No.1ベストアンサー
- 回答日時:
>アルキデスヒラタクワガタの幼虫が孵化したのですが、飼育は発酵マットと菌糸ビンとどちらがいいのでしょうか?
どちらでもよいのですが、なんともややこしい時期に孵化したものですね(笑)
手軽なのは菌糸ビンかもしれませんが、成長進度は両者ほとんど変わりません。
成長サイズに餌がかなり影響するのは、ニジイロクワガタとオオクワガタです。これらは、菌糸ビンに入れるほうが大きくなります。しかし、ヒラタ系はあまり関係がないようです。どちらでも大きく育ちます。
この幼虫は、オスならば、おそらく初令で30日間ほど過ごして脱皮(2010年1月20日前後)
二令でほとんど食べずに半年くらい過ごして脱皮(2010年6月か7月に脱皮して三令に)
三令でもりもり食べて8~10ヶ月(2011年2月か3月)その後さなぎ→成虫(2011年5月か6月)になると思います。このスケジュールだとかなり大型が期待できます。
しかし、三令の期間が短いものもいて4~5ヶ月でさなぎから成虫になり(2010年晩秋)そのまま蛹室で越冬して、2011年5月頃活動する場合もあります。この場合は小型の固体になります。
メスなら、初令で20~30日過ごして脱皮(2010年1月)
二令で1~2ヶ月して脱皮(2010年春)
三令で3~4ヶ月過ごして、さなぎ(2010年晩夏)、成虫(2010年晩秋)
そのまま蛹室で越冬して、2011年5月に活動すると思います。
菌糸ビンだと、メス800CCで3ヶ月ごとに交換して3本目で羽化すると思います。
大型オスは、800CCで3ヶ月、800CCで4ヶ月、1500CCで4ヶ月、もう一度1500CCに入れ替えてその中で羽化ということになると思います。
大型のオスの場合は、菌糸ビンを4本使うことになります。小型オスなら3本目で羽化すると思います。
12月20日孵化だと、もう菌糸ビンに移しても大丈夫です。
発酵マットの場合は、800CC~1000CCのジャム用のガラスビンか密閉容器を100円ショップで買ってきて、これに堅い目にマットを詰めます。メスの場合は、このビンを菌糸ビンと同じスケジュールで交換します。
オスの場合は、第一回目の交換で、思い切り大きな容器に入れて、交換なしに成虫まで持っていく方法があります。これだと、どのタイミングで前蛹になっても心配ありません。
その容器とは、100円ショップで売っている、ビデオ収納用の半透明の容器です。
この容器は、5リットルのマットがそっくり入ります。これを固詰めにしてフタをして周囲をテープで巻き(雑虫が入らないように)、放置しておけば、マット交換なしに成虫までもっていけます。二令からさなぎになるまでに必要な分量のエサが詰まっているということです。フタのロック部分が通気穴になるので、この部分を不織布性のサージカルテープでふさぎます。体重測定はできませんが、放っておけば成虫になります。
前蛹のときに飼育温度を18度にすれば、長いアゴになります。
>初令と2令の見分け方がわからないので教えてください。
これはなかなか難しいです。孵化後30日以上経っていれば、二令幼虫と見てまず間違いがありません。
初令(期間10~30日間)
頭部の幅2~3mm
体重1グラム以下
二令(期間15~5ヶ月)タイミングによっては、餌をほとんど食べずに死んだようにじっとしています。突然脱皮して三令になります。
脱皮したては、頭部が異常に大きいです。頭部が異常に大きくなっていたら二令になりたてです。その後、餌を食べて体が大きくなって頭部と釣り合いが取れてきます。
頭部の幅3~6mm
体重1~4グラム
二令の後期ではメスの場合は卵巣が見えます。一令では見えません。
この回答への補足
いつも詳しいご回答ありがとうございます。
具体的な年月まで詳しく教えていただき大変参考になります。
>どちらでもよいのですが、なんともややこしい時期に孵化したものですね(笑)
>手軽なのは菌糸ビンかもしれませんが、成長進度は両者ほとんど変わりません。
(1)どっちにしろ温度管理しないといけないし、外産なら日本の季節は関係ないんだろうと思い、11月に産卵セットしてしまったのですが、よくなかったのでしょうか?
(2)どのような点が菌糸ビンの方が手軽なのでしょうか?
(3)初令の段階で菌糸ビンに入れても大丈夫なのでしょうか?
