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現代音楽(クラシック)の曲はなぜか無調性のものが多く、聴いたり演奏している時に、気分が良くなるというよりは混沌・殺伐とした乾いた心の空気を受け取ってしまう傾向があると感じてしまいます。 

こういった音楽を作曲している人は、なぜにこの様な曲を生み出しているのでしょうか? 爽快感、心地好さ、心の微笑みが伝わって来る感覚の音楽に興味がない人々だということなのでしょうか? 

音楽本来のこの世での役割は、人々に生きる喜びを伝え、「心のプラス方向の高揚」を共有することだと自分は解釈しています。音楽にとって、様式、形式や構造は最も重要なものではないと思っています。音楽で最重要なのは、その曲から伝わって来る「心の息吹き」だと思うのです。 ですから、変拍子や無調性であっても何ら構わないのですが、その曲に接した時に、何らかの心地好さを感じられるものであって欲しい、と感じているのです。日常生活の中ではなかなか体験し得ない「心の活力・勇気が湧く空気」を世の人々に伝えるものであって欲しい、と。

現代は社会が複雑・混沌としており、精神的不快感を感じ易いというのはよく分かりますが、作曲家がその不快をそのまま表現しても、それを聴いた人も不快を思い出すだけで、世の人々が何ら人生をプラスに生きて行くのに役立たないのではないか、と思うのです。居心地の悪さ、不安定感を共有する目的なのでしょうか。

しかしながら、こういった曲が現代には多く存在しているのですから、きっと自分では想像し得ない魅力があるのではないか、とも思っています。

現代音楽ファンの方、こういった現代音楽を作曲されている方々、その価値観、魅力、音楽を通じて世の人々に伝えたいと考えている事 について、教えて下さるようお願いします。

A 回答 (3件)

面白いご質問で、未だに、セリ―音楽の研究をやっている作曲科の音大生に聞かせたいです。



いわゆる現代音楽といわれる音楽分野において、作曲家が考えていることは、ホラー映画用とか、何かの情景や機会に合わせるための音楽というよりは、そのような目的が何もない、純粋な意味での音楽の探究のために作曲をしているということを、まず理解しなければなりません。それを聞いて、

>気分が良くなるというよりは混沌・殺伐とした乾いた心の空気を受け取ってしまう傾向があると感じてしまいます。 

ならば、やはり受け入れられない音楽ということで、あまり気にしないことです。

>こういった音楽を作曲している人は、なぜにこの様な曲を生み出しているのでしょうか? 爽快感、心地好さ、心の微笑みが伝わって来る感覚の音楽に興味がない人々だということなのでしょうか?

音楽が表現することは、心地好さや爽快感だけではありません。スリル・エロチシズム・葛藤・虚無感なども、音楽表現に含まれています。こういった、音楽で表現するものは、爽快感から虚無感、安らぎから緊張まで、あらゆるレベルの感覚的刺激です。そして、このような感覚的刺激を、芸術家は「美」としてとらえます。
音楽についての研究を重ね、今までになかった美的事象(感覚的刺激)を発見できないかと、音楽の可能性の拡大について探究していると、色々と刺激的な現象に行きあたることがあります。作曲家はそれを見逃さず表現していると言えます。べつに、安らぎを与える音楽に興味がないわけではありません。しかし、広く一般的に癒しを与える音楽に何が必要かは、もう分析し尽くされて分かってしまっていて、興味ある探究とは言えないという状態になっています。

音楽家ではありませんが、マルセル・デュシャンという芸術家をご存じでしょうか? この人は、男性用の小便器を横に傾けて適当にサインして、「泉」という題をつけて作品化し展示して、人々の度肝を抜いたのですが、こういった便器なる代物も、芸術における美の一要素としてとらえたところが、何とも刺激的です。

 音楽=癒し

ではなく、

 音楽=音を用いた感覚的刺激

と考えるのはどうでしょうか?
ただし、その前に、そもそもご自身があらゆる感覚的刺激を音楽に求められているのかが問題です。

不快な音響を、美的なものとしてとらえられるかどうかが問題です。これは経験によるのだと思いますが、音楽がどのようにして出来ているのかを深く勉強することは、あらゆる刺激を美なるものとして受け止めようという寛容さを育てる助けになります。ですが、勉強をしたからといって、その刺激が美なるものかどうかを決めるのは、結局は個々人の問題です。勉強したからといって何でも分かるものではありません。

現代音楽は、そういう意味で、様々な作曲家の挑戦が詰まった非常にスリリングな世界です。そういうところが魅力なのですが、CDを聞いてみて、「はーーー??」っと思うこともありますし、「すげーー!」と感動することもある。完全に個人様式ですから、当たれば感動、外れれば失望……というのは仕方ないことです。
また、アドバイスですが、現代音楽を議論するときは、みんなが良いと言っているからといって、自分もこれを聞いて良いねとは言えないのは感受性の低さが問題か……などと思わなくて結構です。これはutakataXEXさんのおっしゃる通りかと。ご自分の音感覚を信じてお聴きになれば良いのだと思います。無理に、何が魅力なの?と人に聞くより、大切なのは自分がどう感じるかですね。音楽ですから。(NeoAlien55)
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この回答へのお礼

