
大学の学部二年生で、国語学を勉強しています。
非常に初歩的な質問なのですが、単語というものの定義を教えてください。
辞書を引いてもあまり分かりませんでした。
特に、疑問点は三つあります。
1)複数の品詞になる語は、一つの単語か。品詞ごとに異なる単語か。
例えば「色々」は名詞・副詞、形容動詞として使えますが、
これは一つの単語がそれぞれの品詞の形を取りうるということでしょうか。
それとも、三つ別々の単語として扱うのでしょうか。
2)語尾を変えることで違う品詞として使えるものは異なる単語か。
形容詞「恥ずかしい」、動詞「恥ずかしがる」などは、それぞれ一つの
単語としてみるのでしょうか。
3)連語は一つの単語か
「いけない」のような連語は一つの単語でしょうか。また、一つの単語
でないなら、「酒屋」「山水画」のような例が一単語なのはなぜですか。
不勉強で恥ずかしいですが、質問させていただきます。
どなたか教えてくだされば幸いです。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
大学生になって文法について学び直してみようとすると、
いろいろな疑問が湧いてくるものですね。
単語の定義は「初歩」というよりも「基礎」というべきもので、
その定義いかんで文法学説全体が左右されるほど難しいものだといえます。
勉強が進んできたら、さまざまな学説を比較検討して理解を深められるのがよいでしょうが、いまはいわゆる学校文法に準拠する形でお答えします。
学校文法では、おもに言葉の形と他の単語とのつながり方によって単語を区別(品詞分類)していますので、
1) 品詞ごとに異なる単語と判断します。
ところで、「色々」が名詞として使えるという点ですが、
わたしが調べた辞書では「形容動詞」「副詞」の2種でした。
おそらく「色々の考え」のように、「の」を伴って連体修飾になる用法を念頭においておられるのでしょうが、
「色々」は「主語になる」用法がないので、名詞とは判断せず、
形容動詞の語幹が「の」を伴って連体修飾となる用法と考えるのがよいでしょう。つまり、「形容動詞」であるということです。
2)異なる単語です。
理由は1)によります。別の品詞と考えられるからです。
3)通常は2つ以上の単語に分けます。ただし、これは「学校文法」のグレーゾーンだと思います。
「いけない」を辞書で引くと、動詞「行ける」(「行く」ではない可能動詞のほう)と助動詞「ない」に分けた上で、現在は1語的に用いると注記してあります。
もし、1語と考えるなら、形容詞ということになるのでしょうが、
わたしも辞書と同じく形容詞とは考えないほうがよいと思います。
それは、
常体「いけない」と敬体「いけません」を念頭に置くと、
形容詞「ない」とは別の性質がはっきりしてくるからです。
「ない」の敬体は「ありません」で、まったく別の語を用いた表現になります。ちょっと幼稚ですが「ないです」という言い方もありますが、
「~ません」とはならないのです。
だから、これは動詞と助動詞に分けて考えるのがよいでしょう。
2つ以上の単語の集まりである「連語」ではなく、
「複合語」という1単語と見なされる言葉もたくさんあります。
例としてあげられている「酒屋」「山水画」などはこれです。
二つの名詞が連体修飾でつながる場合は、「の」が介在するはずなので、これらの例は1つの名詞となっていると考えるのがよいでしょう。
「食いつく」「飛び上がる」などの複合動詞も、「食ってつく」「飛んで上がる」などと、2つの単語(動詞)なら可能であるはずの「て(で)」を介してつながる言い方にできないので1単語と考えられます。これらは1つの動作・作用を表す「複合語」と考えるのがよいと思われます。
そのほかの動詞が連続する場合は読点「、」で区切るのが普通です。
もちろんこの場合は2つの単語で連用中止といわれる形ですね。
「泣き、笑う。」「走り、跳ぶ。」などです。
単語の「定義」というと、「それ以上分けられない最小の単位」などと抽象的に表現されていることが多いし、また、そのように表現するしかないものでしょう。
だから非常にわかりにくいわけですが、以上例を挙げながら説明してきたとおり、「十品詞」に分類するという観点から判断していけば、なにが一単語なのかはわかるようになってくると思います。
ただし、文法は一面的な考え方では割り切れないことが多いので、
今回例示したような他の語法と比較しながら総合的に判断する訓練をすることをおすすめします。
その知識というより技術が、より勉強が進んで「学校文法」以外の学説を学んだり、自分で考えたりするときに役に立つと思います。
回答ありがとうございます。大変納得しました。
日本国語大辞典や大辞林では「色々」を名詞としても扱っていました。
具体的に「色々」が主語となる文は考えにくいのですが、自分では、
ゴッホの色々が目に鮮やかだ。
という風に字面通りの「色」の複数形として扱うケースを考えたりしました。
それでなくとも、形容動詞と名詞を巡る問題はややこしいので、混乱してしまいます。
「いけず」が「いけない」に無い意味を含んでいるのも面白いところです。
「いけない」行為をしてくれない人に「いけず」と言ったりするなど。
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