この前、家の宗派である曹洞宗の本山である永平寺に参拝してきましたが、受付で「納骨・供養」という張り紙を見ました。ここで改めて、「供養」は誰のためにやるのだろうという疑問がわきました。
「仏教の教えでは心身一如であるから、死んで体が無くなれば心もなくなるから霊魂不滅ということもない」と言っていた仏教関係者がいましたが、そうであるなら死者のための供養は必要はないのではないかと思います。
49日とか1周忌とかいうことも死者のためというより残されたものの慰めのためなのでしょうか。
「供養」の考え方は宗派によって違うものなのでしょうか。
ついでに言えば、キリスト教や神道の場合はどうなのでしょうか。
No.1
- 回答日時:
>49日とか1周忌とかいうことも死者のためというより残されたものの慰めのためなのでしょうか。
はい、仰る通り、お考えの通りです。その目的から外れたことは気にしないほうがいいのでしょう。たとえば、生きている者が困る程のお金をかけて、亡くなった方を飾り立てても、その方が喜ばれるのかどうか。それなら、生きておられるうちに喜んでもらえばいいでしょうね。
>「供養」の考え方は宗派によって違うものなのでしょうか。
細かいところは違うこともあるようです。しかし、細かいところでとやかく言わないのがマナーのようですね。
>ついでに言えば、キリスト教や神道の場合はどうなのでしょうか。
日本では、おおむね同じようです。合掌に代えて、柏手か手を組むかの違いくらいでしょうか。喪を執り行う側に負担をかけないため、あまり違わないような、つまり一つをだいたい知っていればいいようにしている感じです。
ちなみに、私個人としては死んだ後に葬式を出してもらうなんて、まっぴらごめんで、周囲にそう公言しています。生きているだけで面倒くさい奴(つまり私)が、死んだ後まで周囲にとって面倒臭いなんて嫌ですから。
No.2
- 回答日時:
残された者の為です。
人が死ぬ、ということは大変哀しいことです。
場合によっては心が壊れたりすることもあります。
それで、残された人の心を慰める為に
色々な技術が考えられました。
供養というのはそういう技術のひとつです。
現代では、それが習慣となり哀しくなくてもやる
ようになっています。
これは専ら世間体とか、宗教関係者の食い扶持を
稼がせるためです。
特に、日本の仏教は檀家制度により、競争原理が
働かなくなって、葬式産業株式会社に堕ちてしまいました。
供養は、こういう宗教の為に存在する、という面があることは
否定できないと思われます。
更に言えば、これは社会安定の為の技術でも
あります。
真摯に供養する人は、悪事など企まないものです。
No.3
- 回答日時:
供養とは、生きながらえている遺族や知人友人のために行うものです。
死者の為には、仏教も意味のないことで、残った遺族の為に、心の整理を進めるものです。49日とかは、仏教の数字好きで、7回の生前の行い裁判の為に繰り返す所作でしかないです。仏教生誕の時、多くの思想家が、古代インドにたくさんいて、そのなかに数字を大切に使い回した派がありました。その影響でしょう。
キリスト教、神道、イスラムの死者供養の知識は、ありませんので、コメント出来ません。
ありがとうございました。皆、生きている人のためにあるといいますが、49日とは魂魄がこの世とあの世との境をさまよう機関だとも聞きましたが。成仏のために供養するということもあるのではないでしょうかね。
No.4
- 回答日時:
他の人とは違う視点で回答してみます。
>そうであるなら死者のための供養は必要はないのではないかと思います。
現代のお坊さんに「霊魂が有るか無いか」って聞いても人によって答えは違います。
日本で供養と言うと故人への追善供養を意味する事が多いのですが
これは神仏を子孫が供養して、その徳を神仏から故人に廻してもらう
ものです(霊位菩提の向上)。つまり追善供養の場合は故人(先祖)
