昭和56,7年。小学校に入学するぐらいの年だったと思います。
母方の叔母に連れられて上野の国立科学博物館まで行きました。
その帰りに博物館の前の路地で子供心に恐怖を感じる光景を目の当たりにしました。
四肢が不自由(両手は肘、両足は膝の辺りから先が金属丸出しの義手、義足)で四つん這いの格好をした人がいるのです。
サングラスをかけていて表情を窺い知ることはできませんが微動だにしません。
健常者の付添い人らしき人がいるのですが何故にそんな格好をさせているのか、そもそもその人は生きているのか死んでいるのか(今冷静に考えてみれば死者を剥製にして見世物にするなどご法度なのですが)、陽光に照らされ鈍く光る義手と義足が長い間トラウマになっていました。
最近母親から「傷痍軍人」という言葉を聞きました。
太平洋戦争で負傷した人が縁日などで募金活動をしていて昭和末期まで日本の至る所でそんな光景がよく見られたそうです。
その話を聞いた時、ふと思い出しました。
ひょっとしたら自分が幼少の頃に上野で出くわした人は傷痍軍人だったのではないかと。
今現在その人がご存命かどうかはわかりませんがもし本当に傷痍軍人だったのならお国の為に戦った勇士に対して薄気味悪い感情を抱いてしまった自分をとても恥ずかしく思います。
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
御質問者様の『一世代上』の者です。
(昭和56,7年は既に大学生でした。)自分が小学生のころは、ヒトが集まるところにはいつも何人かいらっしゃいましたよ、傷痍軍人。特に覚えているのは・・・東京の新宿駅西口に2~3人で座り込み、後ろに座ったヒトが吹くハーモニカをBGMに、募金箱を前にした最前列のヒトがステンレスの両腕を地面につき、土下座(?)していたグループです。
しかし自分は、記憶にある限りでは『薄気味悪い』とは思いませんでした。
というのは、キッチリ教育?されていたからです。
大正生まれの医者だった父はまさしく太平洋戦争のオンタイム世代、戦争は実体験そのものでした。
一方母は父とはちょっと年が離れていて戦時中は小学生でしたが、母方の祖父は戦時中重要な公務に就いており、敗戦後は横浜の国際法廷(戦争犯罪裁判は、有名な『東京裁判』だけではありません)でC級戦犯の判決を受け、戦犯パージ(公職追放)を食らったという経歴の持ち主だったので、戦前から戦後にかけての国の政策に詳しいヒトでした。
そんな両親は、当時まだ小学生だった自分に、戦争の事、傷痍軍人の事などを詳しく説明し、そして傷痍軍人を『気の毒なのは間違いないが、必要以上に気の毒に思ったり関心を持つな』『おカネなどあげてはダメ』とキツく言いました。
何故かというと、『彼らは既に戦傷者として国で補償されていて、生活には困ってはいないから』と。(当時、一部の政治家なども利用していた都内の公立病院に勤務していた父は、当然国の『特別保護』を受けているヒト達を診る立場にもあった様で、戦傷者に対する国の保障に関して具体的に教えてくれました。)
戦争で多くの友人・知人を失い、また医者と言う立場でもあった父は、あの戦争を生き抜いて本土に戻る事が出来、しかも貧窮しているワケでも無いのに負傷部位を見世物にして『物乞い』をしているその態度が、『ラクして金儲け』に見えてどうしてもガマンならなかった様です。
というワケで、事情が判らないなら小学生でなくても中学生でさえ『薄気味悪い感情を抱いてしまった』としても不思議ではありませんし、ま、日本の福祉政策なんていつもザルなので、戦傷者の方々の全員が平等に十分な補償を受けられていたかどうか判りませんが、少なくとも無条件に『自分をとても恥ずかしく』思う必要もないと思います。
ご回答ありがとうございます。お礼が遅くなりましてすみません。
あの時一緒に居た叔母はどうして何も話してくれなかったんだろう、と今でも時々思います。
でも回答者様のお父上同様に「貧窮しているワケでも無いのに負傷部位を見世物にして『物乞い』をしているその態度が、『ラクして金儲け』に見えて」いたからあえて自分に説明しなかったのかもしれません。
No.7
