こんにちは。
クラシック鑑賞にぴったりの季節がやってきましたね。
私の漠然とした印象ですが,作曲家や演奏家が困難な状況に置かれているとき,優れた作品や演奏が生まれることがあるように感じています。(もちろん,幸せいっぱいの時期に,あるいは,個人の境遇とはまったく関係なく産まれる名作・名演もたくさんありますが)
少々重たいQAになりそうな予感もしますが(汗),秋の夜長に覚悟を決めて(?)向き合いたい,上記のような作品や録音を,よろしければエピソードもつけてぜひ教えてくださいませ。
社会情勢から個人的な修羅場(爆)まで,困難にもいろいろと思いますが,そこはご自由に。
A 回答 (5件)
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No.5
- 回答日時:
No.4の回答者です。
ていねいなお礼をいただき、ありがとうございます。ショスタコーヴィチの交響曲第7番ですが、トスカニーニのアメリカ初演時のライブ録音は、CD化されたことがあります・・・と書いてから念のため調べたら、現在は廃盤のようです。「証言」では確かにこきおろされているのですが、作曲者の息子マキシムはそれを否定しているという話も読んだことがあります。「証言」自体の信憑性が疑われていることもありますので、ぜひ演奏そのものをお聴きいただければと思うのですが・・・。
ちなみに、この曲の世界初演はクイビシェフに疎開していたボリショイ劇場管弦楽団によって行われていますが、その後、ドイツ軍包囲下のレニングラードに唯一踏みとどまっていた(逃げ遅れた?)オーケストラである放送管弦楽団が、連日砲撃にさらされ餓死者が続出するという極限の状況下で、この曲を演奏したという記録があります。この日はドイツ軍がまさにレニングラードに突入しようとした日だったのですが、演奏会を防衛すべく(と伝えられます。真相はわかりません)総力で反撃したソ連軍はこれを阻止し、演奏はラウドスピーカーで前線にも中継されたといいます。極限と言えばこれほど極限の状況下での演奏も少ないと思いますが、残念ながら録音が残っているという情報はありません。
「黄河」は、Youtubeにまさに「文革」の最中と思われる演奏の映像があります。よければ、ご覧下さい。曲そのものは聴くのに苦しいところはなにもありません。
ほかに困難な状況というと、ベートーヴェン同様難聴に苦しんだスメタナを思い出しました。「我が祖国」の後半はほぼ完全に失聴した状態で書かれたとされますが、最終楽章「ブラニーク」の後半のくどさに、私はその苦しみの片鱗を感じます。また、弦楽四重奏曲「我が生活から」のなかに出てくる高音の不協和音は、耳鳴りを表しているという説もあるそうです。
私の思い出せるのはこのあたりです。まだまだあると思うので、ほかの皆さんの回答をお願いします。
こんにちは。
レニングラードのアメリカ初演は廃盤ですか。残念です・・・。
ますます聴いてみたくなりますね(笑)
レニングラードでの演奏のエピソードも凄いです。(若干プロパガンダの臭いもしますけれども^^;)
ところで,第二次大戦に関連した名作・名演は他にもたくさんありますね。自分で訊いて自分で答えるのもどうかと思いますが(汗),メシアン「世の終わりのための四重奏曲」(収容所で作曲・初演)や,R.シュトラウス「メタモルフォーゼン」(敗戦間際のドイツで作曲),(ユダヤ人指揮者の)ワルター/ウィーンフィルのマーラー9番の録音(ヨーロッパを脱出する直前の録音)などが思い浮かぶところです。
「黄河」,興味深く拝聴(拝見)させていただきました。
ショスタコーヴィチ,あるいはストラヴィンスキーやプロコフィエフといった作曲家たちとの才能の差はいかんともしがたい,とついつい思ってしまったりしましたが(爆),基本的には私の好みの傾向です♪
普段は,ショスタコの音楽を「面白いんだからいいじゃん♪」なんて気軽に?聴いたりもしているのですが,改めて考えると,「黄河」にせよショスタコーヴィチにせよ,他にもいろいろとある,社会からのさまざまな抑圧を受けた(であろう)作品にせよ,背景は背景・音楽は音楽,なんて簡単に割り切ってはいけないのかもな~,なんて思ったりもしました。
事実かどうか分かりませんが,スメタナの難聴は,ベートーヴェンのそれよりもずっと重症だった,という話をどこかで聞いた事があります。我が祖国の後半,特にシャールカ,ターボル,ブラニークの雰囲気は「モルダウ」とはずいぶん違いますね。もちろん,主には扱っている題材の違いによるものだとは思いますが,個人的なものも,多少なりとも投影はされている可能性もあるかもしれませんね。
お礼が遅くなり申し訳ありませんでした。
再度のお越し,ありがとうございました!
