
今池上あきらを見ているのですが、核燃料棒の寿命は3年らしいです。
なぜでしょうか?
原理的には、強く濃縮すればもっと長持ちするはずです。
実際米原子力艦はもっと長期間(20年くらい?)使われてます。
おそらく3年とは、原発の点検サイクルをもとに作られた期間ですよね。
一番単純に思い浮かぶのはコストですが、たとえば3年使える程度の濃度の核燃料棒と6年使える程度(長期点検による中間もはさむ)の核燃料棒だと、コストが倍以上かかるということでしょうか?
処理コストは一本あたり一緒でしょうか?
それとも他の理由でしょうか?
たとえば核保有国以外は10%以上の濃縮ウランの製造売買を禁じるとかそういった国際ルールでもあるのでしょうか?
諸外国(一般的な軽水炉の場合)はどうでしょうか?

No.1ベストアンサー
- 回答日時:
新品の燃料と、3年近く使っている燃料では当然発熱量が違います。
ベースロード発電を担う原子力発電は基本的に一定出力で運転するので、出力を一定に保つためには何らかの操作が必要です。現在はほぼ1年おきに定期検査があり、このときに燃料交換も行っています。一度の燃料交換で全体の1/3を入れ替え、新しい燃料は3年(3サイクル)使うことになります。ただ単に一番古い燃料を抜いてそこに新品を入れるのではなく、毎回計算して位置を入れ替え、出力分布になるべくばらつきが少ないようにしています。それでも1サイクルの中でみると始めと終わりでは当然ウランの量が変わります。そのため、最初は冷却水中のホウ酸濃度を高めにして核分裂を抑え気味にし、ウランが消費されるに従ってホウ酸濃度を薄めていって一定の出力を維持しています。
アメリカやフランスでは1サイクルを1年ではなく最大2年まで延長して停止期間を短くして稼働率を稼いでいます。日本でも規制が緩和されて18ヶ月まで延長できるようになりました。その場合、ウランの濃縮度は高めにします。
1つの燃料を3サイクル使うというのは変わりませんが、これはそういう設計だからです。軍用艦の原子力機関のように数十年も交換なしで運転できるものは、設計も濃縮度も全く別だと思われます。(詳細は軍事機密です)一定出力の維持や使用済み燃料の取り扱いなどを考えると、3サイクル使うくらいが商用炉としては最もコストパフォーマンスが高いのでしょう。
ちなみに、核物質の取り扱いに関する国際ルールでは濃縮度が20%を超えると高濃縮ウランとされ、取引が厳しく制限されます。
この回答への補足
ほほう20%からが高濃縮ですか、勉強になります。
あと少し疑問に思ったのですが、長期使用がジルコニウム合金の強度に問題をもたらすということはないですかね?
ご回答ありがとうございました。
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