最新閲覧日:

ある医学系の論文で出てきたのですが、ある種の蛋白の特定のアミノ酸配列に対して反応するmonoclonal抗体についての内容で、抗体作製時の抗原がウシ由来の蛋白で、それを用いてヒトの組織を免疫組織染色すると、その蛋白が正常のものではほとんど染色されることはなく、リン酸化等の修飾により変性が進み、構造が変化したものが陽性に染色されるとのことです。
その原因として、ある特定の位置のアミノ酸がウシではserineであるのに対し、ヒトではprolineであるため、正常の蛋白はいまいち反応しないものの、その変性した蛋白で陽性反応を示すのは、prolineが "serine conformation"を起こしているためと結論づけています。
このserine conformationとは、一体どのような状態なのでしょうか?

このQ&Aに関連する最新のQ&A

A 回答 (41件中11~20件)

ryumuです。



MiJunさん、
>X-線回折の結果でもそのサンプルの状態が問題になるのですね?
>以前のryumuさんの回答のようにタンパク質が揺らぎf(?)の状態にあると考えれば良いのでしょうか?

いや、揺らぎはどんな状態でもある程度存在するのですが、言いたかったのは、精製や結晶化も含め試料調製時の”処理自体”が、蛋白質の揺らぎと構造の変化を起こし得るということです。もちろん温度によっても揺らぎだけでなく平均構造も変化したりします。

例えば、ある蛋白質の構造が、水溶液中で一部ランダムコイルになっているところが、結晶化すると構造を持ってしまう、ということもあります。
またPYPという蛋白質の活性中間体において、結晶中での中間体と、溶液中での中間体では構造が異なることが報告されています。

本当はこんなことはタブーなのですが、試料調整時による試料の変化はいくらでもあり得るはずです。
精製後の試料が、活性を持つからと言って、生体中に存在する場合と同じ活性機構である保証はないのです。全く異なる機構で、同じ働きをしているということも否定できないのです。
またNMR屋としては、大きい声では言えないのですが、試料に高磁場をかけると試料の配向が起こり得ます。これは、磁場からの影響も試料が受けることを表しているのですが、果たしてそんなに強い磁場中での構造が、生体中で維持されているか、ということも分からないのです。

つまり、試料調製、観測方法のいずれにも試料の構造・揺らぎの状態を天然状態から変化させる因子が存在するのです。

>ryumuさんには今後ともいろいろご教示願いたいと思っております!

いえいえ、こちらこそまだまだ未熟ですがよろしくお願いします。
    • good
    • 0

MiJunです。


ryumuさん、早速の回答ありがとうございます。

>実際の天然構造である保証がありません。
この点は、rei00さんへの回答にもあるようですが、論文を読むときに相当注意しないといけないのですね・・・?
X-線回折の結果でもそのサンプルの状態が問題になるのですね?

以前のryumuさんの回答のようにタンパク質が揺らぎf(?)の状態にあると考えれば良いのでしょうか?

>しかし、すごいはまってますねMiJunさん^^;
サークルだからしょうがないか??(笑)
はい(^O^)。

ryumuさんには今後ともいろいろご教示願いたいと思っております!
この問題が解決(?)出来れば、さらに「プリオン」等についても興味があります。

では。
    • good
    • 0

ryumuです。


MiJunさんへ
>この部分の二次構造を予測することは可能でしょうか?
二次構造予測は、現実問題として難しいです。
個人的には これまでのデータの蓄積による検索も、目安にしか使えないとおもっているんですが・・・
なんせ同じ一次構造でも、二次構造が異なることがよくありますから(アミロイドはその典型的な例です)。

>NMR・CD等で検討すれば分かるのでしょうか?
二次構造は分かるでしょう。
しかし、観測条件によって二次構造も変わり得ます。
実際の天然構造である保証がありません。
また、小さいペプチドではランダムコイルになる場合が多いです。

>「reverse-turn structure」とは、
これは、ターン構造を一般的に言ったものではないでしょうか?
・・・反転折り返し構造・・・
私の数少ない記憶では、I型である場合が多かったような気が・・

しかし、すごいはまってますねMiJunさん^^;
サークルだからしょうがないか??(笑)
    • good
    • 0

MiJunです。


ryumuさん、お礼が遅くなりましたがありがとうございました。
実は、ご紹介頂いた本をryumuさんが投稿される前に図書館から借り出して来て読んである程度理解してからと思ってましたので(これ以外にも3冊程借り出してますが)。

ryumuさん、基本的な質問から
1.tau 2が認識するシークエンス(sonorinさんの補足より)
 (Bovine)  AGIGDTSNLEDQAAGHVTQARMVSK …tau-2免疫抗原
 (Human)  AGIGDTPSLEDEAAGHVTQARMVSK
 この部分の二次構造を予測することは可能でしょうか?
⇒1-2サイトで「二次構造予測」するのを見つけて、入れてみましたが駄目でした。
 (データが蓄積されていないと・・・?)
2.先に紹介したBBRCのPaperのように、同じシークエンスのペプチドを合成して
  NMR・CD等で検討すれば分かるのでしょうか?
3.「reverse-turn structure」とは、ご紹介頂いた本の「ターン」のどのタイプ
  に相当するのでしょうか?
--------------------------------------------------
sonorinさん、
確かに、C末に関してはconformationも含めて情報が多いようですが、N末に関しては情報が少ないようですね?
「tau抗体」に関しても、検索した論文にいくつか紹介されてますが、N末に関するものは補足で説明された以外には見つかりませんでした?

