色々と聞きたいことがあるのですが、
大分長くなってしまったので十戒のうち、
出家したら+される5戒についてお聞きします。
出家した場合に十戒が義務づけられます。
整髪料を使うなとか、映画鑑賞をするなとか、
間食をするなとかがあります。
蓄財以外の戒律が仏への帰依とどう関係するのか分かりません。
間食も整髪も全然関係ないような気がしています。
僧侶はこうあるべきであるという見本を示しただけで、
いわゆる後付された世間体というものの気がしています。
間食をしても、映画鑑賞しても良いのではないでしょうか。
間食しないでお腹を減らしたら、煩悩にならないのでしょうか。
ご意見をお待ちしています。
No.9ベストアンサー
- 回答日時:
混乱の大きな原因のひとつは、対象とする戒が定まっていないからです。
いま現在「仏教の十戒」といえば、ふつうは大乗仏教のものを指します。ところが、問題とされている整髪料や映画の禁止、といったものは、大乗仏教の十戒にはありません。これは恐らく、昔のインドの時代に出家者が正式の比丘になる前に保っていた規則、いわゆる「沙弥の十学処」を、現代風に翻訳したもののように思えます。
質問者はどこでこの十戒を知ったのでしょうか。どこの教団がいま現在このような戒を要求しているのでしょうか。何ゆえこのような不思議な翻訳がなされているのでしょうか。
まずこういった点をきっちりと押さえておかないと、質問も成り立たないし、まともな回答もできるはずはありません。
整理のために、以下、一応のことを書いておきます。
昔のインドの戒は、3段階式です。在家の信者は五戒を受ける一方で、正式な比丘はいわゆる二百五十戒などという具足戒を守ります。その中間、つまり出家したててまだ正式な比丘でないものに課されるのが、十戒というものです。この場合には、確かに在家の五戒にプラスしてさらに五戒が加わります。
ただ、増えるその五戒の中身ですが、質問のものはちょっと奇妙です。増える五戒は、本来ならこんな内容のはずです。
6、食事は午前中だけ、午後は食事をとらない
7、歌舞音曲を楽しまない
8、装飾品を身につけない、化粧をしない
9、高いベッド・豪華なベッドに寝ない
10、金銀を受け取らない
質問の「間食をしない」というのは、上の6の翻案のつもりなのでしょう。確かに似ている気もしますが、「なぜこのような戒があるのか」と問うのなら、その違いは無視できません。
本来、出家者集団は一切の生産を自らに禁じていますから、托鉢以外に食事を手に入れる手段はありません。最低限のものを人びとからもらって、貯めることなしにその日その日を過ごすのが生活の基本的態度です。この原則から、「朝托鉢したものを午前中に食べきり、午後は何も食べない」、という戒が生まれたわけです。在家信者に対しても、定期的にこの戒の実践が勧められましたから、恐らく修養としての軽い絶食の意味合いもあったでしょう。
この戒は非時食戒といいます。「非時」とはヴィカーラといって要するに午後のことで、文字通り「午後には何も食べない」という戒です。その背景は、「間食を禁じる」のとはかなり違うように思えます。ご質問の戒は、この「非時食」という言葉を「定時以外の食事」と勝手に読み変えている(ないしは間違えている)わけで、私としては少し胡散臭さを感じます(間食を禁じている戒がある、という前提の回答も同様ですが)。
インドでの十戒というのは、インド的な感覚と切り離して考えることはできません。当時のインドの人々が、「こういう行いをすることによって人は清浄になれる」と考えた、その具体的な中身が戒となってまとまっているわけです。逆に言えば、これらを守る出家者に人びとが「清浄さ」を感じたからこそ、人々は彼らに食べ物を施し、出家者は命をつなげたわけです。一度、法句経などに目を通してみて、原始教団が実践しようとした生活スタイルに触れてみるべきでしょう。
余談ですが、殺生について一言。
他の回答に殺生に触れたものがありますが、今問題にしている十戒の時代には、「不殺生」というのは「自ら殺さない、殺させない、殺す現場を見ない・・・」といったもので、必ずしも「食べること」を禁じていません。十戒の時代、比丘は托鉢だけで、つまり原則的には他人の残飯で生活しているわけですから、鉢に肉が入れられればそれを食したのは当然です。食べることまで禁じられるのは、ずっと後の大乗仏教になって、梵網経が十重四十八軽戒などを説くようになってからのことです(それでも「軽戒」でしたが)。