No.4
- 回答日時:
ショスタコーヴィチの交響曲第7番が紹介されましたので、便乗して・・・。
この曲をバルトークが非常に皮相的に受け取ったのはご紹介のとおりですが、作曲者本人はけっこう緊迫した状況にあり、第一楽章はレニングラードで書いたものの、ドイツ軍のレニングラード包囲網が完成しつつあるなか政府の特命で脱出し、残りは疎開先で書いたというものです。
そして、アメリカ初演はクーセヴィツキー、ストコフスキーとその権利を争ったあげくにトスカニーニが行いました。トスカニーニはご承知のとおりイタリア人ですが、当時は反ファシズムを掲げていわば祖国と闘うアメリカのために棒を振っていました。私は、その彼の複雑な思いがこの演奏ににじみ出ていると思うのですが、どうでしょうか。
あと、ややきわものですが、中国のピアノ協奏曲「黄河」。
「文化大革命」で西側の音楽の演奏が事実上禁じられたあと、北京音楽院にいた演奏家や作曲家が、日中戦争中の戦意高揚音楽を素材に編曲し、自分たちの存在をなんとか認めさせようとしたものです。中心人物であったピアニストの殷承宗は、天安門広場にグランドピアノをひっぱりだして革命歌を弾きまくり、辛うじて演奏家の地位を守ったという人です。曲そのものは超楽天的で、何も知らずに聴けば楽しい曲なのですが、その無理矢理さにいろいろな思いを感じます。
ほかにもあると思うのですが、いま思い出せません。とりあえず、参考になれば幸いです。
こんにちは。
トスカニーニのレニングラード,なんとなしに語呂がいいですね(笑)。
・・・と,そんな話はどうでもよくて(汗),初演の指揮がトスカニーニだったとは知りませんでした。とほほ。
(確か,「ショスタコーヴィチの証言」の中では,思いっきりけなされてましたよね・・・^^;)
トスカニーニのショスタコーヴィチ,私は聴いたことがありませんし,あまり録音も残っていないようですが,音楽性としては個人的には相性は悪くないような気がします。ムラヴィンスキーよりもちょっと熱がある感じになりそうな。
質問者さまがおっしゃるようなトスカニーニの当時の音楽活動から考えるに,かなり気合いを入れた演奏をしたのではないかと想像されるので,もしも当時の録音が残っているのならばぜひとも聴いてみたいところです。
で,キワモノ(笑)の方ですが,ある意味ではショスタコーヴィチと置かれている状況は近かったのかもしれませんね。ゲイジュツの立場とはなかなかに難しいものですね。
「黄河」,聴いてみたいかと言われると・・・うーん,どうなんでしょう(ショスタコーヴィチは好きなくせに,爆)。
ご回答,ありがとうございました!
