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大規模集団戦闘において、一般的に包囲側が被包囲側に対して有利であるとされていますよね?
その理由の一つとして包囲側が被包囲側よりも数の上で優勢に戦えるという話をよく聞くのですが
小規模な戦闘においてはともかく、数千人規模の戦いにおいては戦線の長さは双方等しくなり、
数の優勢を得ることはできないのではないかと疑問に思うのですが、実際のところどうなのでしょうか?

有名なカンネーの戦いでも、ローマ側の陣形にもう少し空間に余裕があれば、
記録されているように一方的な結果にはならなかったのではないかと思うのですが。
あとはカンネーの戦い以外で包囲によって戦闘を有利に進めることができた例はあるのでしょうか?

A 回答 (12件中11~12件)

>小規模な戦闘においてはともかく、数千人規模の戦いにおいては戦線の長さは双方等しくなり、


数の優勢を得ることはできないのではないかと疑問に思うのですが、実際のところどうなのでしょうか?

 数の優位の数とは総兵力ではなくて、一度の戦闘で実際に投入される戦力のことです。

 包囲側の数的優位を単純化して考えてみましょう。

 ◎(単純な二重丸)を考えてください。内側の丸が被包囲側、外側の丸が包囲側です。
 非包囲側は内側の円周に沿って戦力を配置し、包囲側は外側の円周に沿って戦力を配置します。つまり、この円周の長さが実際に敵に向けることの出来る戦力の正面です。
 内側の丸の円周と外側の円周では必ず外側の円周の方が大きくなります。つまり、被包囲側は絶対に包囲側よりも戦力正面を大きく取れません。したがって、包囲側は必ず被包囲側よりもより高い戦闘正面を確保でき、単位戦力あたりの攻撃力が等しいと仮定すれば、包囲側が被包囲側よりも高い攻撃力を発揮することになります。

 両者が激突する時は外側の円周と内側の円周は等しくなるから無関係と思われるかもしれません。
 内側の戦力が外側の戦力に向かって突撃するということは、内側の円周が大きくなることを意味します。攻撃開始時点で円周上に配置できる戦力は同じですから、円周が広がると言う事は被包囲側の戦力同士の間に隙間が生じることになります。
 この隙間を放置すれば、それぞれ分断された小戦力と包囲側の戦力との間で更に包囲が形成されてしまうので、局地的な戦力差はさらに広がることになります。
 また、その隙間を埋めるために後方から増援を繰り出して見ましょう。今度は敵と接触する直前まで複雑な陣形運動を繰り返す必要が出てきます。これが戦場ではどれだけ困難で危険なことかは、戦史を学んだことのある人ならば簡単に理解できると思います。

 これは数千人規模だろうが数万人規模だろうが同じです。
 もちろん、数千人規模よりは数万人規模の方が包囲側の数的優位は薄くなっていくことは事実です。戦闘前の二重丸の直径の差は開いてもせいぜい数百メートル、狭ければ数十メートルですから、両軍の総兵力の規模(円の直径)が大きくなれば正面戦力の差(円周長の差)は小さくなります。
 しかし、この規模が大きくなってくると今度は正面戦力という戦術的要素のみならず、補給・兵站や通信といった戦略的要素が大きくなってくるので、別の理由から包囲側の優位が出てきます。

 あとはランチェスターの法則でも学んでください。


>あとはカンネーの戦い以外で包囲によって戦闘を有利に進めることができた例はあるのでしょうか?

