
No.8ベストアンサー
- 回答日時:
> なぜ廃止されたのでしょう。
> あってもいいと思うのですが。
ご存知だとは思いますが、形式的には憲法39条に違反するためです。
第三十九条 何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。
実質的な理由としては、制度として不利益再審が認められる場合の利益と不利益が具体的にどうなるかを考えてみるといいでしょう。
質問者さんが挙げられたような、確定後に有罪にできる証拠や刑を重くできる証拠が出てきたりした場合に、ふさわしい刑を科すことができるようになるという利益はたしかにあります。
しかし、「ゆるぎない証拠」が後から出てくるのは稀なことですから、実際に使われるのは、どちらともいえないような微妙な証拠を新証拠として持ち出して、さらに争い続けるというのが大半になるでしょう。
検察官は費用も人手も潤沢に使えるし、組織なので時間の制約もありません。職業上の面子もありますから、無罪判決や求刑より大幅に軽い判決について争い続ける動機はかなりあります。
一方、被告人には裁判以外の生活もありますし、費用も基本的に自己負担です。人手もありません。これが実際に犯人なら、あるいはより重い責任を負うべき者なら自業自得というものですが、そうではない人にとってはたまったものではありません。
結局、こういった不利益と、質問者さんが想定されたような事案での利益とのどちらが大きいかという問いに対して、憲法は不利益の方が大きいと判断しているのです。後から証拠が出てきたのに処罰できないという不利益は、より大きい利益のためのやむを得ないコストだと考えられているわけです。
国によってはより厳格に、無罪判決に対する上訴や、刑を重くするための上訴を全て禁じているところもあります。考え方はいろいろですが、不利益再審の禁止は、おおむね世界共通の価値判断になっています。
No.7
- 回答日時:
No.6さんの回答がほぼ完璧なので、補足だけですが…
(「推定無罪」をキーワードに調べてみるといいと思います)
質問者様のような考えに至るのは、
>イメージや雰囲気、言いがかりで裁かれてはたまりません。
ということが現実味を持ってイメージできないくらい、
今の司法は信頼を置かれているってことなのかもしれません。
でも、これは決して机上の空論でもなければ太古の昔の伝説でもなく、
戦前までごく普通にあったことです。
日本の憲法は特徴的と言っても良いくらい刑事手続について細かい定めがありますが、
まさしく歴史に対する反省から生まれた産物なわけです。
# 個人的には、国民性もあるかもしれないと思っています
# …日本人が特に推定無罪に理解がないのは、いまさら解説不要でしょう…
この回答へのお礼
お礼日時:2007/05/27 08:11
推定無罪、検索してみました。
ウィキペディアには、日本においては推定無罪が有名無実化しているなんてことも書かれていました。
フランス人権宣言までさかのぼるとは思いませんでした。
それなのに日本は戦後から。
ずいぶん遅れていたんですね。
ありがとうございました
No.6
- 回答日時:
刑事裁判で証拠不十分は普通に無罪です。
高裁で証拠不十分で最高裁がそれを支持した場合は上告棄却(つまり最高裁は開廷されず、高裁の判断が確定)、高裁で認められた証拠に対してその証拠能力を否定したいときは破棄差し戻し(高裁やり直し)だったと思います。訴訟として取り上げた以上裁判所としては判決を出さなくてはいけません。そういった場合、検察の段階で起訴猶予とするべきで(つまり証拠が出るまで訴えない)、裁判に保留はありません。逆に言えば検察は本来有罪にするべき証拠があって初めて起訴にするべきであり、証拠がない曖昧な段階で起訴した時点で検察の勇み足といえるでしょう。保留と簡単に言いますが、刑事事件は検察に証明責任がある以上、証拠不十分とは単純に証拠がないことを意味します。犯罪を犯した証拠がなければ当然に無罪です。イメージや雰囲気、言いがかりで裁かれてはたまりません。No.5
- 回答日時:
最高裁判決で、「証拠不充分」で無罪となるような判決は、考えられません。
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