よく「この世に絶対はない」といいますが、
A)もし絶対というものが存在しないならば、
B)「絶対が存在しない」ということは絶対になってしまい、絶対というものは存在するという結論に行き着くような気がするのですが、そうしたら(B)の文は自らを否定してしまうような・・・。
どなたかアホな僕にこの文のおかしいところを教えてください。
あわせて、絶対という事象はどういったものを以って証明できるのでしょうか?
たとえば「あらゆる生物は死ぬ」というというのは宇宙が生まれたときから全ての生物の死を確認してきた人がいるのでしょうか?あした太陽が東から昇ることをどうやって証明できるのでしょうか?
No.3
- 回答日時:
質問の前半は、
「私は嘘つきです」とか
「例外のない規則はない」とかと同じで
「自己言及のパラドックス」ってやつですね。
WEBで検索するといろんな説明がありますよ。
後半については、「絶対」という「抽象的な定義」
を「具体的な実在」に当てはめようとされているので
ちょっと無理があるのでは?
ご回答ありがとうございます。
>自己言及のパラドックス
なるほど、そういうのですか~!
自分の無知をさらけ出してしまいました。(^^;
>後半については、「絶対」という「抽象的な定義」
>を「具体的な実在」に当てはめようとされているので
>ちょっと無理があるのでは?
ということは、「抽象的な定義」というものは「具体的な実在」に当てはめることができないということでしょうか?
No.4
- 回答日時:
#3 の 774 です。
>ということは、「抽象的な定義」というものは「具体的な実在」に当てはめることができないということでしょうか?
「抽象的な定義」は、私たちがものごとを考える際の「前提」で、極端に言えば「具体的な実在」とは全く無関係に決めることもできます。虚数なんかは最初はそんな感じで決められたものでしょう。
「具体的な実在」を説明するために決めた「前提」も実は正しくない(あるいはもっとウマイ前提を選べる)と後で気づくこともあります。
「全てのものは、原子からできている」なんかはそうですね。
どうもありがとうございます。
>「全てのものは、原子からできている」なんかはそうですね。
なるほど言われてみればそうですね。
なんだか自分の領分をはるかに超えた話になってしまいましたが、勉強になりました!
No.5
- 回答日時:
参考程度まで
「絶対」はありますよ。
過去の事象は「絶対真」、未来の事象は確定していないので「絶対はない。」というですね。
絶対を理解するのは#2のyojisktさんのご指摘のように「時間」という概念がいりますね。原因と結果の連鎖ですね。
過去の事象は「絶対にあったことです。」
「昨日は、太陽は東から昇った。」これは絶対真です。これを認めないと「やったことをやっていない。」という因果の理にそむくことになります。
原因・結果の因果の理はまどわすことができません。
「お~れ知らない。といくら主張しようとも起きたことは起きたことですね。過去だけは変えられない。これ絶対真ですから。
では、明日はどうかというと、確かに確定していない未来なので「絶対はない。」という表現は正しいですね。
過去はそうであった。未来もそうであろう。しかし、確定はしていないので絶対ともいえない。
しかし、間違いなく起きるであろうことは想定できる。ということで、何とかの定理と呼ばれるのですね。皆さんよく何とかの定理でとか使いますね。
因果の理からは絶対に逃げられない。これ絶対真ですよ。babiさんがここで
質問したのは事実。絶対に間違いない。と証言します。
参考まで
どうもありがとうございます。
知恵熱がシューシュー出てますが、がんばって皆様のご回答を読んでいます。
>過去はそうであった。未来もそうであろう。しかし、確定はしていないので絶対ともいえない。
>しかし、間違いなく起きるであろうことは想定できる。
つまり、過去に起きたことは「絶対」といえるが、未来に確実に起こるであろうことは「限りなく絶対に近い」という方が無難なのでしょうか?
たとえば「今年阪神はペナントレースで最低1勝はする」というのは確実に当たるでしょう。これは科学的に絶対と断言してよろしいでしょうか?
No.6
- 回答日時:
多分、『絶対』と『イコール』の違いだと思います。
数学的な『イコール』という概念は、例えば「AがBと等しいことを、A=Bと書く」と定義されているのは日本国民であれば小学一年生で習う知識です。
ここで、さらっと『定義』という言葉を出しましたがこれが『絶対』を論ずる上で絡んでくると私は考えます。
『定義』は前提条件があるにせよ、常にそうある、という物事の関係を指します。
1+1が2になるのもそうですね。数字が1,2,3,4…と並んでいるから、2になるのであって(10進数の世界で生きているという常識という前提がありますが)これが2進数の世界だったらば、1+1は10(「じゅう」にあらず、「いちぜろ」です)になります。
又、数字の並び方が1,3,2,4…となっていたら1+1は3となるでしょう。
ちょっと話がずれましたが、世間で正しいとしているルールを決めるのが『定義』であり、『絶対』というのはそれとは違う…つまりルールとなっていないけれども使われている表現、だと思います。
「絶対が存在しない」ということを誰がどのように定義したのか?
