

こんにちは。ちょっと専門的なのですがフーリエ級数についてです。
まだ手をつけたばかりですが、微積分関係の知識は高卒程度までは
あります。
ある本に、フーリエ級数とは周期関数f(x)を(拡張すると周期関数でなくてもよい)三角関数で近似するということであり、式で表すと
f(x)≒g(x)=A_0/2+Σ[n=1~N]{A_n*Cos(x)+B_n*Sin(x)}
ただし(アンダーバー後の数字は添え字を表します)
となる。A_nとB_nの決定には、
∫[-π/2~π/2]{f(x)ーg(x)}^2 dx
が極小になるように選ぶ。と書いてありました。
もちろん私はA_nとB_nがどう表わされるかは知っているのですが、
普通f(x)にCos(nx)やSin(nx)を掛けて周期で積分しますよね。
この「∫[-π/2~π/2]{f(x)ーg(x)}^2 dxが極小になるように選ぶ」
とは一体どういうことなのでしょうか。
極小になるように選ぶといってもどう選ぶのですか。微分するのでしょうか。
ちょっと難しいかもしれないのですが、分かる方、計算方法等を
示していただけませんか。ずっと考えていてもやもやしていて仕方
ないのです。お願い致します。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
siegmund と申します.
大学で物理の研究と教育をやっています.
さて,ご質問ですが,私もフーリエ級数を教えるときには質問のような
アプローチで教えています.
質問にもあるように,近似精神が明確になるからです.
でも,あんまり本には書いていないですね.
f(x) と g(x) の誤差を一番小さくすればよいというのは誰でも考えることですが,
区間が -π/2~π/2 ですから1点だけの誤差を考えても仕方がありません.
「区間中での誤差の最小値が一番小さくなるように」などとすると,
たった1点で誤差がゼロになればあとはいくら誤差が大きくてもいいということに
なってしまいます.
ここは全体を考えて誤差の和が最も小さくなるようにとすべきでしょう.
今は連続区間ですから,誤差を区間で積分したものを対象にすればいいということになります.
では,
∫[-π/2~π/2]{f(x)ーg(x)} dx
が最小になるように係数を決めればよいか.
いやいや,誤差の絶対値は大きいのに,
積分したら正負で打ち消し合って誤差が小さくなることもありますよね.
じゃあ,
∫[-π/2~π/2]{f(x)ーg(x)}^2 dx
とすれば,誤差の和(今は積分値ですが)は」常に正になるので都合がいいです.
誤差の2乗の和を最小にするというのは,ガウスの最小自乗法の思想とも符合します.
さて,
∫[-π/2~π/2]{f(x)ーg(x)}^2 dx
は係数 A_0,A_1,...,B_1,B_2,...の関数ですから.
I(A_0,A_1,...,B_1,B_) と書くことにしましょう.
各係数について I(A_0,A_1,...,B_1,B_) を最小にするのですから
∂I/∂A_0 = 0
∂I/∂A_1 = 0
・・・・・・・・
∂I/∂B_1 = 0
∂I/∂B_2 = 0
とすればOKです.
うるさいことは言わないことにして,積分と偏微分の順序を交換し,
sin,cos の積の積分の直交関係を使えばよく知られている係数の式が出てきます.
よくわからなければ,N=2 の場合などを具体的に書いて手を動かしてみて下さい.
どういう仕組みになっているかや,
誤差の2乗というのが非常にうまくできていることがすぐにわかります
違うnが絡まないのも大事で,こうなっていないとNを増やしたときに
以前の係数が全部違ってきてしまいます.
なお,書き間違いかと思いますが,質問文中の式
f(x)≒g(x)=A_0/2+Σ[n=1~N]{A_n*Cos(x)+B_n*Sin(x)}
で,Cos や Sin の中身は x ではありませんのでご注意下さい.
