No.4ベストアンサー
- 回答日時:
鋭い着眼点だと思います。
おっしゃる通り、参考文献なしで小説を書くことの方が少ないはずなのに、多くの小説には参考文献の記載がありません。これは、(日本に限らず)昔からの慣習でそうなっているらしいです。
まだ著作権がやかましく言われなかった時代から、西洋で知識人が著した(小説ではない)浩瀚な書物は、おびただしい参考文献のリストを誇らしげに載せていたようです。読者のほうも、本文もそこそこにリストを眺めて、「こんなにたくさん難しい本を読みこなした上で、この本を著したのだ……」と感心したりしました。リストが載ってないと、「参考文献なしの本なんて、獄中でも書けるじゃないか」と言う人もいたとか。
しかし、当時から小説は、ほとんど参考文献を記載しなかったようです。その後、時代が変わって「引用と剽窃の違い」や著作権がうるさく言われるようになったのに、小説においては昔の慣習を引きずっている模様です。
この矛盾が火を吹いたのが、たとえば立松和平(1947-2010年)の『光の雨』ではないでしょうか。あれは盗作として、立松が極悪人のように言われています。しかし、小説に種本が存在して、そこからごっそり頂いて(ぱくって)いることは、しばしばあったようです。小説が小説を剽窃するのは、さすがに恥ずかしくて禁忌としても、ノンフィクションからなら(ジャンルが違うから?)頂いてもいいだろうという意識があったみたいです。そう言えば、『光の雨』が盗作した『あさま山荘1972』(坂口弘著)も、事件当事者によるノンフィクションでした。
ぱくられた側にしてみれば、タダでぱくられた上に参考文献にも記してもらえず、怒り心頭でしょう。しかし、小説の文章において「引用の要件」(たとえばhttp://withd.jp/news/2792.html)なんか守っていたら、小説になるかなあという感じもします。そのせいもあって、「昔の慣習を引きずっている」のかも知れません。芸術家とは、悪魔に魂を売り渡した怪物なのか……。いずれにせよ、『光の雨』はぱくり過ぎだったらしいですが。
村上龍の小説は、巻末に参考文献(ウェブも含む)の長大なリストが載ってるものもあります。注目すべき現代作家の取り組みですね。
ありがとうございます。
立松和平さんの小説の件は知りませんでした。
村上龍さんはどのような考えから参考文献を載せるようになったのでしょうね。
No.3
- 回答日時:
歴史小説には参考文献が巻末についている場合がありますが、ないものも多いです。
それ以外のジャンルの小説に参考文献がつけられていることは稀だと思います。中島らもさんの例はきわめて珍しいと思います。この例がそうだというわけではもちろんありませんが、参考文献をつけるのは、その著作の権威付けにする場合があって、専門書や学術研究書には必須だと思いますがなかなか面倒な作業であり、義務でなければ省略するのが世の常です。小説などの創作文にはむしろ余計な場合が多いのではないかと思います。私は、小説の中には、この資料がなかったら書けなかったというようなものも結構あるのではないかと思っています。その場合には、その資料に対して著書の中で何らかのクレジットを与えるべきではと思うのですが。
No.2
- 回答日時:
>私小説をのぞけば、参考文献なしで小説を書くことの方が少ないと思うのですが、
私小説でも参考文献をつけたものなんて見たことありません。
参考文献をつけるというのは論文において論拠を明示する手段であって、妄想や夢想や独善の比率の高い小説という文学手法において、参考文献をつけなければならないと考えるとすべての新奇なもの(novels)がしぼんでしまいます。
小説に参考文献をつけるのは従って物的証拠や根拠があるというアピールのポーズであって、そんな参考文献をみるというのはむしろ野暮というものです。
日本文学史上最大の奇書といわれる高橋源一郎の「日本文学盛衰史」は要するに明治以降の日本文学のパロディですが、各章のタイトルが「されどわれらが日々」のように既存の小説の題名またはそのパクリになっていますが、柴田翔の元の小説を「日本文学盛衰史」を読んだから読んでみようなんていうのも私見では野暮です。
この回答への補足
私の表現があいまいだったようなので補足します。「私小説をのぞけば、参考文献なしで小説を書くことの方が少ないと思うの」と書いたのは、ほとんどの小説は執筆する際に何らかの資料を参考にして書いていると思われるが、私小説は自分の体験を書いたものだから他の資料を使わないということもありうるというという意味です。
補足日時:2010/04/20 12:44私は、小説の中には、この資料がなかったら書けなかったというようなものも結構あるのではないかと思っています。その場合には、その資料に対して著書の中で何らかのクレジットを与えるべきではと思うのですが。
お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!