初歩的な質問ですが、
4.tau proteinは核内にあるのですよね?それで、tau proteinが存在する場(環境)はどのような場なのでしょうか?
 (種々のイオンの存在はあるのでしょうか?)
 ⇒最終的にはtau proteinは親水的な場にあるのか、疎水的な場にあるのか?
 おそらく親水的な場にあるのでは想像しますが・・・?
(関連ありそうな?論文)
Biochemistry 2000 Aug 1;39(30):9039-46
Role of phosphorylation in the conformation of tau peptides implicated in Alzheimer's disease.
Daly NL, Hoffmann R, Otvos L Jr, Craik DJ.
Institute for Molecular Bioscience, Centre for Drug Design and Development, University of Queensland, Brisbane, 4072 QLD, Australia.
・Immunodominant peptides corresponding to tau(224-240) and a bisphosphorylated derivative in which a single Thr and a single Ser are phosphorylated at positions 231 and 235 respectively, and which are recognized by an Alzheimer's disease-specific monoclonal antibody, were the main focus of the study.
・The nonphosphorylated peptide adopts essentially a random coil conformation in aqueous solution, but becomes slightly more ordered into beta-type structure as the hydrophobicity of the solvent is increased by adding up to 50% trifluoroethanol (TFE).
・a small population of species containing a turn at residues 229-231 in the phosphorylated peptide
・the selection of a bioactive conformation from a disordered solution ensemble may be an important step (in either tubulin binding or in the formation of PHF) is supported by kinetic data on Pro isomerization.
・Thr231 phosphorylation affected the rate of prolyl isomerization and abolished tubulin binding.
・we find evidence for the existence of both trans and cis forms of tau peptides in solution but no difference in the equilibrium distribution of cis-trans isomers upon phosphorylation.
・Increasing hydrophobicity decreases the prevalence of cis forms and increases the major trans conformation of each of the prolines present in these molecules.
5. J.Neurochem.の論文でFig.6の結果の読み方を教えて下さい。特に、Aの方ですが?
 (実験方法が良く理解出来てませんが?)
6.検索した論文の中には以下のようなものがあります。
J Biol Chem 1994 Aug 26;269(34):21614-9
Analysis of microtubule-associated protein tau glycation in paired helical filaments.
Ledesma MD, Bonay P, Colaco C, Avila J.
Centro de Biologia Molecular Severo Ochoa, Consejo Superior de Investigaciones Cientificas-Universidad Autonoma de Madrid, Spain.
・paired helical filaments (PHFs), the major components of which are modified forms of the microtubule-associated protein tau.
・phosphorylation is one of the modifications that result in the polymerization of tau into PHFs.
・hyperphosphorylation alone is insufficient to explain the formation of PHFs.
・glycation may be one of the modifications hampering the binding of tau to tubulin in Alzheimer's disease, thus facilitating tau aggregation into PHFs.
glycationに関しては専門家の間ではあまり問題視されていないのでしょうか?

さらに関連しそうな論文のAbst.抜粋を載せます(またまた混乱させるかもしれませんが・・・?)
(1)J Biol Chem 1997 Mar 28;272(13):8441-6
Conversion of serine to aspartate imitates phosphorylation-induced changes in the structure and function of microtubule-associated protein tau.
Leger J, Kempf M, Lee G, Brandt R.
Center for Neurologic Diseases, Brigham and Women's Hospital, Harvard Medical School, Boston, Massachusetts 02115, USA.
・A phosphorylation sites (positions 156 and 327), first to alanine to eliminate phosphorylation, and second to aspartate, to mimic phosphorylation.
・a serine to aspartate mutation at position 327 results in a conformational change similar to that caused by phosphorylation of this residue.
・an additional mutation at position 156 to aspartate drastically decreases the microtubule nucleation activity of tau but does not affect the activity of tau to promote microtubule growth.
(2) Mol Biol Cell 1997 Feb;8(2):353-65
Functional interactions between the proline-rich and repeat regions of tau enhance microtubule binding and assembly.
Goode BL, Denis PE, Panda D, Radeke MJ, Miller HP, Wilson L, Feinstein SC.
Department of Molecular, Cellular, and Developmental Biology, University of California, Santa Barbara 93106, USA.
・a relatively well-characterized "repeat region" in the carboxyl terminus (containing either three or four imperfect 18-amino acid repeats separated by 13- or 14-amino acid long inter-repeats)
・a more centrally located, relatively poorly characterized proline-rich region.
・the microtubule binding activity of the proline-rich region to Lys215-Asn246 and identified a small sequence within this region, 215KKVAVVR221
・these capabilities are derived largely from Lys215/Lys216 and Arg221
・combining the proline-rich region sequences (Lys215-Asn246) with their adjacent repeat region sequences within a single peptide (Lys215-Lys272) enhances microtubule assembly by 10-fold
・intramolecular interactions between the proline-rich and repeat regions.
・a model in which efficient microtubule binding and assembly activities by tau require intramolecular interactions between its repeat and proline-rich regions.