(もしも何かまた思い出されましたら,いつでもどうぞ♪)
No.3
- 回答日時:
こんにちは。
質問者さまのご質問の意図からは 少し(かなり?^^;)外れてしまうかもしれませんが…
私のミジンコ並(爆)の曖昧な記憶なので微妙に?なところもあると思いますが 質問者さまならお許し頂けるかな~(汗)なんて。
また 非常に良く耳にするエピソードなので 恐らく全くご参考にもならないとは思いますが(汗)枯れ木も山のにぎわい(ん?あってますか?^^;)と思って ご勘弁下さい。(ごにょごにょ前置きの長いことったら)
☆モーツァルト: レクイエム 死者のためのミサ曲。
人気も落ち始め,心身共に弱ったモーツァルトが 誰ともわからない匿名の人物(盗作目的?)からミサ曲の作曲の依頼(多額の報酬で)を受けたものの このミサ曲を書くたびに体調が悪くなって 自分自身のためにミサ曲を作曲するようにと 死神からの依頼が来たと錯覚したとか。自分自身の死に向けてミサ曲を書いてる錯覚にとらわれ, ますます衰弱し未完成のまま死んでいくというこの逸話は,天才故の大変興味深いエピソードだと感じられます。
☆ショパン: 革命のエチュード
書き込みしなくても良いほど有名な話しですけど(笑)。事実という確証はなく,伝説上の話しとして考えられてるみたいですね。
ショパンが故郷を離れ シュトゥットガルトに滞在中 故郷のワルシャワがロシアの攻撃をうけ 陥落したという知らせを聞き,ただでさえ故郷を離れ鬱状態だったショパンは ワルシャワの家族や友人とも連絡が取れず 驚き,憤慨と共に深い絶望と孤独に陥った…その時の想いをぶつけたのが 革命のエチュードだという逸話。伝説上の話しとされていますが この曲に,確かに絶望や怒りの感情が込められているように感じるのは 私だけではない気がします。
☆ブラームス: シューマンの主題による変奏曲
シューマンがライン河に投身し救出され 精神病院に収容されていた時 クララは家庭を維持することに全力を注いでおり,ブラームスはクララへの慰めの気持ち(だけ?^^;)と シューマンへの敬意を兼ねてこの曲を書き クララに捧げました。ブラームス自身が困難な境遇とは言えない気もしますが シューマンへの尊敬の念 クララへの???な想いなど ブラームスの心中はぐちゃぐちゃ…もとい(^^; 相当複雑であり ある意味困難だった気がするのですが…。(何とかの勘ぐりですかね.笑)
☆リスト:パガニーニによる超絶技巧練習曲
リストが21歳の時 パリのオペラ座で 当時ヨーロッパ中の話題をさらっていたパガニーニを聴き「ピアノのパガニーニになる!」と叫んだことはあまりにも有名な話しですが。
「なんというヴァイオリン。なんという芸術家。」
「あの4本の弦にどれ程の苦悩が込められいるのか」
と リストが言ったかどうか定かではないですが(汗)
パガニーニの表現力に打ちのめされたリストは「今度会うとき,ぼくが練習のあまりに気がおかしくなっていなければ,時代の求める芸術家になっているでしょう」と言い残し?猛練習。
その後まずリストは,パガニーニのヴァイオリン協奏曲第2番終楽章をもとに ラ・カンパネッラの原形となる『「鐘」によるブラヴーラ風大幻想曲』を作曲し,後に パガニーニによる超絶技巧練習曲を作曲しました。
このエピソードも 困難な境遇とは言い難いかもしれませんし,直接的な曲との関連性もない,いわゆるこじつけ?かなと思いますが リストほどの天才の,気がおかしくなるほどの練習を想像すると 超絶凡人(爆)の私には困難極まりない感覚になります。
リストにとってのパガニーニ的存在が 私にとっての質問者さま?(回答があまりに拙いので,必死にゴマスリスリ?)
『技巧は機械的な訓練からではなく,精神によってつちかわれる』というリストの言葉は このエピソードの真髄を物語っているようにも思えます。
という訳で? 大変主観的な意見満載な回答となり 申し訳なく思っております。
ご参考まで♪とも言えません(爆) が休業返上でがんばりました(笑)
失礼いたしました\(__)
こんにちは。
モーツアルトの死はミステリアスですね。
真相はレクイエムの結末と同様に闇の中ですが,この曲のある種のモーツアルト「らしくなさ」は,何かしらの特殊な状況によるものなのかもしれません。
ところで,怒らないで(あるいは呆れないで)欲しいのですが,その他のピアノ曲,実は,ちゃんと通して聴いた事がありませんでした(革命のエチュードでさえも・・・汗∞)。
以下,改めて聴いてみた上でのコメントです。
ただし,内容についてのまともなコメントはほとんどありません(ぉぃ)。
ショパンは,青春の激情という感じがしますね。実際,何歳の頃の作曲か知らずに書いてますが(爆)。それに比べてブラームスはネチネチグダグタ(ぉぃ)と・・・(^^;。この曲を聴いて慰めが得られるのだろうか?? と思ってしまいました。
でも,個人的にはブラームスの方が好みかもしれません♪(ぉぃぉぃ)
社会情勢や身体的な問題は避けがたいところもありますが,自分自身でけりをつけるしかない個人の問題で悩むのは,ある意味では,逃れられないさだめに悩むよりも始末が悪いのかも。
そのグダグダのおかげ?で,彼の傑作たちがあるのだとしたら,クララ&ロベルト夫妻には感謝すべきでしょうか(笑,いや,笑っちゃいけない?)