No.3
- 回答日時:
フーリエ級数:f(x)~a[0]/2+(a[1]cosx+b[1]sinx)+(a[2]cos(2x)+b[2]sin(2x))+・・・(a[n]cos(nx)+b[n]sin(nx))+・・・・
フーリエ多項式:gn(x)=A[0]/2+Σ[n=1~N]{A[n]*cos(nx)+B[n]*sin(nx)}
平均二乗誤差En=1/2π・∫[-π,π]{f(x)-gn(x)}^2dx・・・・(1)
が最小となるものを見出す。
(f(x)は2πを周期とする周期関数として考えるから、ここでは積分区間は-π~πとしています。)
任意の係数のうち一つの係数A[m](1≦m≦N)に着目して
gn(x)-A[m]cosmx=g*n(x)
とおく。
そうすると(1)は
2En=1/π・∫[-π,π]{f(x)-g*n(x)-A[m]cosmx}^2dx
=1/π・∫[-π,π]{f(x)-g*n(x)}^2-2A[m]/π∫[-π,π]{f(x)-g*n(x)}cosmxdx
+((A[m])^2/π)・∫[-π,π]cos^2(mx)dx
ここでg*n(x)はcosmxを含まないので、∫[-π,π]g*n(x)cosmxdx=0
また1/π∫[-π,π]f(x)cosmx=2a[m]
よって
2En=1/π・∫[-π,π]{f(x)-g*n(x)}^2-4a[m]A[m]-2(A[m])^2・・・(2)
ここで(2)はA[m]の二次関数と見なせるので
2En=1/π・∫[-π,π]{f(x)-g*n(x)}^2-2(a[m])^2+2{A[m]-a[m]}^2・・・(3)
と書ける。
依ってa[m]=A[m]のときに(3)が最小となる。
同じようにして、b[m]=B[m],a[0]=A[0]が得られる。
よってフーリエ多項式は最小二乗法において近似三角多項式になっている。
No.1
- 回答日時:
これは面白いアプローチですね。
私は専門ではないので正しいことは分かりかねますが、言ってることは普通のフーリエ変換と一緒です。ただ、その「普通のフーリエ変換」を有限級数で止めた場合、それが本当にfの近似として最適なのかを検証してるんだと思います。
・ポイントとして、
1)g(x)を右辺に直してA_nもしくはB_nで微分する
2)直交成分による項の除去
で普通のフーリエ変換の式に帰着することが分かります。
お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!
似たような質問が見つかりました
- 工学 周波数fで表現したフーリエ変換の対称性に関する質問です。 1 2022/09/14 12:27
- 数学 -π<x≦π、f(x)=|sinx|+1 である周期関数f(x)のフーリエ級数を求めよという問題の解 1 2023/02/06 18:20
- 数学 回答者どもがなかなか答えられないようなので、考えてみました。 ∫[0,π/2]log(sinx)/( 4 2022/08/31 16:30
- 数学 -π<x≦π、f(x)=|sinx|+1 である周期関数f(x)のフーリエ級数について、 an=4/ 1 2023/02/10 14:18
- 物理学 フーリエ級数展開をExcelのFFTでシミュレートする 5 2023/07/03 22:02
- 数学 f(x)=x+1 (-π<x≦π)のフーリエ級数の複素フーリエ級数を求めよという問題が分からないので 1 2022/12/13 17:30
- 大学・短大 絶対値付きのフーリエ級数について 1 2022/04/23 11:23
- 数学 フーリエ変換後の負の周波数成分の扱いについて 4 2022/09/03 10:18
- 数学 関数の極値と微分係数の関係について 6 2023/04/23 14:35
- 数学 三角関数の範囲について ∫1/√(a²-x²)dxをx=a・sin(t)と置いて置換積分する時tの範 3 2022/05/05 04:13
おすすめ情報
マンスリーランキングこのカテゴリの人気マンスリーQ&Aランキング
-
集積公差について教えて下さい。
-
誤差率 理論値が0の時
-
Fold Changeで表すグラフにする...
-
データの相対誤差について
-
プラスマイナス1.5の範囲に...
-
有効数字が整数部分の一桁で表...
-
実験計画法、L18直交表への割り...
-
計算機で乗数の逆算をするには?
-
回帰直線の傾きと切片の誤差
-
寄与率の計算式
-
最小二乗法の重みづけについて...
-
公差の積み上げ方法について。
-
重み付き最小二乗法について
-
最小二乗法は、なぜ「二乗」な...
-
相対誤差の問題
-
中1 数学 資料の整理 誤差に単...
-
20人対象のアンケートに統計...
-
百分率の統計解析について
-
重回帰分析で手持ちデータがま...
-
サンプリング数の決定における...
おすすめ情報