このQ&Aを見た人はこんなQ&Aも見ています
-
映画のエンドロール観る派?観ない派?
映画が終わった後、すぐに席を立って帰る方もちらほら見かけます。皆さんはエンドロールの最後まで観ていきますか?
-
フォロワー20万人のアカウントであなたのあるあるを披露してみませんか?
あなたが普段思っている「これまだ誰も言ってなかったけど共感されるだろうな」というあるあるを教えてください
-
映画のエンドロール観る派?観ない派?
映画が終わった後、すぐに席を立って帰る方もちらほら見かけます。皆さんはエンドロールの最後まで観ていきますか?
-
海外旅行から帰ってきたら、まず何を食べる?
帰国して1番食べたくなるもの、食べたくなるだろうなと思うもの、皆さんはありますか?
-
天使と悪魔選手権
悪魔がこんなささやきをしていたら、天使のあなたはなんと言って止めますか?
-
小説を書く上で参考にしている参考図書や文献
文学・小説
-
一般向けの書籍に参考文献を明記しない理由は?
その他(教育・科学・学問)
-
レポートの字数に参考文献は含む?
大学・短大
-
-
4
別々の小説をそれぞれ複数の新人賞に応募する場合
文学
おすすめ情報
- ・漫画をレンタルでお得に読める!
- ・人生のプチ美学を教えてください!!
- ・10秒目をつむったら…
- ・あなたの習慣について教えてください!!
- ・牛、豚、鶏、どれか一つ食べられなくなるとしたら?
- ・【大喜利】【投稿~9/18】 おとぎ話『桃太郎』の知られざるエピソード
- ・街中で見かけて「グッときた人」の思い出
- ・「一気に最後まで読んだ」本、教えて下さい!
- ・幼稚園時代「何組」でしたか?
- ・激凹みから立ち直る方法
- ・1つだけ過去を変えられるとしたら?
- ・【あるあるbot連動企画】あるあるbotに投稿したけど採用されなかったあるある募集
- ・【あるあるbot連動企画】フォロワー20万人のアカウントであなたのあるあるを披露してみませんか?
- ・映画のエンドロール観る派?観ない派?
- ・海外旅行から帰ってきたら、まず何を食べる?
- ・誕生日にもらった意外なもの
- ・天使と悪魔選手権
- ・ちょっと先の未来クイズ第2問
- ・【大喜利】【投稿~9/7】 ロボットの住む世界で流行ってる罰ゲームとは?
- ・推しミネラルウォーターはありますか?
- ・都道府県穴埋めゲーム
- ・この人頭いいなと思ったエピソード
- ・準・究極の選択
このQ&Aを見た人がよく見るQ&A
デイリーランキングこのカテゴリの人気デイリーQ&Aランキング
-
妖艶で魅力的な女性が描かれて...
-
文学(小説)と音楽の関係を探り...
-
世界最古の小説
-
「野火」で、何故、主人公は最...
-
小説などからテーマを読み取る...
-
華族を描いた小説
-
全文模写をする上で模範となる本
-
渡辺淳一さんの小説は何がすご...
-
掌編集とはどういう意味ですか?
-
村上春樹「ねじまき鳥クロニク...
-
文書きの上達
-
夏目漱石の小説のタイトル
-
「章」の名前について知りたい...
-
日本の三大奇書について
-
「落とし戸」について教えてく...
-
芥川龍之介と恋愛小説
-
ドン・キホーテが現代文学の走...
-
句点[ 。]の使い方について、...
-
堺市を舞台にした小説
-
外国の長編小説は、なぜ序盤が...
マンスリーランキングこのカテゴリの人気マンスリーQ&Aランキング
-
小説の参考文献
-
華族を描いた小説
-
世界最古の小説
-
小説「塩狩峠」の事故の状況を...
-
「待つ」ことをテーマにした文...
-
小説に出てくる学校名やコンク...
-
松本清張は、文化勲章を断った...
-
中村春雨『無花果』の結末(三...
-
妖艶で魅力的な女性が描かれて...
-
二葉亭四迷『浮雲』について
-
小説家が登場する小説を探して...
-
掌編集とはどういう意味ですか?
-
「章」の名前について知りたい...
-
「死の棘」という言葉はどこから?
-
小説などからテーマを読み取る...
-
檀一雄の小説に出てきた単語に...
-
文学(小説)と音楽の関係を探り...
-
夏目漱石の小説のタイトル
-
ドン・キホーテが現代文学の走...
-
小説の行空け
おすすめ情報