と考えれば、絶対が存在すると定義される、とか、絶対が存在しないと定義される、として言葉の上でも問題ないと思います。
…ちょっと話が数学的にずれましたが(数学のコーナーですし…)絶対とは言葉のあやみたいなものであると思っておけばよいかと思います。
どうもありがとうございます。
・「必ず正しいもの」を絶対という よりは
・「絶対」という前提が必ず正しいということにする
と、なんとなく思ってきました。
結果としてそれが絶対なんじゃなくて、絶対という前提に基づいてものごとが起こるみたいな。
相対に対する絶対っていうんですかね・・・。
(@_@)~ シュー
No.7
- 回答日時:
そちらの方面は詳しくないのですが、数学(というか論理学)で絶対とされるものは
恒真式(トートロジー)と呼ばれるものだと思います。
例えば
「人間に翼があって、かつAさんが人間であるならば、Aさんには翼がある。」
などがそうです。
「人間には翼がある」・「Aさんが人間である」・「Aさんには翼がある」はいずれも
真か偽か分かりません。が、これらをまとめて上のような命題にすると、これは
「絶対に」正しい命題になります。
論理学でいう正しい命題は仮定が真であることを前提としていますよね。
IF and IF >> THEN絶対 って感じでしょうか。
現実にその仮定の真偽を考えていくのって、やっぱばかげてるかな~(^^;
ご回答ありがとうございました。
No.8
- 回答日時:
数学サイトなので、
[たとえば「今年阪神はペナントレースで最低1勝はする」というのは確実に当たるでしょう。これは科学的に絶対と断言してよろしいでしょうか?]
未来の事象ですから科学的に絶対ではないですね。最近は確率を使いますので限りなく1 に近い確率ということでしょうか。天気予報も確率表示になりましたね。
未来の事象は過ぎ去ってみないと確定しないのです。阪神の1勝についても、天変地異など不測の事態が起きるとどうなるかわりませんね。だから論理的
には限りなくそうなる確率は1に近いとしかいえませんね。
参考程度に
どうもありがとうございます。
未来に関してはそうなるんですね。
「絶対勉強するから、お小遣いちょうだい~」っていうのは信用おけないですね(w
みなさまわかりやすくお答えいただき、まことにありがたい限りです。
No.9
- 回答日時:
対象xについての性質を表す言明S(x)を述語と言います。
例えば
S(x):「xが0でない実数ならば、x^2 > x である。」
は一つの述語です。S(0)は真、S(0.5)は偽、S(2)は真です。
数学で普通に使う論理では、対象xはたとえば集合であり、述語は対象にはなりません。このような論理を一階述語論理と言います。
[1]
述語Bを
B(A):「A(x)が偽であるようなxが存在する。」
とします。すると
「絶対というものが存在しない」
とは、
「任意の述語Aについて、B(A)は真である」
というほどの意味でしょう。この述語Bは対象として述語Aを扱うので、一階述語論理ではない。高階論理と呼ばれるものの例です。
***
高階述語論理の述語は、Aにそれ自身Bを代入してみるとしばしば自己矛盾を起こして、まともな推論ができなくなります。でもこれをたとえば
B'(A):「Aが一階述語であるならば、A(x)が偽であるようなxが存在する。」
というのなら問題はない。B'は一階述語じゃないからです。
そこで、述語の「型」を階層的に分類することで矛盾を解消する方法(type theory)があります。対象を扱う一階述語論理、一階述語論理を扱う二階述語論理、…という風に分ける感じです。
この話は、B(A)あるいはB'(A)の主張する内容とは直接関係がありません。でも、ご質問は、もうちょっと易しいレベルでの混乱じゃないかと思います。
***
[2]
「任意の述語Aについて、B(A)は真である」
とはすなわち
「任意の述語Aについて、A(x)が偽であるようなxが存在する。」
という意味ですね。これは明らかに偽です。
(証明)
D(x): 「xが0ならば、xは0である」
はD(x)が偽になるxが存在しないような述語(トートロジー)だから、B(D)は偽である。ゆえに
「任意の述語Aについて、B(A)は真である」
は偽です。
(証明終わり)
「B(x)が真であるようなxが存在する」
は真である。(最初に挙げたSはその例です。B(S)は真。)
では
B(B):「B(x)が偽であるようなxが存在する」
はどうか。
これは真である。x=Dを考えれば、確かにB(D)が偽になるからです。
以上をまとめると、
「B(A)が真であるようなAが存在する。」
「B(A)が偽であるようなAが存在する。」
の二つが証明できた。ですから
「任意の述語Aについて、B(A)は真である」(=「B(A)が偽であるAは存在しない」)
は偽である。
[3]
「QならばPである」という命題を検討するときには、必ずしも「もしQだったら…」と考えなくたって良い。
「QならばPである」
という形の命題は「Qでないか、あるいはPである」と全く同義です。だからもしQが偽ならば、Pが何であっても「QならばPである」は真です。
一方、
「任意の述語Aについて、B(A)は真である」
という命題は偽であることが証明された。
つまり、どんな命題Pについても
「「任意の述語Aについて、B(A)は真である」ならばPである」
は真ということになります。
言い換えれば
「絶対というものが存在しないならば、Pである」
はPが何であれ真である。例えば
「絶対というものが存在しないならば、絶対というものが存在しない」
も真であり、
「絶対というものが存在しないならば、絶対というものが存在する」
も真である。
[4]
「絶対というものが存在しない」が偽であるため、「もし絶対というものが存在しないならば、…」と考えるとどんな結論でも出てきます。
一般に、偽の命題を真だと仮定して推論すればどんな結論でも出てくるので、「Pである」と「Pでない」の両方が証明できる。
だから、もし「Pである」と「Pでない」の両方が証明できたら、「それは仮定が間違っていたからである」とわかります。
そうやって仮定の命題の否定を証明する方法が帰謬法(背理法)ですね。
詳しい説明ありがとうございました!
