一回も披露したことのない豆知識

血には鉄分が含まれてるので磁石で吸い付いたりしませんか?

A 回答 (6件)

回答者2です。


既に回答5で正確な補足をいただいたのですが、他の回答への説明を兼ねた追加補足をしておきます。

「磁性」という用語が非常に曖昧で、研究現場でも専門外の研究者の間では良く誤解されています。
通常は、磁石にくっつく=「強磁性」or「フェリ磁性」と考えて良いです。どちらも、原子レベルの磁石(原子スピン)が強く結びついて、物質全体に「自発磁化」というものを作っています。本来、自分自身が磁石になる性質を持っています。ただ、通常の鉄やコバルトなどは、磁場が無いとミクロンぐらいのサイズの「磁区」という単位で、磁化の方向を変化させて全体として磁化が打ち消されてしまう構造を取ってしまいます。

紛らわしいのが、回答5にも説明されている「常磁性」です。これは、原子自体には磁石(原子スピン)が有るのですが、原子間のスピンの結合が弱いために「自発磁化」が作れず、熱ゆらぎの効果で原子スピンが一定方向に向けません。しかし、磁場が有れば、その強さに比例して(比例係数を磁化率と呼ぶ)少しずつ磁場方向に原子スピンが揃っていくので、「磁化」が出てきます。
ただし、この磁化はさきほどの強磁性やフェリ磁性の磁化に比べて非常に小さいので、ほとんどの常磁性物質では磁場で物質を動かすほどの力になりません。
ところが、酸素分子に関しては、比較的大きな原子スピンを持っている上に原子自体が軽いので、1g当たりの磁化率がかなり大きな値になり、強い磁場中でなら動きやすい気体の酸素は少し動きに影響が出る場合も有ります。それでも、その程度の非常に弱い力ですし、イオンになった酸素は反磁性になって磁化率は激減します。回答5の説明のように、ヘモグロビンの中の酸素も磁性は無いようですね。
ヒップエレキバンに関しては、メーカー側は統計的なデータで効果を主張しているそうですが、磁性材料研究者の感覚からすると、とても化学的な効果が出るようには思えません。精神的な効果ではないでしょうかねー?(笑)
また、化学分野での磁性を利用した測定などでは、酸素の常磁性は非常に大きな値となるために、化学方面の研究者の中には酸素を「磁性体」と勘違いor習慣的に呼んでいる人もけっこう多いので、注意が必要です。

次に、ここまでの説明の「スピン」とは、全て電子のスピンです。実は、原子核(中性子+陽子)もスピンを持っています。しかし、その大きさは電子のスピンの約1/1000で、物質の磁気的性質に影響を与えることは無く、磁石で引っ張る力にはとてもなりません。電子のスピンを普通に「スピン」と呼ぶのに対し、原子核のスピンは「核スピン」と区別して呼びます。
この原子核のスピンを強い磁場で方向を揃え、さらに電磁波を使ってエネルギーを与えると、特定のエネルギー(周波数)の電磁波に対し強い吸収(共鳴)を示すので、それを電気的に検出することで原子の状態を調べる核磁気共鳴という測定法が有ります。この手法を応用して、主に生体内の水素原子の核磁気共鳴信号を二次元的に画像処理したものがMRI(核磁気共鳴画像法)です。従って、この場合の「磁気」は、磁石にくっつくような「磁気」とは強さも起源も全く違うものです。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
非常に専門的な内容で正直よく分かりませんでしたが、ほとんど動かないに等しいのが分かりました。

