チョコミントアイス

機関車が長い編成の貨物列車をどうやって牽引できるのか、「科学」 のカテで質問しました。

http://oshiete1.goo.ne.jp/qa3465144.html

軽い (?) 機関車の重量とパワーで牽引できる理由は 「連結器の遊び」 にあると理解しました。

この遊びがあるために、ガッシャン、ガッシャンと一台づつ引っ張る事になり、数千トンの貨物列車を一度にセ~ノとやるわけではないようです。

また連結器が伸びて 「遊び」 が無くなった状態の時は、一旦、機関車がバックして連結器を縮める作業をするそうです。

それと、たしか昔の貨物車には手動のブレーキはあると思いますが、今の電車のように、機関車の運転席で全てのブレーキを電気信号で制御するようになっていないように思うのですが、その前提で質問があります。

1. 上記の連結器の調整作業は平地では可能でしょうが、もし途中の駅や待機場所に上り勾配がついていた場合、長時間の停車をする際、後方に引っ張られる力が加わり、貨物車全体の連結器が徐々に伸びていき、最後には 「遊び」 が無くなってピンと張った状態になりませんか?

その場合、上記のように機関車を一旦バックさせようとしても、勾配があるため坂を下るように、どんどん後方へ下がっていくだけで、中々連結器が縮まらない、また何とか縮まったとしても今度逆方向に前進するわけですから、貨物車全体に加わっているパワー (坂を下ろうとする力) を上回る途方も無い程の大きな馬力が機関車に求められる ・・ こんな想像をしてみたのですが、実際こんな場合はどうやっているのでしょうか?

2. 貨物列車を止めるには (貨物車には制御式のブレーキがないため) 機関車のブレーキしか停止装置は無いように思うのですが、特に駅や待機場所自体に下り勾配がついている場合、数千トンもの後方の貨物車全体からくる前へ行こうとする慣性は相当大きいように思うのですが、機関車のブレーキ能力ってそんなに大きいのでしょうか?

いくらブレーキをかけても、後方から押さえれる大きな力で機関車の車輪がレール上で滑ってダメなようなイメージがあるのですが ・・・

それとも勾配のある駅では停車しないような規則とか、あるのでしょうか?

A 回答 (5件)

巧く説明できるかどうかわかりませんが……自動空気ブレーキについて簡単に原理をば。



機関車には、圧縮空気を作り出すコンプレッサが搭載されています。そして機関車とそれに連なる貨車は、MR管(元溜管)とBP管(ブレーキ管)で繋がっています。

【機関車】          【貨車】
コンプレッサ ━┳━ MR管 ━(補助空気ダメ)━┓
          ┃              (ブレーキ装置)
          ┗━ BP管 ━━━━━━━━━┛

まず圧縮空気を作り出し、MR管を通して各貨車の補助空気ダメを満タンにします。同じようにBP管にも圧縮空気を込めておき、満タンにしておきます。

ブレーキ装置には補助空気ダメ・BP管それぞれから圧縮空気を供給されており、補助空気ダメからの圧縮空気はブレーキパッド(制輪子)を車輪に押しつける方向に、BP管からのは車輪から離す方向にそれぞれ力を加えます。初期状態ではBP管からの圧力を強い状態としておくと、普段はブレーキは緩んだ状態となります。

この状態でBP管の圧縮空気を、ブレーキ弁を操作して抜き取るとします。そうすると、BP管からの圧力より補助空気ダメからの圧力が強くなるので、制輪子が車輪に押しつけられ、ブレーキがかかります。再びBP管に圧縮空気を込めれば、元の状態(=ブレーキが緩んだ状態)に戻ります。

これが簡単な自動空気ブレーキの仕組みです。

この利点は、列車分離が起きてBP管が外れると、BP管内の圧縮空気が抜けるため、自動的にブレーキが作用する方向へ動作する、ということです。

電気も要らず、空気を通す管とシリンダ、空気を抜き取る弁さえあれば制御可能、というシンプルな構成なので、SL時代から使われています。現代の電車等でも、非常ブレーキには自動空気ブレーキを用いているものも多々あります。また応答性を高めるため、BP管から空気を排出する機構には電気を用い、電力が途絶えたら弁が開いてBP管から空気が抜ける、という仕組みのもあります。
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この回答へのお礼