いずれにしても、質問の背景がわからないので、あまり立ち入って書くことはできません。もう少し情報があれば、もっと包括的で有意義な回答ができる、かもしれません。
十戒については、こちらでMokuzoさんに丁寧に教わりました。
http://oshiete.quick.co.jp/qa6975245.html
当時のインド人の価値観=世間体は納得しました。
十戒といえども確実な存在とはいえないようです。
しかし、多くの人に支えれて十戒が存在するのも事実です。
この事実が貴重なのではないかと思います。
それから質問の背景が分からないとの事、承知しました。
ただ、整理するとなると、ちょっとお時間がかかります。
どのような形で伝えられるか、次回の質問までに整理してみます。
No.10
- 回答日時:
古代インドの出家と
日本の出家は
全く異なるものです。
日本の出家は「坊主という職業に就く」くらいの意味で、
そこから考えれば、質問者様のように不合理・不条理な制約に思えるのは当然の事かと思います。
しかし、御釈迦様の時代、出家と言えば、解脱(安らかな死)を目指して俗世の全てを捨て去ることを意味していました。
御釈迦様のサンガは、当初は志高い出家ばかりでしたから、特にあれこれと言う必要もなかったのですが、サンガが大きくなるにつれて、志や才能に優れた者ばかりでもなくなっていきました。そこで、教育の一環として用いられたのが戒律(ヴィナヤ)です。
行動によって心をコントロールすることが目的なのです。
戒律に従った生活をして心を澄ませ(戒)、教えに従って苦を徹底考察し(定)、そして苦を滅ぼして解脱し(慧)、やがて安らかな死を迎えることを目指すものなのです。
間食が美味しくて、
歌舞音曲が楽しくて、
という人なら、
そもそも古代インド的な出家は必要ないので戒律の意味が無く、けれども日本的に出家して坊主業界に就職しようとすると、その意味の無い戒律を示されて不条理を感じる、といったところなのではないでしょうか。
ご回答有り難うございます。
日本の出家には特に不条理に思っていません。
何が不条理かといえば十戒についてです。
十戒も日本の出家も無知なるが故です。
ka28miさん、Mokuzoさんのご回答でその中身を知り、
neilさんのご回答で確認ができました。
日本式の僧侶にも十戒にも悪い面も良い面もあります。
つまり、無知な部分を多分に含んでいるということです。
私自身も無知が多すぎます。故にここで質問をしています。
本当にここは色々と知識を授けてくれる有り難い場所です。
ご回答にあるように十戒は教育の一環が事実でしょう。
しかし、十戒の実践が解脱の早道なのも事実なのでしょう。
No.8
- 回答日時:
No.1で回答した者です。
ご質問の趣旨から逸れてしまうのですが、質問者さまの意図は何なのでしょう?
私は、ご自分が出家も考えておられて、その予備段階としてのご質問かと思ったのですが、違うようですよね。
知識欲?それとも出家されている知人の方がいらっしゃって会話のための基礎知識取得?
どんな種類の物であれ、「ルール」が制定されるにあたっては、歴史的地理的要因や時代性、社会的な制約、などがあります。
そのうえで、根本の思想にのっとって制定されるものです。
たとえば、たいていの宗教で、「殺すなかれ」が最初に出てきますが、これは、それらの宗教が発生した時代には、そもそも基本的人権と言う考え方はなく、人の命が非常に軽いものであったためでしょう。
それが、「じゃあ人間でなければ殺しても構わないのか」となり不要な殺生を戒めることに繋がります。
一般に、僧侶が「お肉を食べない」というのは、求めて殺生はしないからだと聞きました。お布施でお肉を頂けば召し上がるのだそうです。確かに捨ててしまえば、その方が命を無駄にしています。
戒律について、詳しく知りたい、疑問を解きたいと思われるなら、つまみ食い的に部分への回答を求めるのではなく、書籍を読むとか、お寺で行われる講話を聞くとか、きちんと勉強されることをお勧めします。そのうえで、不明な部分について、他の人の解釈を求めるのであれば、こういった場は非常に役立つと思います。
物事は単体で存在するのではなく、理由と結果が絡み合っています。数千文字で、すべてが書き切れる訳もないのは、質問者さまがご承知のとおりです。
ご質問から逸れた内容で申し訳ありません。
仏教でいうところの出家は現在考えておりません。
目的は真理の探究と言ったところです。