- 回答日時:
その人が傷痍軍人だったか否か、それはどちらでも良いことです。
又、薄気味悪い感情を抱いてしまったこと。これは仕方ありません。
生理的にそういう感じてしまうことは、例えば医師や看護師などでない限り、
仕方のない感情なのです。
「自分を恥かしく思う」~よってこれは間違いです。
そう思っているから、何時までも心に残ってしまうのです。
又、このことによって貴方の社会生活に著しい支障でもない限り、
これは「トラウマ」と呼ぶべきほど深刻なものでもありません。
何らご自身を恥かしいと思う必要などないのです。
ご回答ありがとうございます。お礼が遅くなりましてすみません。
回答者様の仰る通り、確かにトラウマというほど深刻なものではないですね。
自分を恥ずかしく思う、だから心に残ってしまう。ごもっともです。
多くの方から回答を頂きとても参考になりました。
幼少の自分が抱いた感情は至って正常なものだったんですね。
No.6
- 回答日時:
私は田舎で生まれ育ったせいで、直接傷痍軍人を見たことはありません。
ただ、祖母が戦争でけがをした兵士が障害を抱えてその後生きていくようなことを話してくれていましたが、お金を集めるようなことをしていたのは知りませんでした。ところで、昔、子供向けドラマというものがありました。「ケンちゃんシリーズ」が代表ですが、おそらく初期のケンちゃんで道ばたに座って顔の半分を覆い、帽子(子供のころの記憶ではツバの広い帽子だったのですが)をかぶり、白い服を着てはっきりしない声で何か言っている人を見て「わー!乞食だ。逃げろ!」と言って走る、曲がり角を曲がったらそこにも同じような格好の人がいてまた逃げる、というようなシーンがやけに記憶に残っていました。それが傷痍軍事だったのだろうと気づいたのはかなり後になってからで、顔を覆って言葉がはっきりしないのは顔面を負傷しているから、お金をもらっていたのがその募金(という設定)だったのです。
今では考えられない内容ですが、当時はやはり子供にとっては怖い人たちという認識は当たり前のものだったようです。この手のドラマは何かしら道徳的な内容を含むものですが、この件ではただ怖がっていただけでそれを注意し諭すような場面はなかったと思います。
ご回答ありがとうございます。お礼が遅くなりましてすみません。
ケンちゃんシリーズは自分も知っています。
オモチャ屋ケンちゃんはよく見ていました。
初期の頃にそのような描写があったんですか。
どのような意図だったんでしょうね。
自分も田舎育ちで傷痍軍人さんらしき人を見たのはこれが最初で最後です。
No.4
- 回答日時:
確かに傷痍軍人が立っていましたが…果たして本物かどうかはわかりません。
終戦が昭和20年ですから、昭和56年だと終戦生れでも35歳。
少年兵で出兵したとしても50歳前後でしょう。
実際には西郷さん銅像近くの植え込みで衣装を調えて物乞いをする偽傷痍軍人が山ほどいました。実際に朝とか夕方に行くと着替えている風景を何度も目撃しました。
それに、なぜか最近でも見かけた事があります。果たして彼は何歳なのでしょうかねぇ。
昭和30年代にはアコーデオンなどで演奏したり、レコードを流している傷痍軍人が幾つかの駅前でも見られましたが、急速に減少し、50年代ではほぼ偽物が主流でした。
子供が異形の風体を見て恐怖を感じたり拒否するのは当りまえ。それが大人になって自己防衛本能や戦争回避の精神に繋がるのです。逆に違和感を覚えないようになどと叱るのは良くない事です。
逆に戦争中は国の為に戦う事を賛美し、靖国に祀られるために戦うことを賛美したではありませんか。
中には怪我をして帰国した兵士に対し、「なぜ死ななかった」と罵倒する人までいたのです。
自分自身のことでも、恥ずかしがる必要など全くありません。その気持ちがあったからこそ、戦争を嫌う心があるのですから。
もし戦争を少しでも肯定する気持ちが芽生えたら、彼らの姿を思い起こせばいいのです。彼らの覆面の裏に自分の愛する人や親兄弟の顔を映してみればいいのです。
大人になってから、意思の力で本能を制し、愛情を以って接すればいいだけのことです。
