No.2ベストアンサー
- 回答日時:
>そこで気体を容器に閉じ込め、全圧をPとして2気体の分圧をP1,P2とすると
>P1=n(1-α)・RT
>P2=2nα・RT
>となり分圧の法則(P=P1+P2)を満たしません。
とありますが,なぜ,分圧の法則を満たさないと考えたのでしょうか。
そう考えるに至った経過を順を追って書かないと,あなたの推論のどこが間違っているかが,他の人にはわかりません。
以下に私なりの説明を書いてみます。あなたの推論とどこが異なるかを考えてみて下さい。
内容積Vの容器に,物質量nのN2O4を入れておいたところ,N2O4とNO2が平衡状態になったとします。
このときの解離度(この場合,電離度とはいいません)をαとすると,平衡状態における各気体の物質量は
N2O4はn(1-α),NO2は2nαになります。
※これは書かれているとおり。
これらの合計は
n(1-α)+2nα=n(1+α)
※最初はnだったのが,(1+α)倍になっています。
ここで,圧力について考えます。
はじめの圧力P0は P0=nRT/V
平衡状態では気体の物質量が(1+α)倍になっているので
平衡状態での全圧をPとすると,
P=(1+α)nRT/V 式1
一方,平衡状態におけるN2O4,NO2の分圧をP1,P2とすると,
P1=n(1-α)RT/V
P2=2nαRT/V
※あなたの式では,P1,P2に「/V」がありませんが,これが誤りの本質ではありません。
分圧の法則より,全圧P=P1+P1=n(1+α)RT/V 式2
式1と式2の右辺は同じ内容です。
混合気体の全圧は,成分気体の分圧の和であるという分圧の法則と矛盾はありません。
補足
式1は,PがP0の(1+α)倍になっていることを表しています。
気体の総物質量が変化していますから,PとP0が等しくないのは分圧の法則と矛盾するものではありません。
この回答へのお礼
お礼日時:2012/09/20 00:17
ご私的の通り、物質量が変化したことによる全圧の変化を見落としていました。
平衡時の全圧はP/(1+α)に変化していたのですね。
簡潔でまとまっており、わかり易かったのでベストアンサーに選ばせて頂きます。
No.3
- 回答日時:
No.2です。
ごめんなさい。1カ所,書き間違いがありました。
誤
> 分圧の法則より,全圧P=P1+P1=n(1+α)RT/V 式2
正
分圧の法則より,全圧P=P1+P2=n(1+α)RT/V 式2
訂正します。
No.4
- 回答日時:
>P1=n(1-α)・RT
>P2=2nα・RT
これは
P1=n(1-α)・RT/V
P2=2nα・RT/V
ですね。
和を取るとP=P1+P2=n(1+α)RT/V
どこもおかしいところはありません。
PV=nRTに機械的に当てはめて「合わない」と言っているのではありませんか。
PV=(物質量)RT です。nも物質量ですがどういう場面での物質量であるかを考えてみて下さい。
今の場合、容器の中にある気体全体の物質量はn(1+α)です。nの意味が違うのです。
>分圧の法則(P=P1+P2)を満たしません
ここでは「分圧の法則」は関係ありません。
「分圧」、「分圧の法則」についての誤解もあるようです。
これは貴方だけのことではないだろうと思います。
いろんな量が出てきていますが何が測定可能なのか、外部から設定可能な量はどれか、について考えておく必要があります。分圧は直接測定できる量ではありません。
この問題が電離度αを求める問題だとします。分圧の考え方を持ち込まないといけないわけではありません。
(1)一定量の気体を容器の中に入れます。気体の種類、質量、体積が決まります。
この状態で温度を決めると圧力が決まります。
気体の種類をN2O4、質量をm
体積、温度、圧力をV、T、P
とします。
N2O4の分子量は92ですから1molの質量は92g(gで測ったモル質量をMとするとM=92)です。 従ってN2O4の物質量は no=m/M molであると分かります。
これとは別に状態方程式からも物質量が得られます。
n=PV/RT
物質量は2つの方向から求めることができるのです。それがn,noです。普通はn=noであるとしています。 ところが 今の場合は これが成り立たないのです。n>no です。
ここまでは測定上での話です。
(#1に書かれている「初期圧力」というのも誤解を生む理由の一つになっています。
気体で用意する限り、N2O4とNO2は混ざって存在しています。N2O4だけの初期圧力が測定可能だという前提はおかしいです。液体中ではN2O4がほぼ100%で存在するようですが気体ではありませんので圧力が決まりません。)
