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なぜ「屠る」は「ほうる」と読まないの?
古語辞典で「屠る」を引くと「ほふる」と載っています。
歴史的仮名遣だと「法力」や「頬」は「ほふりき」「ほほ」と書きますが、現代かなづかいだとそれぞれ「ほうりき」「ほお」(ほほとも読むけどこっちが普通)。
でも「屠る」は「ほうる」とは読みませんよね。
何で?変じゃないですか?例外なのですか?もし例外だとしたら、こういう事例は他にもありますか?
「これは言語の使用上生じる慣習だから、whyではなくhowで考えるように」という事であれば、何故このような言語現象が生じる要因、理論、あるいはそういったものを紹介している著作を紹介していただけないでしょうか?

A 回答 (2件)

現代語の辞典には、下記のように「ほふる」と「はふる」の両方が書いてあります。



 http://kotobank.jp/word/%E5%B1%A0%E3%82%8B

 もともとこれは『古事記』には「波布理き」などとありますから「は」ではじまるラ行4段の動詞です。ですから8世紀またはそれ以前の語幹の発音は[papur]であったと思われます。

 これは「はふる」となり(ここで冷凍すると「歴史的仮名遣い」になります)、平安時代のハ行転呼音で「ハウル」、ここでさらに発音は「ホウル]になり、質問者さんは正しいです。

 ここで『日本国語大辞典』の「はふる(屠)」の項を見ると、「はふる(放・抛)」の補注を見よ、とあります。その最後に「ほうる(放)」のなまり」とあります。

 まとめますと、「ホール」が正当の変化を経た発音、「はふる」は歴史的仮名遣い、「ほふる」は、歴史的仮名遣いに影響を受けたなまり、です。

 質問1。「こういう事例は他にもありますか? 」

あります。「綴り字発音]と言って外国語の場合が下記のように取りざたされますが、ここでご覧になったように日本語にもあります。

 http://c-faculty.chuo-u.ac.jp/~rhotta/course/200 …

 質問2。「何故このような言語現象が生じる要因、理論、あるいはそういったものを紹介している著作を紹介していただけないでしょうか?」

 原因は、言葉は時間とともに、変りますが、表記法はそう変わりません。歴史的仮名遣いから現代仮名遣いまで少なくとも600年、変わりませんでした。この話し言葉と書き言葉の食い違いが原因です。

 英語の often でも、ことばはどんどん変わって t を発音しなくなったので「オッフン」のようになりましたが、「いや待てよ、 t があるから発音するのが正しい」と「オフトゥン」のような発音が出て来ました。

 ちょうど「ホール]と発音が変わったのに「はふる」とか「ほふる」とか書くのと同じです。母は「はは」から「ハワ」に変わり近世まで続きましたが、「ハハ」と再確立したのは、文字に左右されたからです。17世紀初めの『日葡辞書』(下記参照)には、Faua と書いてあります。謡曲では「ハワ」と発音するのはご存知の通りです。

http://www.weblio.jp/content/%E6%97%A5%E8%91%A1% …
 
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この回答へのお礼

お返事遅くなって申し訳ありません。
これぞまさしく私が求めていた回答でございます。
大変納得、満足です。感謝、感謝でございます!!
ありがとう!ありがとう!

お礼日時:2010/10/20 16:07

素人考えですが…



「屠る」という単語、現代では文章では見かけますが、会話で使うことはありますか?
私はしゃべった覚えも耳で聴いた覚えもありません。会話では普通は「殺す」を使うのではないでしょうか?

会話で使うことがないし、また文章を読むのも最近は黙読が普通ですから、「屠る」は発音される機会が少なく、その結果まだ音韻変化を起こしていないのではないでしょうか。
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