
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
「ゑ we」「ゐ wi」「を wo」の場合は子音の脱落ですね。
言語は一般的に母音や子音の変化を行うものです。それをある時期に限ってみると減少(簡略化)、別の時期に限ってみると増加(複雑化)に見えます。
例えば、万葉仮名で書かれたものを見ると、当時は「アイウエオ」よりも母音が多かったと考えた方が筋が通るような例があるそうです。これが本当なら母音は減少したことになります。また、質問にある「ゑ、ゐ、を」以外にも「くゎ」「ぐゎ」などの音も現代ではなくなりました。これは音素の減少です。
また、母音が2つ連続する(他言語の場合は二重母音の場合もある)と融合して新しい母音が生じることがあります。旧かな使いの「あう」「いう」「えう」などを /o://ju://jo:/ と発音することや、ある方言で「あい」「あえ」を /ae(英語の cat などの母音)/ で発音することなどがその例です(「あう」→「おう」の場合は /au/ → /o:/ の間に「口を広く開けたオ」になった時期があり、従来からの「口の開きが狭いオ」と区別されていました(開合と言います)。後に開合は区別されなくなったのでこれは母音の減少です)。
同様の例は印欧系でも見られることです。英語やフランス語で au を「オー」と発音すること、ロマン系言語で qui, que が「キ、ケ」と発音されること(これらでは表記体系は変わっていない)、また、ラテン語の focus, homo がスペイン語の fuego、イタリア語の uomo になる例では o → ue, uo の二重母音化(breaking という)が起きています。英語でも古英語と現代英語では母音・子音体系は異なり一部で簡略化・脱落、一部で複雑化しています。night を「ナイト」と発音するのは表記体系が変化していない証拠です。英語が読みにくいのはこのためです。
このように言語は一般に発音体系が変化していくもの(表記体系が変化する場合もしない場合もあり)で、放っておけば変化を繰り返すと思われますが、現代を含めて今後は変化にブレーキがかかるでしょう。それはメディアや教育のために「標準」とされる発音・つづりが全国に行き渡るからです。
「ゑ」などは母音ではないのですか?
「くゎぐゎ」は音素の減少ですけど。
やはり挙げていただいた例からしても、減少しているという大勢なようです。メディア的には歯止めでも、全体の流れは簡略化ですね。
No.5
- 回答日時:
うろ覚えですが、文字の方について。
前近代には書き言葉と話し言葉の間に隔たりがあって、話し言葉の方は地域・身分による違いもありますから、幾らか現代の言語感覚とは異なる面も無視できないかと思います。文字表記では、「ん」「っ」とか、「ぱぴぷぺぽ」と「はひふへほ」の別とかは後世増えていた気がします。
国語体系の規格化は、明治期から国策として進められました。言文一致運動や義務教育制度、出版文化・マスメディアの発展が背景にあります。地域による多様性が失われたことを貧しいと言うならば貧しくなったのかもしれません。方言を汚いものだと考える規範自体に問題意識を持つこともできます。とはいっても、この変化がなかったら現代人の意思疎通に支障があったことでしょう。
いくつかの仮名表記における文字と音声の乖離について、明治から終戦直後までこれを簡略にするかどうかという議論が戦わされていました。その中には、現代でも乖離している「私は」→「私わ」、「私を」→「私お」、「私だろう」→「私だろー」位まで一致させようとかいう主張や、仮名自体を止めてローマ字にしてしまおうとかいう主張まであった気がします。日本語表記は終戦直後に大きく変わったものがおよそ現代の形になっています。明治期以降の変化では、表記上の「ゐ」や「ゑ」は戦前まであって、「ヴ」は新しくできたものだった気がします。この時期の国民国家日本の言語政策はイ・ヨンスク 『「国語」という思想』等々参照。またヨーロッパ各国民国家の言語政策はダニエル・バッジオーニ『ヨーロッパの言語と国民』参照。
ところで大野晋か誰かが、最近の人は英語の発音の練習をして日本語の発音の練習をしないから、発音が英語の影響を受けているとかいうことを言っていました。何十年もすれば言語は移ろいゆくのでしょうか。
方言というものを統一したのが近代ですね。
それで、音素が減ってしまった要因でもあるのかもしれません。
いろいろと変化があるものです。
気がつかないところで、考えている人はいるものです。
No.4
- 回答日時:
発音体系と表記体系にはそのほかにもさまざまな規則や慣例があります。
お父さんはひらがな文字表記では「おとうさん」ですが、発音は「おとおさん」ですね。
弟も「おとうと」と書きますが発音は「おとおと」です。
お母さんは「おかあさん」と書きますが発声は「おかーさん」です。
「おかあさん」とは普通の場合言いません。
お兄さんやお姉さんも「おにーさん」「おねーさん」で、振り仮名の「おにいさん」「おねえさん」とは発声しません。
以上、明治時代にできた言葉で、表記体系もその時お上が決めたのでしょうか。
発音と表記は、けっこう適当に折り合いをつけたりしてできあがっている部分ってありそうですね。
結果として、簡略というより、日本語を学ぶ外国人には煩雑なだけかもしれません。
発音表記の問題もありますね。あらためて気が付きました。
ただ、発音自体の減少という問題をどうするのかと思います。
ゑとかの音がなくなってしまったのはどうなのかと思いました。

No.3
- 回答日時:
思いますね。
昔は活字や識字率がずっと少なかったはずです。
言語と言うものはあくまで発音し伝達すると言う性格が大きかったはずです。そうすると、必然的に豊かな母音体系を持っていたほうが便利なわけです。
しかし、活字や識字率の向上とともに、言語の形態が「耳」→「目」へと移るにしたがって、あえて複雑な母音というものは必要でないし、かえって煩雑であると言うことであったのでしょう。
これは日本だけに限らず、世界的な傾向でしょう。
ただこれは言語の洗練とは逆の方向性であり、一種の衰退です。
人類の怠惰と便利主義がうみだしたひとつの悪しき醜態とも言えるでしょう。
文字というものは、昔あまりなかったですからね。
言葉は本来話すものということでしょう。
そのばあい、豊かな音素を持っていたほうがよい。
複雑なのが本当によいのかどうかは分かりません。
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