皆さん仰るように宗派の教義は形骸化しています。
しかし、煩悩に対する考え方、涅槃への至る道、
仏教もなかなか侮れないものがあります。
真理は宗教を越えて1つの筈です。
その中でも仏教が一番適切のようです。
私ごときでは何が真理なのかさえも理解できません。
そこでここで色々な形式で質問しています。
確かに仏法に関してはつまみ食いの部分が大きいです。
適切な書籍をご紹介下さるなら読んでみたいと思います。
No.7
- 回答日時:
>十戒の不邪淫がセックス自体を戒めているのです。
在家信者が全くセックスをしなくなれば、人類が滅びてしまうので、在家信者には結婚した相手(=固定的な一人の異性)とだけはセックスすることを認めています。不邪淫もそこそこで良いということです。私は、仏教徒ではないので分かりませんが、
仏教では、人類が永遠に存続しなければならないと
考えているのでしょうか。その根拠は何なのでしょうか。
六道輪廻を本気で信じているのなら、
人類が滅亡すれば、人界は消滅し
五道になるので、それはそれでいいように思いますが。
No.6
- 回答日時:
おはようございます。
食べ物を布施で得ているのですから、在家の立場になると贅沢はできないですし、涅槃に達するまで、1日数時間も遊んでいる時間もありませんし、頭に何かイメージが残っていると瞑想もしにくいこともあります。
No.5
- 回答日時:
柑橘系の香水だと蜂とかが寄ってきますし、
そもそも出家僧に華美な装いは不要と思います。
それに昔のインドの装飾品って、
動くたびにジャラジャラと音がしそうですし、
香水の匂いをプンプンさせながら坐禅冥想とかしてると、
他の人達の精神集中の邪魔になるんじゃないですか?
また、ふとした時に、つい歌を口づさんだり、
瞑想中に音楽のフレーズが頭の中でリフレインしたりで、
精神集中が困難になるという理由から、
釈迦世尊は音楽を嫌っていたそうです。
映画とかも似たような理由で禁止したんじゃないでしょうか。
間食?については失念しましたが、
確かちゃんとした理由があった筈です。
時代背景のご説明、有り難うございます。
瞑想の邪魔になるというのは
本質を突いていると思います。
現代では置き換えが必要かもしれませんね。
No.4
- 回答日時:
>肉食禁止と結婚の禁止も戒律にありません。
説明不足でした。仏教では、出家以前に在家信者にも不殺生を求めています。十戒の最初に出てくるのが不殺生です。
生き物をを殺さずに肉食はできません。自分の手で生き物を殺めることはなくても、肉食をするかぎり、誰かが仏教徒の食事のために殺生をすることになるので、肉食を禁じているのです。
出家坊主は十戒のすべてを守ることが求められています。
妻帯に関しては十戒の言葉尻を捉えると、「自分の女房とセックスして何が悪い?」とうそぶく坊主がいるのかもしれませんが、十戒の不邪淫がセックス自体を戒めているのです。在家信者が全くセックスをしなくなれば、人類が滅びてしまうので、在家信者には結婚した相手(=固定的な一人の異性)とだけはセックスすることを認めています。不邪淫もそこそこで良いということです。
ところが、出家坊主にはより厳しい戒が求めらます。
仏教の修行は煩悩や執着を断つためのものなので僧侶に対して女性との性的関係を一切認めていなかったのです。
質問者さんは十戒うちの五戒以外の部分に関して質問しているので、余計なお世話になってしまうかもしれませんが、僧侶が女犯を認めらているという認識は誤りです。
日本においては、明治政府が仏教に対して放任主義に転換した時代に「肉食妻帯勝手たるべし」とのおふれを出したのを良いことに、堕落した仏教教団が妻帯を黙認するようなっている現状がありますが、これはあくまで政治が仏教に関与しないというおふれであって、仏教の考えが変わったわけではありません。
現代日本の堕落仏教をもって本来の仏教を判断しないようにしたいものです。
ご回答まことに有り難うございます。
妻帯と肉食、飲酒について質問文を書いていたら、
やたらと長くなって、これでは回答してもらう立場として
申し訳ないと思っていたところです。
妻帯についての事情は分かりました。
肉食や飲酒についてはまだよく分からないところがあります。
いずれ整理して質問したいと思います。
No.3
- 回答日時:
出家というのは、悟りを得て仏陀となるためにサンガの一員となることですよね。
サンガを運営していくためには、ルールが必要になります。