すみません、できましたら再度お教えください。
No.4
- 回答日時:
1、「晩夏または秋に羽化し、翌年の夏までは蛹室ですごす」とのことですが、
約半年間エサを全く食べなくても平気ということでいいでしょうか?
蛹室に閉じこもってじっとしてる間は、いっさいエサを食べません。もちろん平気です。
固体によって、3月に表面に出てくるのもいますし、5月に出てくるのもいます。
体が成熟して、かつ、気温が上がれば出てきます。
出てくれば、エサを求めてウロウロしますので、そのときにはゼリーを置いてやります。
ウロウロ出てきたら、いったん成虫を出して、マットを9割ほど捨てて、2cmほどの深さでマットを残し、ゼリーと、木の皮などを適当に放り込んで、そのままのビンで成虫飼育します。すっかり成熟したら、交尾させるなり、より大きい飼育ケースに移してもよいが、複数をひとつの飼育ケースで飼うとケンカするので、メスはそのままビンで飼うほうがよいと思います。
2、発酵マットに加える水は水道水で大丈夫ですか?
大丈夫です。滅菌のための消毒剤などが入っていて心配だと思う人が多いですが、まず100%大丈夫です。
3、添付していただいたビンの写真ですが、蓋が金属のようですが空気穴はドリ
ルで小さな穴を空けているのでしょうか。(コバエが入らないでしようか?)ま
た重ねても下のビンは空気が入るのですか
このビンはガラス製でステンレスのねじ込みフタがついていて、フタの裏にはナイロンと発泡スチロールからなるパッキンがついています。多分ジャム用の容器で100円ショップで箱買いしています。
穴は、ドリルで直径5ミリくらいのを二個あけて、その穴は、「サージカルテープ」=不織布でできた通気性のあるバンソウコウ。薬局で200~400円くらいで売っている24mm幅。これでふさいでいます。幅広紙テープでビンとフタを巻いているのは、パッキンが幼虫にかじられて、むしり取られ、機能しなくなったビンについて、ダニの侵入を防ぐためです。
例えば下記のような商品ですが、色々なメーカーから出ています。
薄いビニール製で小さな穴を無数にあけた製品もありますが、その穴から粉ダニが入るのでよくありません。
http://www.sugi-onlineshop.com/shop/g/g452567805 …
ビンの底は平らではなく、滑り止めのこまかい凹凸(ギザギザ)がついていて、重ねても空気が出入りできます。1000ccくらいの容量ですが、これに約800ccのマットを硬い目に詰めて飼育しています。ガラスビンは、外気温の変化が中に伝わりにくくて好都合です。
メスの気の早いのは一本目で早々に羽化します。遅いので2本目で羽化します。
前回写真のサナギは、ちょうど、連休明けの12日の朝に、このうちの二頭が成虫になっていました。
何度もご丁寧に詳しく教えていただきありがとうございます。
5mmの穴2つで大丈夫なんですね。
ホームセンターで同じようなビンが1本89円で売ってたので、幼虫が多くなったら買ってみようと思います。
不織布テープも使えるんですね・・・
色々とどうもありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
>(1)どっちにしろ温度管理しないといけないし、外産なら日本の季節は関係ない
んだろうと思い、11月に産卵セットしてしまったのですが、よくなかったのでし
ょうか?