の為の供養と言う事になります。尚、浄土真宗では追善供養はやりません。
仏教的な観点から見ると、現世で運が良い人と悪い人がいますが
運の良い人と悪い人の違いは「徳」の量が違うとみなす考え方があります。
(上座部仏教の国では今でもこの考えが支持されており現世で徳を積んで
来世では良い所に生まれ変わりたい、現世の供養は良い来世につながると
考えます)
また初期のお経にはお釈迦様の生きておられた時代に在家信者が生身の
釈迦如来を供養された(食事に招く)記述があります。
これは供養を行った人の徳になると考えられていました(応供)。
キリスト教の場合は知らないですが、神道の場合の供養は供物を捧げた人の
徳になると思います(個人的体験ですが)。
No.5
- 回答日時:
>、「供養」は誰のためにやるのだろうという
主に日本の仏教でしょうが、新興宗教にも先祖供養という考え方はあります。特定の死者を供養する命日の供養はその故人を思い出してその徳を偲び、これからの自分達の生活の糧にするというものだと思います。その行(行事、儀式)によって、もし故人(の霊)がそれをみていれば故人も喜ぶだろうし、更に成仏度を高めるだろうと私は思います。
いずれにせよこれは宗教ですから世間での形式の問題であり、心の問題です。科学では割り切れない死後の世界に触れるものだということで宗教者が関わるのもまた自然だろうと思います。
もちろんこれを信じないのも自由です。私はいまのところ全体として経済的にもやりすぎではなく合理的な慣習ではないかと思っています。巷の寺社は文化的にも残して行きたいとおもっています。
No.6ベストアンサー
- 回答日時:
実は「身心一如」(心身は間違い)を語ったのは道元禅師自身です。
ただし「死んで体がなくなれば心も無くなる」と解釈しているのは間違い。
禅宗では私達が肉体だと思っているものは様々な物質が縁を持って顕れた幻のようなものに過ぎない。なので縁が切れれば私たちが見ている幻の体が霧散し、真の体に戻るということです。従って真の体は不滅であり、それに伴う心もまた不滅であると言う考えなのです。・・・けっこう難しいですね。
心身不滅はこの逆で心が主体になるためこの論理とは異なります。
でも実際道元自身も死こそ悟りだと言っているのですから、悟りを開けば魂は仏になります。それは浄土信仰とさほど変わらないようにも思えます。異なるのは曹洞宗ではだからこそ活きているうちに釈迦と同じ修行を積んで悟りを開く準備をすべきと説いていることです。
と言うことはやはり悟りを開いてしまった先祖を供養する必要は無い?
実は供養には仏とともに飲食をするという意味であって、追善供養は日本独自の考えと言えます(元は中国辺りから来たのか)
そしてこのとき私達が仏法を学ぶと言う意味があります。仏法を自分に読み聞かせると同時に仏にも読み聞かせている。人に仏法を説くのは法施と言う布施行であり、他人に聞かせれば徳を積む。その徳は巡り巡って大きくなって自分に戻ると言うことになります。つまり法要は自分の徳積み(悟るための準備)でもあるのです。
神道には元々明確な「教え」と言うものがありません。なので肉体がどうとか魂がどうとか言う定義もありません。ただ人が死ねば神になって黄泉の世界に入り神となるか再生すると言うことだけです。
50日祭とか1年祭とか言うものは仏教の影響です。
キリスト教ではあまり先祖供養という考えはありません。死ねば天国か地獄、或いは煉獄に入ります。この世の終わりに再び詮議を受け、最終的に永遠の天国か地獄に行きます。
しかし先祖を大事にしなかったかといえば違い、アブラハムは旅の途中で先祖を葬った場所に立ち寄っています。それは供養とは異なるようです。
ご回答ありがとうございました。
供養も布施即ち功徳を積むことなのでしょうね。
こうしてみると供養ひとつをとっても宗教の根本問題を垣間見る気がします。
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