お礼日時:2008/09/03 14:02

No.2様のお答えで全てつきています。

が、あえて蛇足ですがもう少し解説させてください。

鉄の塊は強磁性体という。ご承知のように磁石に強い力でくっつく。
質問は、その鉄を含むヘモグロビンが磁石に強い力で引っ張られることは無いのか、ということでしょう。ヘモグロビンの中の鉄分子はもはや強磁性体ではありません。強く引っ張られることはありません。
それどころか、酸素が結びついた酸化ヘモグロビンは反磁性体、酸素を放出した還元ヘモグロビンは常磁性体、と性質を変えます。人体には両者が混在しています。反磁性体はごくごく弱い力で磁石から遠ざかろうとし、常磁性体はごくごく弱い力で磁石へ近づこうとする。
このような「ごくごく弱い力」のことを言うのであれば、血液は磁石によって力を受けるでしょう。しかし、それは微々たる力で普通には観測困難。
さらに、水その他の人体組成の大部分は反磁性体です。人体が磁石から受ける力を我々は普通は感じ取ることはできない程度の弱い弱い効果ですが、それはともかく、人体全部が既に磁石の影響を受けるわけで、それに重なって血液が受ける力の違いを観測できるか、ということになると、それなりの強磁場で本格的計器を持ってくれば観測できるはずです。しかし、それは普通に言う「鉄は磁石に引っ張られるという強磁性体の効果」を見るわけでは全くありません。

ちなみに、MRIは人体が(あるいは血液が)磁性を持つことを利用したものでは全くありません。むしろ、人体が多少なりとも磁性を持つことは、きれいなMRI画像を撮るためには障害となっています。例外的に、冒頭の酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの磁性の違いを利用して脳機能の画像化を行う場合はありますが。
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砂鉄が磁石に着くようなイメージでの吸着はありませんが、ヘモグロビンには磁性があるので、着く着かないと言われれば着くのではないでしょうか。


肉眼では確認できないかも知れないほどの現象だと思います。

血液が磁性示すことを利用したものは結構ありますので、間違いはないと思います。(人体の診断に使われるMRIが代表的な例です)
人体から微弱な電磁波が出ていることが確認されています。恐らく磁性を持つ血液の流れが微弱な電磁波を出しているのではないかと思います。(未確認意見です)
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ふっふっふっ。

 (^_^;)

酸素は磁性があるらしいです。
つまり、ヘモグロビンには多数の酸素分子がある為、
ピップエレキバンは嘘ではないのです。

>磁石で吸い付いたりしませんか?

するかもしれません。
笑顔で協力「お願いします!!」 ^_^
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良く勘違いされるのですが、磁石にくっつくかどうかは、原子の種類で決まるのでは無く、物質の中の原子が持つ電子スピンがお互いに強く結合し、集団で磁場と作用することで始めてくっつく力が生まれるのです。


ですから、例えば、孤立した鉄原子を1つだけ持ってきても磁石にはつきません。
金属の鉄でも、1000個以上の鉄原子がしっかりと結合した粒子にならないと、磁石にくっつく性質(強磁性)を示さないのです。
さらに、鉄原子を含む化合物や合金であっても、その化学組成や結晶構造によって、磁石にくっつくものも有ればくっつかないものも有ります。
例えば、鉄さび(酸化鉄)でも、黒さび(Fe3O4)は磁石にくっつきますが、赤さび(α-Fe2O3)はくっつきません。また、同じ化学組成のFe2O3でも、コランダム構造のα-Fe2O3は磁石にくっつきませんが、スピネル構造のγ-Fe2O3は磁石にくっつくなど、結晶構造が違えば、鉄イオンの間の磁気的な相互作用が違ってくるので、磁石にくっつく性質(磁性)が違ってきます。
つまり、十分に大きなスピンを持っている原子orイオン(鉄原子に限りません)が、お互いに磁気的な結合を作れるような構造と組成を持った物質で、始めて磁石にくっつく性質を示すわけです。
私は生体物質には詳しくないのですが、血液中の鉄は、主にヘモグロビンというたんぱく巨大分子の中で、Fe2+のイオンとして存在し、有機分子に取り囲まれるような孤立構造になっているようです。これでは、上に書いたような理由で磁石にはくっつかないと思います。
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鉄分は僅かなので吸い付きません。

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