リストのエピソードって本人の真剣さとは裏腹にちょっとおかしさもあるような気がしますよね。芸術家なのにどこかスポ根系というか。初見では弾けなかったショパンのエチュードを山篭り?の特訓で制覇した,というようなエピソードもあったような。
サラブレット,豊かな才能,(たぶん)イケメンで熱血,・・・とくれば,今で言うと松岡修造さんみたいな感じ??
・・・と,雑談でごまかしてるのがバレバレですね。あまり脱線してもご迷惑でしょうから,このあたりで。
ご回答,ありがとうございました!
No.2
- 回答日時:
経緯はご存知だと思いますが,ショスタコーヴィチの交響曲第5番(プラウダ批判)や
森の歌(ジダーノフ批判)など,スターリン(ソ連当局)の恐怖政治の中で怯えながら(?)
生き延びるために作られた作品が,まず思いつきました。
ショスタコーヴィチの交響曲第7番とバルトークの管弦楽の為の協奏曲との関係ですが,
バルトークはナチスから逃れアメリカに亡命はしたものの,経済的困窮に陥っていました。
アメリカに来てからの経済的困難な生活状況,病状悪化,そこにショスタコーヴィチの
交響曲第7番のまぬけぶりに我慢できないバルトークの生真面目さ…
これもご質問内容に少し関係があるかなと思いました。
もし,バルトークがバックハウスと同時代でなかったら,作曲家バルトークは
存在していなかったかもしれません。(コンクール2位になった運命)
自分よりも上手なピアノ弾きがいることにバルトークは落胆し,ピアニストへの道を
諦めたようですが,後世の人にはラッキーでした。
母国語が禁じられた状況の中で,スメタナの我が祖国と,シベリウスのフィンランディア。
モルダウの旋律にはチェコの人なら誰でも知っている民謡が使われており,その中に
禁じられたチェコ語が潜められているとのことです。日本人が赤とんぼの旋律を聞くと
夕焼け小焼けの…と,日本語が頭の中に浮かぶようなものですね。
それと,スメタナは難聴との二重苦でした。
http://www.japanphil-21.com/kikidokoro/wagasokok …
フィンランディア(賛歌の旋律)は,フィンランド語の促音便の多さを意識して作られている
(フィンランド語を潜ませてある)とのことです。歌の旋律は,それぞれの国の言語に
影響されると思いますが,上記2曲は母国語が禁じられた状況の中で意図的に作られたかも
しれません。音楽の中に隠した祖国を愛する思いの暗号のようなものですね。
個人的な話(個人的な修羅場)で恐縮ですが,危機感迫る状況での名演奏?を思い出しました。
オケでブラ2をしたときに,第4楽章の後半でテンポがどんどんと加速し,
途中で崩壊するのではとハラハラするほど速くなりました。冷や汗ものでした。
みんなそう感じながら緊張していたそうです。後から冷静に考えると指揮者(プロ)が,
興奮度を高めるために煽ったと思います。でも,指揮者が予想した以上に加速が続き,
誰にも止められない状態になってしまいました。結果,聴いている人にもハラハラドキドキ
だったと思いますが,終わった瞬間に大歓声でした。(ホッとした歓声?)
こんにちは。
ショスタコーヴィチは,作曲人生丸ごと困難といった感じですよね・・・。
ただ,この人の場合,苦しんでいる様子と同時に,境遇の厳しさとは関係なく,与えられたお題を楽しんでいる様子もなきにしもあらずのような感じが個人的にはしています。
そういうテーマならこうやって作ってやる! という無邪気なチャレンジ精神というかなんというか。
そういう意味では,暗黒な曲(?)でも悲壮感は不思議とあまりないように思いますし(注:単なる個人的な印象),「革命」や「森の歌」の高揚は,社会主義リアリズムの是非が云々とかいうのは関係なしに,ショスタコーヴィチ自身が本当に感じていたものなのかな~,と。
彼の二重性は,どちらかが真意でどちらかが仮面,ということではないのかもしれませんね。
バルトークの晩年の困難も有名ですが,作曲家としてのキャリアのスタートにピアニストとしての挫折があるというのは知りませんでした。興味深いですね。
バルトークが弾くリストとか聴いてみたい気もします(笑)。
クラシック音楽と民族問題も関わりが深いですね。
我が祖国では,クーベリックのプラハの春音楽祭への里帰り?公演の録音も思い出されます。
また,彼の難聴と深い関わりがある作品としては弦楽四重奏曲「我が生涯より」というのもありますね。我が祖国と同時期の作品で,耳が聴こえなくなる瞬間と思われる描写がなかなかにショッキングです。
そういえば,ちょいと脱線しますが,フィンランド語は日本語と仲間,とは言えないものの(仲間と考えられていたこともあったらしい),共通点も少なからずあるようですね。フィンランディアの賛歌の旋律にちょっとした懐かしさのようなものを感じるのは,そのせい??