しばらくの間、ネットを繋げない環境に行っていたため、お礼を書き込めるのが遅くなりました。回答くださり、ありがとうございました。ある意見の一つとして参考にさせて頂き、自分の立場・職業としての自分なりの見解を見出したいと思います。
音楽を創る立場の人 と 聴く立場の人 で、心に映っている光景や必要と感じている情報が当然ながら違うのだ、ということを再度認識する機会とすることが出来ました。

お礼日時:2009/07/19 03:21

作曲の目的としては、それまでに無い新しい音楽の模索、という事になると思います.


絵画で例えると、上手な「デッサン」が「心地良い音楽」で、ピカソが描くような「抽象画」が「現代音楽」です.
もちろん、ピカソはデッサンの腕も一流ですが、新しい絵画の模索として、あのような抽象画を描きました.

曲を聞くだけだと、確かに意味不明な感じはしますが…
「十二音技法(セリー等)」(シェーンベルク)や「トーンクラスター」(リゲティ)、
「ミュージック・ストカスティック論」(クセナキス)、「中心軸システム」(バルトーク)など…
実は、緻密に考えて作曲してたりします.

魅力についてですが、「魅力」というより「用途」がありますね.
サスペンスドラマの犯行シーンとか、サイコ映画の1シーンを盛り上げるには、「普通の音楽」ではダメですよね.
身近(?)な例では、ドラゴンクエストのラスボスのBGMとか.
複調音楽になっていて、不気味な感じを出してますね.

また、「心地良さ」を表現するために、前半をワザと現代音楽風にする事もあります.
前半で「混沌」「不快」な気分にさせておいて、後半で普通の作曲に戻して、開放感を得る…みたいな.

つまり、普通に鑑賞する音楽としては適さないと思いますが、役に立たないワケでは無い…と.
鑑賞できる現代音楽としてギリギリなのは、個人的には、バルトーク、ミヨー、ロドリーゴとかですね.
バルトークは「ルーマニア民族舞曲」、ミヨーは「神聖祭儀」など.
ロドリーゴはギター曲が有名ですが、和音の中に、ワザと不協和音になる音を入れて、良い味わいを出してます.
(ファンダンゴとか)
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この回答へのお礼

しばらくの間、ネットを繋げない環境に行っていたため、お礼を書き込めるのが遅くなりました。回答くださり、ありがとうございました。ある意見の一つとして参考にさせて頂き、自分の立場・職業としての自分なりの見解を見出したいと思います。
音楽を創る立場の人 と 聴く立場の人 で、心に映っている光景や必要と感じている情報が当然ながら違うのだ、ということを再度認識する機会とすることが出来ました。

お礼日時:2009/07/19 03:20

私自身は「無調で変拍子であれば何でも大好き」と言うわけではありませんが、現代音楽は好きです。



現代音楽にカテゴライズされるものがすべて嫌いなのか、具体例が挙がっていないのでわかりませんが、そもそも「価値観や音楽を通じて世の人々に伝えたいと考えている事」を考えて聴いているわけではないです。
(作る側は考えているかもしれませんが)

>音楽本来のこの世での役割は、人々に生きる喜びを伝え、「心のプラス方向の高揚」を共有すること(以下略)

これは質問者様の主観であり、どのような曲を作るのかは、音楽を作る側の自由であり、また、質問者様が「不快」と思っても、それを聴く人すべてが「不快」だと思っているわけではありません。

私も聴いて不快に思うくらいなら聴きません。不快でないから聴いているのです。
緊張感を得たり、気分が高揚したりするものもあるし、質問者様の言われる「爽快感、心地好さ」を感じて聴くものもあります。

これはもう「自分がそう感じているからそうなのだ」としか言いようがありません。
そして、それを言葉で説明して理解してもらうと言う事も不毛に感じます。
今は嫌いなジャンルでも、いつか好きになるかもしれないし、一生嫌いかもしれない。別にそれでよいのでは?
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この回答へのお礼

しばらくの間、ネットを繋げない環境に行っていたため、お礼を書き込めるのが遅くなりました。回答くださり、ありがとうございました。ある意見の一つとして参考にさせて頂き、自分の立場・職業としての自分なりの見解を見出したいと思います。
音楽を創る立場の人 と 聴く立場の人 で、心に映っている光景や必要と感じている情報が当然ながら違うのだ、ということを再度認識する機会とすることが出来ました。

お礼日時:2009/07/19 03:18

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