 軍は基本的に敵を包囲殲滅することを目的に野戦機動や陣形運動をします。
 互いにそれをさせまいとして、敵が後方に回り込まないように最大限に考慮した結果が第1次大戦のバカみたいに長くなった塹壕陣地です。
 その後、このバカバカしい状態に陥ってはならないという教訓から、敵よりも常に早く動き、敵の弱い部分を突破して敵の後方へ回りこむ運動戦が重要視されるようになり、浸透突破作戦や機甲部隊といったものが考案されるようになります。
 それが最大限に発揮された第2次大戦での東部戦線等を見れば、近現代における包囲戦の実際のモデルをいくらでもみつけることができるでしょう(第2次ハリコフ攻防戦、スターリングラード攻防戦等)。特にロシアは伝統的に包囲戦を好む傾向があり、日本軍もノモンハン事件では孤立した部隊を包囲殲滅させられています。

 古代の戦史からでもいくらでもあるのではないですか?
 古代マケドニア軍やローマ軍の基本的な陣形を見れば分かるように、敵主力を正面の重装備の歩兵部隊で抑えておいて、両翼(たまに片翼)に配置した騎馬や軽歩兵で敵を取り囲んで包囲殲滅することを理想としています。
 もっとも、包囲殲滅されることを恐れた被包囲側が、包囲される前に撤退し始めるケースがほとんどなので、野戦での包囲殲滅戦の成功モデルをと言われると古代ではカンネー以上のものは見つけられません。

 一応、包囲が成功、あるいは包囲し切れなかったけど包囲を試みる陣形運動が勝利をもたらした分かりやすい代表的戦例をいくつか挙げてみます。
・BC216年:カンネーの戦い(ご存知のとおり)
・BC204年:ファルサスの戦い(カエサル対ポンペイウス、騎兵を撃破されたポンペイウス軍がカエサル軍に包囲されそうになったため撤退)
・1631年:ブライテンフェルトの戦い(スウェーデン・ザクセン連合軍対神聖ローマ帝国軍、スウェーデン騎兵に左翼を突破され本隊を包囲されそうになったローマ軍が撤退)
・1870年:セダンの戦い(プロイセン軍対フランス軍、プロイセン軍がフランス軍を完全包囲し、解囲作戦に失敗したフランス軍が降伏。)
・1942~1943年:スターリングラード攻防戦(ソ連軍対ドイツ軍、最終的にソ連軍がドイツ軍を完全包囲、解囲作戦に失敗したドイツ軍が降伏)


 なお、包囲を完成するためには積極的に動かなければならず、包囲が完成するまでの段階では大きな隙が出来やすい傾向があります。このため、包囲しようとした側が逆に翼側を撃破されたり、中央突破されて敗北にいたるケースも多々あります。
 包囲戦が優位になるのは、あくまでも包囲が完成してからです。その前段階では「やばい、このままだと包囲される」という心理的プレッシャーを与える効果しかありません(もっとも、その心理的プレッシャーこそ重要だったりするのですが・・・)。
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この回答へのお礼

射程距離のある武器同士の戦いであれば確かに外周の戦闘面積のほうが広くなりますね。
しかしほとんど同時戦闘参加兵力数に違いのない白兵戦において、
被包囲側が十分な空間的余裕を有している場合でも、
包囲行動で生じるリスクに見合うだけの数的優勢を得ることができるのでしょうか?
ランチェスターの第一法則は引き算ですし。

お礼日時:2012/05/01 04:56

数というのは重要です。


双方が同じレベルであった場合、
例えば、艦船の戦闘に於いて、同じ数が喧嘩すれば同じ数同士が損耗します。不均衡があるとすれば、運です。

4隻対8隻の場合、算数では4隻が残ることになりますが、別の計算式があって、4の二乗引く8の二乗の平方根6.9隻が残るという計算式があります。

数の不均衡があればその差が大きいほど、大勢の方が残りやすくなります。
これは、何の策略も行わないぶちかまし同士での話ですが。

生身の人間としては、生きていることに価値があるわけで。
少ない兵士は、自分一人で複数が相手です。やるもやらないもありません。 
複数の場合は、自分じゃ無くても良いわけです。最初に刺されるのが。
ダチョウ倶楽部よろしく、どーぞ どーぞになってしまいます。

同じレベルならそんな感じになるでしょう。
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