(2)なぜn>noになるのでしょうか。
気体の状態方程式は気体分子の区別をしていません。混合気体でも単一気体でも気体分子の総数が同じであれば同じように成り立つのです。質量をN2O4のモル質量で割って得られた物質量は全ての気体分子がN2O4であるとした時の値です。1つのN2O4が2つのNO2に別れるということが起これば分子数が多くなります。このように考えるとどの程度解離が起こっているかがn,noから分かるはずだということになります。
解離度をαとします。
N2O4 ⇔ 2NO2
no 0 →合計 no ・・・解離なしとした時
no(1-α) 2noα →合計 no(1+α)・・・解離が起こっている時
n=no(1+α)=PV/RT
1+α=n/no=PV/RTno=MPV/RTm
解離度が求められました。
N2O4の物質量 n1=no(1-α)
NO2の物質量 n2=2noα
ここまでは「分圧」とは一切関係がありません。
(3)「分圧」とはなんでしょう。
まず一般的に成分気体をA,Bの2つとします。空気のような気体でイメージしてみて下さい。
混合気体の圧力は成分気体の分子全体の働きで生じています。それぞれの成分気体がその圧力のうちのどれだけを受け持っているのでしょうか。この受け持ち分、分担分が「分圧」です。
成分気体の種類が2つであれば P=P1+P2 です。
(種類がたくさんあれば P=P1+P2+P3+・・・ です。)
これは「分圧の法則」ではありません。分圧の「定義」です。
このP1、P2を知ることは出来ません。
でもこういう量があるはずだということは確かです。
何とか仮定を置いてでも知りたいところです。
(4)成分気体の分子が互いに他の成分気体とは独立に全圧に対して寄与するということが成り立つとします。
これは理想気体の仮定と同じです。
その場合は数だけで決まります。
P1=Pn1/(n1+n2)
P2=Pn2/(n1+n2)
n1+n2=PV/RT でしたから
p1=n1RT/V
p2=n2RT/V
が得られます。
この式はまだ分圧の法則ではありません。
分圧の定義に成分気体が独立であるという仮定を入れて導いただけのものです。
この式で表されている分圧の値は計算上のものです。n1,n2の値が必要です。
混ざっている状態ではn1,n2は分かりません。何らかの方法で分ける必要があります。
ドルトンのやったことは分けるのではなくて混ぜるということです。
別々の容器に入っている2つの気体A,Bを混ぜます。圧力P1、温度T,体積Vの気体Aと圧力P2,温度T,体積Vの気体Bを混ぜます。2つの気体を体積Vの1つの容器に入れて、温度をTとします。圧力はいくらになるでしょうか。これは測定可能です。ドルトンは P=P1+P2 が成り立つことを見つけたのです。そこでこの圧力を混合気体中の分圧と同じものだとしていいだろうという考えが出てきました。これがドルトンの「分圧の法則」と言われているものです。混ざっている状態での圧力を混ざっていない、別々に存在する時の圧力と関係づけたのです。
「分圧」という量を考えるということと「分圧の法則」とは別のことです。
混合気体を成分気体に分離する、または気体を混ぜて混合気体を作る という操作が出てこない限り「分圧の法則」は必要ありません。
(5)空気の場合であれば酸素と窒素に分ける、または酸素と窒素を混ぜる
どちらの操作も可能です。分圧の法則が成り立ちます。
同じ温度、圧力、体積の2つの容器に入った気体を考えます。2つの容器を細いパイプでつなぎます。温度圧力は変わりません。体積が2倍になります。ピストンを使って気体を全部片方の容器に入れてしまいます。体積が半分になりますので圧力は2倍になります。
N2O4、NO2の混合気体では「分圧の法則は成り立ちません」。
この気体では平衡移動が起こるためにボイルの法則が成り立たないからです。
分圧の考え方を当てはめることはできますがドルトンの分圧の法則を当てはめることはできません。
No.5
- 回答日時:
#4です。
一ヵ所書き間違いがありました。
あなたも同じ間違いをしています。
電離度α ⇒ 解離度α
1つの分子が2つの分子に別れています。イオンは生じていません。
電離ではなくて解離です。
ついでに
分圧は概念的なものです。直接測定できる量ではありません。
記号を変えておく方がいいかもしれません。PではなくてP'のようにです。
分圧の法則は概念的に定義された量を直接測定できる量に対応させることを可能にするものです。
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