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当方、「旅情派の鉄ちゃん」で技術的なところはまったく無知なので、こんな愚問をお許し下さい。

昔ながらの「ひし形」パンタグラフは、電車や機関車が前後どちらに動いても、がっちり安定して見た目安心できます。

しかし、最近の「Z型パンタグラフ」は、こんな心配をしてしまいます。
たとえ話として、いま「Z型パンタグラフ」を載せた電車や機関車を、横から見ているとします。

パンタグラフの関節部が「>」のイメージになっているとき、上部にある架線に接触して動くわけですから、車両が左から右に動いているときは摺り板が、架線の左向きの動きに引っ張られて、(私の勝手な精神衛生上は)安定しているように思うのです。

ところが反対に、この例で車両が右から左に動いているときは、架線に引っ張られてパンタグラフの関節が開いてしまう(笑)ような気がしてなりません。

先日、私の最寄駅で「EF200」機関車が「>」と「<」の向きの関節を左右に勇ましく振りかざし、なんなく通過していきましたが、いつも、うーむと唸る私です。

「そんなこと心配しなくていいんだ」と技術オンチが納得できるご回答を期待しております。

A 回答 (7件)

 くの字形をしているパンタグラフに「Z型パンタグラフ」というのがありますが、最近よく見るのは「シングルアームパンタグラフ」と称されるもので、横から見るよりも、進行方向の正面から見れば一目瞭然に区別できます。

シングルアームの方は文字通りアーム枠が上下それぞれ一本で構成されています。

 このシングルアームパンタグラフの場合、くの字の屋根取付部がピンの1点支持ですとすぐにひっくり返えることになりますが、部材の構成を詳しく見ますと、くの字の上枠と下枠と、下枠に沿って補助アーム(釣り合い棒)があります。これが屋根上の台枠にピン接合されており、台枠・下枠・補助アーム・上枠の延長部の4部材で平行リンク機構が構成されています。下枠の角度と上枠の角度は連動されており、従来の菱形(正確には台枠を含む5角形)と同じような機構により安定した作動を行っているのです。
パンタグラフの語源は相似形を描く製図用具からだと言われていますが、シングルアームの方が現在のドラフター(製図器)に似ているようにも思えます。

 また、くの字形で走行方向が異なった場合に風力による揚力に違いが生じてきます。一般的に揚力値は約0.1kgの差異があるとされています。また風速180km/hのときに1kgの差異があったとの実験値もあります。
パンタ舟体の揚力はバネにより約5kgに設定されており、あまり大きくなるとトロリー線や舟体への影響があり、小さいと離線の問題が出てきます。低速で走る分には問題ありませんが、高速で走る場合揚力を同じようにするため例えば補助アームの長さ調整機構を付けるなどしてして対処しているようです。
 これとは別に、新幹線などで走行中の空力抵抗による揚力変動を押えるため、また走行中に発生する空力音レベルを低下させるために、下枠を中空構造にしてその中に補助アームを入れたものが使われています。また下枠を短くし防風カバーの中に隠れるようにしたものもあります。外見からは上枠と下枠、あるいは上枠しか見えませんが、機構的にはほぼ同じようなものなのです。

ということで、我々はあまり心配することはないようです。
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この回答へのお礼

詳しいご解説ありがとうございました。

シングルアームに見えても、細かくは五角形になっているんですね。
それだと、ひっくりかえらないことは理解できました。

けれど..感覚的には? というのは残りますが...

お礼日時:2011/05/05 21:39

そんなこと心配しなくていいんだよ。


たぶん大丈夫!
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一本に見えますが実際には2本になっています。


機構的には平行四辺形を上下に2つ重ねた形になっているのでどちらに動いても安定しています。
「Z型パンタグラフの勝手な心配」の回答画像6
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この回答へのお礼

貴重なお写真ありがとうございます!
よくわかりました!

それから、いまさらですがお詫びを...

先に丁寧にご解説頂いた方に「ベストアンサー20ポイント」としましたが、TooManyBugs
さまにも「10ポイント」差し上げたかったのですが、操作を間違えてこの回答が締められてしまいました。
ごめんなさい。

お礼日時:2011/05/05 21:35

同じ重量で作った場合、菱形パンタグラフよりシングルアームの方が軽くて剛性が高くなります。

また菱形パンタグラフは集電舟の前後にジョイントを持っているので、上昇力の不均等が発生した場合、異常屈折を起こす可能性があります。
シングルアームは一般にストロークを長めにとって屈折角を大きくしないような運用をしますから、進行方向(アームのある側をなびき方向、逆を反なびき方向と言います)によって大きく特性が異なることはありません。

なお、後期に使われていた下枠交差型パンタグラフは座屈にはつよいのですが、重量的にシングルアームに勝てないので現在はほとんど採用例がありません。

新幹線500系が短編成になる際にT型パンタグラフからシングルアームに換装されたのも同様な理由です。
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>「そんなこと心配しなくていいんだ」と技術オンチが納得できるご回答を期待しております。



要するに、集電板(シュー)が後ろから押されて進むより、前から引っ張られて進む方が、安心感があると言う事ですよね。(同感)

実は、集電板が直接トロリー線(架線は吊架線とトロリー線、吊り金具を含む全体を言います)に接している訳では有りません。接しているのは、集電板に貼られたカーボン板で、滑りが良いので、抵抗でアームの関節が開く心配はありません。
カーボン板はトロリー線(銅線)より柔らかいので、自らが磨耗し、トロリー線の消耗を防ぎます。
一定の箇所が接していると、摩擦熱が発生するので、架線は、ジグザク状に張ってあり、カーボン板万遍に接するよう工夫が施されています。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。

確かに自ら磨耗しているのですね。
跨線橋からその下をくぐる電車の屋根を見たことがあり、集電板の広い範囲で色が変わっていました。

理論的でない「安心感」にご(同感)下さり、ありがとうございます。

お礼日時:2011/05/05 21:43

正確にはシングルアームパンタグラフですね。


Zパンタと言えば、昔の江ノ電みたいなものです。

シングルアームは、ヨーロッパではかなり以前から存在し実績があります。
本当は、シングルアームの方が、架線に対して集電板の追随性が良く離線しにくいので高速列車には適しているのです。
ひし形のパンタはアームの両端で舟板を留めているので、列車が高速になればなるほど揺れやカーブなどの傾き・風切りのアーム振動などで、架線に対する追随が悪くなり離線率が高くなります。
特に回生ブレーキで架線への追随が悪いと、ブレーキの利きが悪くなります。

また、シングルアームは、追随性が良いので、電車では車輌間に高圧ケーブルを引き通す事で、1列車あたりのパンタグラフを減らす事が出来、保守面でも有利になります。
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機関車(せいぜい110キロまで)の速度ぐらいではぜんぜん平気でしょう。



山陽新幹線区間を300キロで爆進する『のぞみ』に使われているパンタもシングルアームです。
あの速度で大丈夫なんですからね。
動画:

でも、感覚として“見た目が不安定”なのはわかる気がします。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。

> でも、感覚として“見た目が不安定”なのはわかる気がします。
この理論的でない感覚をご支持頂き、ありがとうございました。

お礼日時:2011/05/05 21:45

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