーの影響を今でも色濃く残しているといえるでしょう。
また地蔵菩薩は菩薩信仰の中でも成立年代が古い菩薩に入ります。その地蔵を説いた教典は、先に述べた『地蔵十論経』、『地蔵本願経』、『占察善悪業報経』の三つで地蔵三経と呼ばれています。その中でも特に『地蔵十論経』と『地蔵本願経』の二つには地蔵信仰の特色がうかがえます。おおきな目的としては、お釈迦様の滅後から五十六億七千万年後に現れるという弥勒菩薩(弥勒如来)が、この世に出現するまでも無仏(仏様がいない)時代の救済をゆだねられています。
また、地蔵菩薩は地獄をはじめ六道(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天、全ての世界)を回り、閻魔大王ほかさまざまなものに姿を代え人々を救済しています。
日本では平安時代以後に、冥府の裁判長閻魔大王の本地(本当の姿)は地蔵であるとする『地蔵十王経』や、長寿や幸せを与えてくれると説く『延命地蔵経』などが成立したことで、民間の間では現在そして死んだ後の二世に渡って利益絶大と大流行していきました。
その地蔵の性格は「信者に代わって苦を受ける」というものであったために、転じて信者の願いを代わってかなえたり、危険に合ったときは身代わりになってくれる「身代わり地蔵」の信仰が盛んになりました。それから「泥付地蔵」「勝軍地蔵」「矢取地蔵」「縄目地蔵」「片目地蔵」多くの地蔵信仰が生まれなかでも「笠地蔵」なんてのが有名ですね。それもどれもが、「信者に代わって苦を受ける」という地蔵の性格から生まれた信仰といえるでしょう。
また、地蔵菩薩の姿が若い僧の姿で現れるというのが通念から、その姿より小さい子供たちをを守る守護神的な面の強くなり、「一つ積んでは父の為、二つ積んでは母のため・・・」という文句で有名な『賽の河原和讃(賽の河原地蔵和讃)』が作られたり、旧暦七月二十四日を子供たちが地蔵を祭る「地蔵盆」の風習が生まれていったようです。
なおこのような広範囲な信仰を反映して多くの文学作品や芸術作品が生まれました。そういった仏教説話・仏教美術を地蔵にスポットをあわせて調べても面白いと思いますよ。京都などに行く時も何かテーマを持って回ると新しい発見があるかもしれません。
長々駄文を連ねてきましたが、参考にしていただければ幸いです。
合掌 南無阿弥陀佛
No.5
- 回答日時:
私は京都在住ですが,京都市内のあちこちに地蔵さんが祀られています。
1つの町内会に1つはありますから,ざっと数えても3千体ぐらいあるでしょうね。また,夏には「地蔵盆」という行事もあります。お釈迦さんがこの世を去り,次に弥勒菩薩さんがこの世に現れるまでの間,この世の面倒を看てくださるのが,お地蔵さんであると言われているので,信仰されています。
「お地蔵さんが観音さんへの取り次ぎ役」という話は初めて聞きました。私の住んでいる地域では,そのような話はありません。
ただ,観音さんは,妙法蓮華経第25品(観世音菩薩普門品)に,観音さんの名を唱えれば助けてくださると書かれているので,お地蔵さん同様にこの世の面倒を看てくださっている菩薩さんですので,地域によっては,お地蔵さんと観音さんが関連付けられているのかも知れません。
No.4
- 回答日時:
まず菩薩とは、初期大乗仏教では「仏(悟りの境地)を目指す修行者」を意味しますが、時代がたつにつれ、すでに「悟りを備えた存在」であり、同時に衆生救済に尽くす尊格として信仰されます。
(ですから単純に仏と菩薩の地位をランク付けすることはできません)さて、地蔵という名は、梵名「Ksitigarbha(クシティガルバ)」を漢訳したものであり、「よく善根を生じること、大地の徳のごとし」と大地を徳性を擬人化した尊格です。また大地のごとくな堅固な菩提心を有し、あらゆる苦しみを受けても破壊されないとされ、そこには古代インドの地神信仰の影響を受がうかがえます。
インド仏教において、現世と冥府を救済するとして信仰されていたと考えられます。また支那では『地蔵本願経』・『地蔵十輪経』などの説を受けて、
・釈迦入滅後から弥勒出世までの現世を救済する、「二仏中間(にぶつちゅうげん)」
・閻魔王などのさまざまな尊格に姿を変えて、地獄を始めとした冥界を救済する「幽冥救苦(ゆうみょうきゅう)」「六道能化(ろくどうのうけ)」
・地獄の責め苦を身代わりに受ける「代受苦(だいじゅく)」
これらの信仰が確立しました。
その姿も、観音菩薩のような姿の地蔵尊もありますが、一般的には、右手に智慧を象徴する「錫杖」を、左手に慈悲を象徴する「宝珠」を持つ僧形の地蔵が信仰されます。
日本では平安末期の浄土信仰の影響を受けて地蔵信仰が確立し、現世・来世を救済する仏として人気を集めます。さらには「地蔵」という名称から土地神信仰と習合し、また地蔵信仰における「二仏中間」「幽冥救苦」「六道能化」「代受苦」という性格から“境界を守るほとけ”・“死者の安楽を守るほとけ”として信仰されます。特に日本における境界の守護神である「賽(さい)の神信仰」とも習合し、地蔵が村・町の境界や峠に祀られることが多いのもこのことからでしょう。さらにはその土地(村落社会)の守護尊的に信仰されます。
六体の地蔵は総称して「六地蔵」といい、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天人の、生まれ変わり死に変わりする輪廻の世界の衆生を救済し、また死者を仏の集う浄土へと導くとして祀られます。
地蔵が一般に“子どもの守り本尊”として信仰されるのも、当時は「子どもは人間になる一歩手前の中間的存在」と認識されていたからでしょう。
また地蔵菩薩以外の仏(大日如来・観音菩薩・不動尊・弘法大師など)も、路傍の石仏として祀られていれば、「じぞう」と称されて信仰されることもママあります。
地蔵尊真言の
「おん かかか びさんまえい そわか」
あるいは
「南無地蔵大菩薩(なむじぞうだいぼさつ)」
と、三遍または七遍お唱えしてください
No.2
- 回答日時:
上手く見つけられなかったのですが、チャート図みたいになっている、ものがありまして、(奈良、京都などのお寺のパンフレットによく載っています)地蔵菩薩の立場というか、地位がわかるものを見ると参考になると思います。
閻魔さまのもう一面の姿という考えもあります。
地蔵の由来は、それぞれその土地によって、飢饉、天災などによって、亡くなった人をなぐさめるとか、子を亡くした親が○○地蔵とわが子の名をつけたものや、その地域の子どもを守ってと、建立されたとか、いろいろだと思います。
うちの近くのものは、由来が書いてあります。
今現在でも作れると思います。
墓石屋さんが取り次ぎをしてくれると思います。
ご回答ありがとうございました。
昔は「子は親より先に他界すると親不孝」なんて言われたてましたし、不幸にも飢饉や天災や不治の病などでなくなったお子達を、お墓に埋葬するだけでなく身代わりというかたちで地蔵として奉ったのかもしれませんね。
No.1
- 回答日時:
この回答への補足
参考資料を読ませていただきました。ありがとうございました。
なるほどお地蔵さんってただならぬ宗教的存在だったのですね。
ですが、なぜそこにいるのか、どんなきっかけでだれがおいたのかがわかりません。
今の時代でも、市街地の人目を外れたところでお地蔵さんを製作して置く人などいるのでしょうか?
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