・・・が!私めの小さな脳みそをフル回転させたところ、途中でクラッシュした模様です。
せっかく体系立てて回答していただいたのに、お恥ずかしい限りです。
>このような論理を一階述語論理と言います。
ここまでは、わかりました(つもり)。
[1][2]
これもわかりました(たぶん)。
えーっと、「A(x)が偽であるようなxが存在する。」 とはつまり
「絶対の存在が偽であるような絶対が存在する」すなわち
「絶対というものはないという絶対が存在する」、そしてこれはトートロジーに反する。
と解釈してよろしいでしょうか?違ったらゴメンナサイ。
この時点で、仮定の命題は否定される、つまり「絶対は存在する」という結論を考えてしまうのですが、それではダメなのでしょうか?
[3]
上の段が理解できませんでした。とりわけ
>「Qでないか、あるいはPである」
これはどういう意味なのでしょうか?
[4]
これはよ~くわかりました。
でも、[3]を理解する必要があるんですよね・・・。(><)
どうもありがとうございました。
No.10ベストアンサー
- 回答日時:
No.9へのコメントについて。
ほっほい。こうも真剣に解読していただけると嬉しいですね。
●
> えーっと、「A(x)が偽であるようなxが存在する。」 とはつまり
>「絶対の存在が偽であるような絶対が存在する」すなわち
>「絶対というものはないという絶対が存在する」、そしてこれはトートロジーに反する。
いや、ここではそんな難しいことは言ってないのです。たとえば
U(x): 「xは黄色い」
という述語は、xが何であるかによって、真であることもあれば偽であることもある。しかし
V(x): 「xが黄色ければ、xには色がある」
という述語は、xが何であっても真である。ですから、
B(U):「U(x)が偽であるようなxが存在する」という命題は真ですし、
B(V):「V(x)が偽であるようなxが存在する」という命題は偽です。
それで、
「任意の述語Aについて、B(A)は真である」
という命題を考えますと、これは「どんな述語AであろうとB(A)が真だ」と主張している訳ですけれど、B(V)が偽なんですから、例外がある。だから
「任意の述語Aについて、B(A)は真である」は偽です。
●
> この時点で、仮定の命題は否定される、つまり「絶対は存在する」という結論を考えてしまうのですが、それではダメなのでしょうか?
ダメじゃないです。
V(x): 「xが黄色ければ、xには色がある」
は絶対(つまり常に真。こういうのを恒真式と言います)です。
ただ、「恒真式が存在する」と言えば意味は明瞭ですし、「例外のない法則は存在する」と言っても良いでしょうけれど、「絶対は存在する」と表現すると解釈が曖昧になりがちですよね。ダメじゃないですけど、意味が明瞭な言葉を使うようにしたほうが便利ですよ、というだけのことです。
●
>「Qでないか、あるいはPである」
これはどういう意味なのでしょうか?
「QならばPである」と言うのは「Qでないか、あるいはPである」と言うのと全く同じだ、ということです。これはまた「QであってPでない、ということはない」と言うのとも同じです。
「QならばPである」という主張は
「もしQならば、かならずPである。そして、もしQでなかったら、PかもしれないしPでないかもしれない」ということです。表にして整理してみましょう
Q P QならばPである QでないかあるいはPである
真 真 真 真
真 偽 偽 偽
偽 真 真 真
偽 偽 真 真
「QならばPである」も「QでないかあるいはPである」も、QとPが共に真である時か、あるいはQが偽である時、このどちらかのときだけに真となります。
お礼が遅れてしまい、申し訳ありません。
二回目のご説明でようやくわかりました。
なんだかスカっとしました。
どうもありがとうございました。
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