回答者様の修羅場?は,いい方向に転んだようでなによりですが,反対側に転げ落ちていく(爆)のを目にすることも多い同じくオーケストラ経験者(アマチュアですが)としては,笑えるような笑えないような・・・(^^;
予定調和的な本番では面白くないところもあるし,かといってそうは無茶もできないし,難しいところです。
以上,雑談も混じってしまい恐縮ですが,ご回答ありがとうございました!
No.1
- 回答日時:
ロドリーゴの「アランフェス協奏曲」
ロドリーゴがこの曲の作曲に着手した時期、スペインは内戦のため大きく揺れていました。
その頃ドイツに住んでいた彼は、遠い異国の空の下から、古き佳き時代の故郷を思い、この曲を書いたといわれています。
スクリャービンの「交響曲第4番」
ピアニストを夢見てモスクワ音楽院に入学したスクリャービンは、在学中に練習のしすぎで右手が麻痺にかかってしまいました。
麻痺は間もなく回復しますが、この時の絶望感から宗教や神秘主義の世界に足を踏み入れ、交響曲第4番「法悦の詩」や、交響曲第5番「プロメテウス 火の詩」を作りました。
フォーレの「レクイエム」
ガブリエル・フォーレは1886年に父を失い、翌年末には母を亡くしました。レクイエムはこれをきっかけ作曲されました。
魂を慰め、天上界を暗示するような、この世のものと思えない美しさに溢れた曲です。
ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」
24歳の時に発表した交響曲第1番が酷評を浴び、その後約2年間も作曲できないノイローゼ状態が続いたラフマニノフが、精神科医ダール博士の催眠療法によって自信と意欲を取り戻し、新作に取りかかりました。その曲がピアノ協奏曲第2番です。
ラフマニノフは、ロマンティックな旋律の美しさを持つこの曲を感謝を込めて、ダール博士に捧げています。
メシアンの「トゥーランガリラ交響曲」
女流名ピアニスト、イヴォンヌ・ロリオとの不倫の恋をしたメシアンが、カトリック信仰と恋愛感情に引き裂かれた苦悩から作りだした、愛の歓喜に満ちた大作です。
ブーランジェのカンタータ「ファウストとヘレネ」
幼い頃から病弱で、悪化するクローン病と闘いながら十代の終り頃から作品を発表したリリー・ブーランジェが、19歳の時にローマ大賞を受賞した作品です。
彼女は、24歳の若さで亡くなりました。
こんにちは。
一番乗りありがとうございます。
(ちょっと面倒な質問なので続くかどうか若干不安ですが・・・^^;)
ラフマニノフのエピソードはよく知られていると思いますが,他の曲の話は存じ上げず,大変興味深く拝読いたしました。どれも有名な作品なのに(ブーランジェは別として^^;),お恥ずかしい限りです。
#ちなみにブーランジェは作曲家の名前だけは知っていましたが作品は未聴です。機会があれば聴いてみたいです。
ロドリーゴの哀愁と望郷,スクリャービンの闇(?),フォーレの可憐さ,メシアンのエロス(爆),背景を思い浮かべながら聴くと,また違った感慨が得られそうな気がします。
また,この切り口での質問で「法悦の詩」と「トゥーランガリラ交響曲」が並んだのは個人的には面白く感じました。ああいった(イッた?爆)曲を作っている時の作曲家の精神状態というのは,どのようなものなんでしょうね。
ご回答,ありがとうございました!
挙げていただいた曲を次に聴くのが楽しみになりました♪
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