それが、戒や律と呼ばれるものです。
簡単にいえば、校則のようなものです。
髪を染めては、いけない。制服着用、バイクの免許を取ってはいけない。等々
勉強しに学校に行っているんだ。そんな校則は何のためになるんだ。
そんなことを思う人は、そんな学校行かなきゃいいんですよ。
出家も同じです。
出家をするというのは、欲にまみれた俗世間から離れて仏陀を目指す修行をするというものです。
四諦八正道を実践するだけです。
何故、整髪料が必要ですか?坊主なのに。
映画鑑賞ですか。修行道場にそんなものはありません。
ちなみに、今の日本の仏教界に出家しているといえる坊主はいません。
勿論、十戒を守っている坊主もいません。
坊主の資格を取るために短期間出家修行のマネをしているだけです。
彼らは、仏陀になりたいのではなく生活の糧として坊主をやっているだけです。
そんな、仏教界に十戒なんて全く意味のないものだと思います。
これは手厳しいご指摘ですね。
日本の仏教界を批判する方は多くいらっしゃいます。
話を本題に戻しますが、戒律とは守るべきもの。
つまり仏や仏法への帰依に邪魔になるから、
やってはならないものだと思っています。
整髪料云々に関してはka28miさんのご回答が
非常に的を得ていると思いますが、
絶対的な理由がある筈だと思いました。
その理由は俗世間から離れてではダメなのです。
釈迦も苦行には意味がないと言っています。
然るに整髪料ごときがなぜ十戒にならねばならないのか。
拙者ごときが偉そうに語って済みません。
これも質問をした者の特権だと思っています。
ご回答には感謝致します。有り難うございました。
No.2
- 回答日時:
>僧侶はこうあるべきであるという見本を示しただけで、
戒はそもそも「僧侶はこうあるべきであるという見本を示す」ものです。
>いわゆる後付された世間体というものの気がしています。
なぜ、戒が世間体と思われるのでしょうか?
肉食の禁止でも、何を食しているかは世間に知れるものではないので、世間体から考えられたものではありません。
一日に三度も食事をしておれば、空腹に悩まされることはありません。
三度の食事に加えて間食するのは、単に悦楽の欲求を満たすだめであって、生存の欲求ではありません。
配偶者との定期的なセックスに加えて、別の異性と追加のセックスを楽しむようなもんでしょ。
Mokuzoさん、いつもお世話になります。
肉食禁止と結婚の禁止も戒律にありません。
尤も生き物をむやみに殺すなとはあります。
実はこの辺も質問に加えていたのですが、
質問が長くなってしまったので省略しました。
そちらは別の機会にお願いします。
No.1
- 回答日時:
自宅は浄土宗、自分自身は趣味で書籍を読むものの、信仰心はないというレベルです。
映画がで一般的になったのなんて、歴史的に見れば、つい最近になってからですよね。
つまり、もともとの戒律であったはずがないということです。
宗派によっても違いますから、ご不満ならば、質問者さまの宗派で理由といつ造られたものなのかを確認されれば良いと思います。
個人的な感想では、
「整髪料を使うな」は「外見を飾ることに気を取られるな」、「映画鑑賞をするな」は「修行中は自分の楽しみを捨てて修行に専念せよ」、「間食をするな」は「むさぼるのではなく、一回一回の食事を感謝して頂こう」ということではないかと思います。
>間食しないでお腹を減らしたら、煩悩にならないのでしょうか。
煩悩に打ち勝つために修行をするのですよね?
出家などせずとも、仕事が忙しければ「寝食を忘れる」はありますよ。
私は「昼食抜き」が続いたことも、平均睡眠時間が3時間足らずが続いたこともあります。本当に忙しく打ち込んでいることがあれば、食事をまともに取れないこと、睡眠時間が少ないことに、「煩悩」と呼ぶほど捕らわれたりしません。
健康上、問題だらけですので、お勧めはできませんけれどね。
失礼ながら、間食ができない程度で煩悩になるようなら、出家などしない方が良いと思います。
ご回答有り難うございます。
そのようなお答えを期待していました。
以前にmokuzoさんから十戒を教えてもらった時に
こんなのが戒律になるのかと思っていた次第です。
時代性を考慮したら在家の五戒も疑問なのですが、
質問だらけになってしまったので上記に絞りました。
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