よくないということもありませんが、日本式で飼育すると成虫までの期間が2年かかります。
>外産なら日本の季節は関係ないんだろうと思い
たしかに、原産地のインドネシアの気温は、年中最低気温24度・最高気温28度くらいです。
したがって、この温度で管理して育てていれば、幼虫は時間経過だけの体内時計に基づきサナギになり、成虫となります。
しかし、面白いことに、インドネシア産のドルクス系クワガタを、日本でオオクワガタと同じように飼育すると、オオクワガタとほぼ同じ経過で成虫となります。
(私のところでは、オオクワガタと同じ部屋で幼虫飼育していますが、2009年夏に孵化した外国産ヒラタのメスが12月に入ってから次々とサナギになり、すでに成虫になって待機しているのもおります。スマトラ、セレベス、ダイオウはすべて同じような状態でサナギになっています。パラワン、アルキは孵化がやや遅かったので、まだ餌を食っています。)
したがって、通年25度で温度管理すれば、確かに日本の季節は関係がないのですが、冬場は外気温に対し20度以上高くキープするのが大変なので、日本の気候に合わせて(要するにニホンオオクワガタと同じスケジュール)飼育するのが楽であり、実際そのようにしている人がほとんどだと思います。昆虫飼育用の恒温炉(「冷やし虫家」)でも、外気温との差を10度~15度以内しか保証していないと思います。
私が、サンプルとして書き出した成長予想も、日本の気候にそって、それを多少演出した飼育方法(初冬までは23度くらいでエサを食わせ、冬の演出は18度くらいで1ヶ月間、その後26度~28度で春・夏を演出して蛹化させる)に準じたものです。
夏の終わりに産みつけられた卵の場合は、その成長様式に二つのタイプがあります。
どちらも、日本気候式飼育だと成虫になるまでに約2年かかります。
*インドネシア現地気候飼育(通年25度一定)だと、いつ産まれても、メスは半年、オスは10ヶ月程度で成虫となります。
「2年1化型」=幼虫で2回冬を越し、春または初夏に羽化し、羽化した年の夏に活動を開始する。
「2年1越型」=1回幼虫で冬を越し、晩夏または秋に羽化し(早い目に羽化するということです)、そのまま蛹室内で越冬し、翌年の夏から活動を開始する(成虫で2回目の冬を越すということです)。
いずれにせよ、表面に出て成虫としての活動をするまでには二年かかり、見かけ上は、どちらも同じタイミングで表面にでてきますが、2年1化タイプのほうが大型の成虫がでます。
(2)どのような点が菌糸ビンの方が手軽なのでしょうか?
菌糸ビンなら、昆虫ショップで買ってきて、スプーンで穴を掘るだけで投入できます。
発酵マットの場合は、水を加えて混ぜ合わせ、別途に用意した器に詰め込まなければなりません。その手間のことです。しかし、菌糸ブロックからビンに詰めるところから始めるのであれば、まだ、発酵マットを詰めるほうが楽です。
もちろん、自分でオガに添加剤を加えて発酵させるというのなら、これ以上に手間の掛かることはないと思います。私は自分で発酵マットを作ったことはありません。市販のものを買ってきて色々試しているだけです。ただ、虫が好きなので素人の範囲で研究し、経験をもとにお答えしているだけです。他の人の回答も参考にしてください。
さて、5リットルの容器に4リットルのマットを固く詰め込んで、成虫になるまで放置するのならこれが一番楽です。容器の保管に場所をとるのと、一時金が必要なのが欠点です。途中で体重を量る楽しみもありません。しかし、容器が大きいので、幼虫はほぼDNA限界まで育ちます。
菌糸だと4リットル詰めは技術的にも難しいと思います。経験に基づく私の考えですが、発酵マット飼育最大のメリットはコストではなく、容器サイズに制約がないところだと思っています。どちみち大型成虫なら1頭あたり4~5リットルの餌は必要です。
マットのグレードとしては、10リットル700円以上のものでないと大きくなりません。
(もちろんカブト幼虫用ではダメです。)私は、サンコウの「育成クヌギマット」を使っています。粒子のサイズも良く、坑道もくずれにくく、蛹室もしっかり作れ観察しやすいです。添加されている栄養剤が良いのだろうと思っています。色々試しましたが、一般に微粒子のマットは容器の壁に粉がへばりついて観察しにくいです。
(3)初令の段階で菌糸ビンに入れても大丈夫なのでしょうか?
これには2説がありまして、マットでニ令まで大きくしてから菌糸ビンに入れるほうが死亡率が低いので良い、という説と、最初から栄養価の高い菌糸を食わせるほうが少しでも大きくなる、という説です。どちらも一理あります。菌糸ビンの場合は、栄養価は高いものの、菌糸の増殖の勢いが強すぎると、酸欠や、幼虫が菌糸に巻かれて動けなる危険があります。
しかし、オオクワガタなら菌糸を早く食わせるのも理屈が通りますが、ヒラタの場合は、どちらでも成長がほぼ同じなので、生存率が少しでも高いほう(プリンカップ詰めのマットで二令まで育てる、期間としては孵化後30~35日間)を選択するほうが良いと思います。
もちろん、二令になっても引き続きマット飼育でもよい。
この回答への補足
ありがとうございます。
何度も大変申し訳ありませんが、再度質問です。
1、「晩夏または秋に羽化し、翌年の夏までは蛹室ですごす」とのことですが、約半年間エサを全く食べなくても平気ということでいいでしょうか?
2、発酵マットに加える水は水道水で大丈夫ですか?
3、添付していただいたビンの写真ですが、蓋が金属のようですが空気穴はドリルで小さな穴を空けているのでしょうか。(コバエが入らないでしようか?)また重ねても下のビンは空気が入るのですか?
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