有難うございました。
なーるほど、とても分かりやすく解説して頂いて理解できました。
圧縮空気ですか ・・ これなら電気信号とか最新の技術を利用しなくても、蒸気の時代でも開発が可能だったんですね。
何らかの原因で機関車の牽引から外れた場合でも、BP管の圧縮空気が抜けて自動的にブレーキがかかり、放っておいても勝手に停車するわけですね。
フェイル・セーフの概念が当時からあったんですね。
これなら、停車する時に後方の貨車全体から圧力を受ける事はなさそうですね。 よく理解できました。 感謝します。

お礼日時:2007/10/30 10:15

#2です



貨車に直通ブレーキの設置が開始されたのは1898年だそうです。当初は真空ブレーキでしたが、後に空気ブレーキに変更されています。
直通ブレーキ装着前は貨車には足で踏むブレーキしかなく、制動手が添乗していない場合にはブレーキは掛かりませんでした。
もっとも、そのころ(1925年の自動連結器交換以前)は、連結器の強度が弱く、長大列車を仕立てられませんでしたし、列車の速度も低かったので機関車のブレーキ力でなんとかなったのでしょう。実際、リンクバッファ連結を使用しているヨーロッパではアメリカのような長大列車は実現できません。

他の方の回答で気になったので

ヨーロッパのリンクバッファ式連結器の場合、自動連結器より遊間は大きくなります。ですから、実際にはガチャンガチャン状態で発車していますが、リンクと緩衝器の効果が大きいので感じられないだけだとおもいます。棒連結器の場合も車体に直結しているわけではなく、車体に直結していたら乗り心地は相当悪化しますから、緩衝機構があって遊間は実質的には確保されています。客車列車の場合、列車が軽く牽引力に余裕があるので重量列車の引き出しのような方法を採らない(客車列車の機関士は動力車運転士の中でもベテランですから、そのくらいの使い分けは出来ます)ので感じられないだけです。ゆっくり引き出せば緩衝器の作動範囲に収まるので大きな衝撃はありません。

最近の客車や電車では空気制御では緩解遅れがあるので電磁弁を使って反応速度を上げています。そういう車両では緩解遅れを利用した圧縮引き出しは出来ません。

なお、重量列車の場合、急制動時に貨車のブレーキの反応遅れから来る連結器の座屈による損傷という事故は発生しています。
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この回答へのお礼

再度のお答え、有難うございました。
なるほど、長大貨物列車は連結器とブレーキの改良がもたらした成果なんですね。 昔からあんな長い編成があったわけではないんですね。
鉄道の歴史って本当に興味深いですね。
素朴な疑問がまだありますので、次回質問の時、宜しくお願いします。 有難うございました。

お礼日時:2007/10/30 10:21

汽車や貨物列車の停車駅は平坦地でなければならないという規定があります。


どうしても坂の途中に設置する場合はスイッチバック駅にします。
中央本線、関西本線、箱根登山鉄道にあります。
坂道の途中から平坦な引込み線に入ったところの駅に停車します。
そこからバックして同じように平坦な引込み線に入って停車。
そこを発車してから登坂路に入るのです。
スイッチバック駅では本線と引込み線がX型に交差しているのです。

ヨーロッパの鉄道はリンクカプラーなので連結のギャップはありませんが正常に走っています。
汽車なのに発車時のガタンがないのです。
日本のブルートレインも固定編成客車といって連結器ではなく棒で連結しているので機関車との間にしかギャップはありません。
なので連結のギャップは発車時の負荷を軽減する程度でそれほど重要な要素ではないと思います。

貨車にはブレーキが付いた緩急車とブレーキ管が通っているだけの通管車がありますが今は緩急車しか見ないようです。
貨車の下に円筒形のものがあればブレーキ付です。
手動ブレーキは全部に付いており留置するときに使います。
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この回答へのお礼

有難うございました。
手動式のブレーキは全車両に付いているわけですね。
緊急時には作業員が手動で操作するようになっているんでしょうね。
ただ、それ以外にも機関車の運転席側で、最後尾の貨車まで全てのブレーキを集中コントロールするシステムになっているようなお話が多いのですが、鉄道初期の時代からこのような高度なシステムがあったんでしょうね。
それと停車駅は原則として平坦でなければいけないという規定もあったんですね。 納得です。

お礼日時:2007/10/30 10:07

科学の方で答えた者です。



圧縮引き出しは登り勾配でも可能だそうです。
ただし、これは名人芸のレベルで、昔の国鉄の機関士の技術はそれほど高かったということでしょう。

まず、列車全体にブレーキを掛けます。
ブレーキを掛けたまま、機関車のブレーキだけゆるめ、機関車が後退を開始します。
後退開始と同時に列車全体のブレーキをゆるめます。
タイミングを合わせて機関車を前進させ、列車を引き出します。