ご回答ありがとうございます。お礼が遅くなりましてすみません。
>子供が異形の風体を見て恐怖を感じたり拒否するのは当りまえ。それが大人になって自己防衛本能や戦争回避の精神に繋がるのです。
回答者様の仰る通りですね。
「異形の風体」を目の当たりにして戦争の怖さ、虚しさを感じる。
自分はとても貴重な体験をしたのかもしれません。
病気を患い出兵しない人はカス呼ばわり。
怪我を負って帰国した人に生き恥だと罵倒する。
当時の軍国主義の恐ろしさは戦争を知らない自分でも伝え聞くだけで2度と同じ過ちをしてはならないんだという気持ちにさせられます。
No.2
- 回答日時:
【40代男性】です。
ご質問者さんの感情は恥じるものでは無いと考えます。
私が子どもの頃にはご質問者が見た方と同様、人目の多い街中でわざと障害部位を見せたり、酷い話ですが縁日などの見世物小屋で「○○男」や「○○女」とグロテスクを売りにした商品にされていた方もいました。
見られる側がソレを見せることによって「可哀相」、「気の毒」、「黙って見過ごせない」という感情を見る側に求めていたわけですから、ご質問者さんは子どもらしく素直に感じただけでしょう。
嫌な情報となりますが傷痍軍人の方のそのような行為によって得られた金銭全てが傷痍軍人の方々だけのモノになっていたわけではありません。
現在では、そのような方が減って障害者を見世物とするような事はなくなって、それはそれでいいのですが・・・。
昔はそのような方もいて、他の障害者も今ほど見た目を気にする必要が無かったのですが、現在は健常者の方の多くが障害者を見慣れていない(目にすると嫌悪感を顔に出す、目を背ける、子どもに「見てはいけないもの」だと教育する。)という状況になり、公衆浴場、プール等スポーツ施設、海水浴場などを障害者が利用しにくい現実があります。
傷痍軍人の方が時代と共に減っても、先天的、病気、交通事故が原因となっている障害者人口は平成になったからと言って減ってはいないのですが、「健常者のために隠さなければならない」と考える良識のある障害者の方が増えたせいだと思っています。
私は良識の無い障害者なので義肢くらい隠さずに下肢障害者でも半ズボンで外を歩ける時代が来ることを勝手に望んでいます。
ご回答ありがとうございます。お礼が遅くなりましてすみません。
目に見えるバリアフリーが進んだところで人々の心(偏見、先入観)が変わらなければ進歩は望めませんよね。
自分は人目につくところでは必ず左手にサポーターをしています。
というのは、10年前に仕事で左手の甲から手首にかけて重い熱傷を負ってしまいケロイド状になった手を隠しているんです。
一度女性に見られて露骨に嫌な顔をされてから「隠したほうがいい」と思ってずっとサポーターをしていますがそろそろ勇気を持って自分の心を改革したいと思います。
別に隠さなくてもいいんだ、と。
No.1
- 回答日時:
おそらく私も同年代だと思います。
子供の頃、私も義手や義足の傷付いた方をよく見掛けました。
しかし、戦争を知らない私は、やはり怖くて目を背けることしかできませんでしたし、ある程度成長してから、私も傷痍軍人さんだと知りました。
子供だったのだから、仕方がないと私は思います。
今そうしてあなたが、恥ずかしいと思う気持ちがあれば、十分だと思います。
私には子供がいます。隣近所に障害を持った男性がいらして、特に危害を加えることは何もないのですが、時折意味不明な奇声をあげたりされるので、大変怖がります。
小さな子供に障害を理解させるのは大変難しいことなので、今は特に理解させようとはしていません。怖くないよってことだけは伝えていますが。
それと同じなのではないでしょうか。
ご回答ありがとうございます。お礼が遅くなりましてすみません。
戦中世代の方でも傷痍軍人さんを正視するのは抵抗があるかと思います。
戦争を知らない僕らはやはりその当時怖くて目を背けることしかできなかったんでしょうね。
もっとも平成の今日ではそうゆう方々をお見掛けする機会はほとんどなくなりましたが・・・。
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