こうすると、昔の客車や貨車の場合は、直通ブレーキの解除が遅れて伝搬するので、最後尾のブレーキが解除されて後退を始めるまでにタイムラグがあり、それを利用して圧縮し引き出すことが出来たのだそうです。私も聞いただけなので良く理解していないのですが、とにかく、実際に引き出していたのですから、当時の機関士には可能だったのでしょうね。現在は牽引力に余裕があるので余り必要はないテクニックでしょう。

また、特急などの優等客車列車の場合、貨物と違い牽引力に余裕があったので、連結面を伸ばしておいて引き出したようです。この方がショックが無く、スムーズに発車します。

元々、駅は勾配中には作りませんでした。勾配区間に駅を作る場合は平坦線を設けてスイッチバックで停車します。最近は、電車や気動車など動力分散列車が増え、機関車の能力も向上したので緩勾配に駅を設置することも可能です。

なお、日本のように自動連結器の場合、発進時のがちゃがちゃのショックは大きいのですが、ヨーロッパなどで使われているリンク=バッファ式の連結器の場合は、リンクやバッファの衝撃吸収力が大きくあまりがちゃがちゃ言わないとのことです(乗ったこと無いので)。
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この回答へのお礼

カテを越えて何度もお答え頂き、感謝します。
昔のSLの機関士はそんなテクニックを持っていたんですね。
失敗すると発車にとんでもないトラブルが起きそうな感じがしますが、当時の機関士たちはいとも簡単にやっていたんでしょうね。
この辺は先輩からの技術の伝授という制度によるものかなと思いました。
ただ最初に列車全体にブレーキをかけるとありましたが、明治から昭和にかけての蒸気機関の時代から既に運転席で後方の貨車全体のブレーキを制御・操作するシステムになっていたんでしょうか? 貨車のブレーキに関するサイトを調べても適当な説明がなかったです。 各々の貨車に 「手動(?)」 のブレーキがあるのは知っているのですが、まさか関係者全員で貨車のブレーキをかけて廻るというような作業をしたわけではないと思うのですが ・・・

それと勾配のある箇所には駅を作る事がなかったんですね。
発車や停車の作業が難しくなるし、下手をすると事故になる恐れもあるからなんでしょうね。
とても勉強になりました。

お礼日時:2007/10/29 13:14

1はしりませんので、2についてのみ回答します。



貨車にもブレーキ装置はあります。自動空気ブレーキ装置というものです。
簡単に言えば機関車で生成した圧縮空気を用いてブレーキをかけるもので、詳細は省略します。リンク先をご覧ください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E5%8B%95% …
このため、貨車と機関車は連結器だけで繋がっているのではなく、ブレーキ管も繋げています。

なお、機関車がもつブレーキ弁には、単弁と他弁とがあり、単弁は機関車自らのみにかかるブレーキ、他弁は列車全体のブレーキです。他弁を操作すると機関車と貨車(客車)のブレーキが作用します。ですので、決して貨車にはブレーキがない、というわけではありません。

ちなみに、ブレーキ装置を備えていない車両は、列車として運転させることができません。これは貨車でも機関車でも電車でも気動車でも同様です。だいたい、ブレーキがついていなかったら、万一連結器が壊れて貨車が機関車から外れてしまったら、暴走して止まらないじゃないですか(苦笑

----(蛇足)----
ちなみにスーパーレールカーゴでは電気的なブレーキを備えています。なにしろ「電車貨物列車」ですから。
http://ja.wikipedia.org/wiki/JR%E8%B2%A8%E7%89%A …
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この回答へのお礼

早速のお答え、有難うございました。
なるほど、運転席で貨車全体のブレーキを制御できるシステムになっているんですね。
ところで、このシステムなんですが、戦前、あるいは明治時代の蒸気機関の時代からそうなっていたんでしょうか?
SLの運転席にあるブレーキなんですが、機関士がプシュー、プシューとレバーを左右に廻しながらブレーキを掛けるシーンがありますが、これって後方の貨車全体のブレーキも同時に操作している事になるんでしょうか?
明治代の鉄道って、何となく高度な制御装置なんて存在していないようなイメージがあるのですが ・・・

お礼日時:2007/10/29 13:00

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