以上です。
さらに調べを継続したいと思ってます。

この回答への補足

今回は特に熟考いただいて、有り難うございます。

4.についてですが、tau は細胞骨格蛋白の一種 tubulin に結合し、2本のtubulin をつなぐ役割を持つ細胞骨格関連蛋白(MAP)の最も低分子のもので、neuron では特に軸索に多く存在し、軸索内の物質輸送のレールを造るものです。neuron の細胞体部分(すなわち核周囲)には高分子のMAPが多く、これら細胞骨格関連蛋白は核内には存在しません。
またtau はリン酸化により、tubulin への結合能が制御され、リン酸化部位が多いと結合能が低下します。胎児性のtau は成人に比してリン酸化されており、成人ではリン酸化が無いかあるいは多くて3箇所ある程度ですが、胎児では約8箇所の生理的リン酸化部位が存在します。tau の変性は主にリン酸化が亢進した場合に生じ、この生理的リン酸化部位以外のSerやThrがリン酸化されています。
normal tauはどの程度親水性があるかどうかはちょっと分かりません。SDSに可溶かどうかについては言及されており、それを利用して異常リン酸化tauを抽出したりされていますが。
でも、疎水性アミノ酸はC末端側1/2(特にtau中央部付近)に多く、またtauのN末端半分は負に、C末端半分は正に荷電しています。

6.のglycationについては、数年前(丁度この論文の発表時)にNOとの関連性で研究対象のブームになっていましたが、今はあまり追求されていません。ですがこのglycationはtubulin 結合部位付近に数カ所確認されていたと思います。

5.についてですが、おかげでもう一度しっかり論文に目を通すことが出来、自分なりの仮説を立てることができた気がします。まず、Fig.6.ですが、この実験方法は、最初にバンドを染色する際の至適希釈を行ったtau-2抗体液を等量分け、これらに合成した2種のペプチド(Ser-peptide、Pro-peptide)を0, 10, 100, 500μMのモル濃度に添加し、合成ペプチドによるtau-2の吸収を行います。bovine tauを各4つのレーンに等量分配し、泳動します。それに吸収処理したtau-2抗体液でバンドを免疫染色したのがFig.6.です。
BのPro-peptideで吸収したものでは、各レーンいずれもバンドが染色されたことから、tau-2 はPro-peptideによってほとんど吸収されなかった(tau-2はPro-Peptideに結合しなかった)ことが分かり、一方AのSer-peptideで吸収したものはペプチドで吸収を行わなかったもの(lane 1)と比べると10μMでもかなりtau-2が吸収されてバンドの染色性が弱まり、100μM以上になるともうバンドは検出されなくなっています。このことから、tau-2の2種の合成ペプチドに対する結合性はSer>Proであることが分かったというわけです。

論文を改めてチェックすると、p964のleftの1行目から6行目にとても重要なことが書かれてあり、Proの存在が蛋白構造を曲げる性質を持ち、これによりbovine tau と正常ヒトtauが劇的にconformationの差異が生じるとありました。また、p965のleftの最後から2行目で、以前rei00さんからも指摘がありましたが、よく全文を解釈すると、ここで言う「Ser peptide-like conformation」はこの合成ペプチドを指し、tauの異常リン酸化に伴い、構造が劇的に変化し、これによってProの部分で曲がっていた構造がSer peptideに近い状態まで押し伸ばされ、よりtau-2に親和性を示すようになったと著者は言いたかったのではないでしょうか?この劇的なPro部分での構造変化は、今までの回答でお教えいただいたようなβターン、βシート、gauche±等の変化(大きいところから小さいところまでまとめすぎな列挙の仕方ですが)によるものなのではないでしょうか?

今後、normal tauとPHF-tauをはじめとするtau-2反応性の異常tauの構造を解析し、このtau-2部位の両者の差異を視覚的に(模式的になるでしょうけど)決定できるようであれば、非常に面白いのでしょうけれど。

皆様のご意見はどうですか?

補足日時:2001/06/28 17:09
    • good
    • 0

ryumu さん,ありがとうございます。



> 天然物有機化合物で、いま手元にあるのは、
> Nishimura, K., et al., (1998) J. Phys. Chem. B, 102, 7476-7483.
> ですね。ロイシンエンケファリンの結晶構造を決めたものです。

 そう言えば,ロイシンエンケファリンも天然物ですね。確かに・・・(しっかりしろ,ペ-パ-薬剤師)。

 NMR で結晶構造ですか,面白そうですね。早速読んでみますが,わかるかな~,わかんね~だろうな~(あ,歳がばれる)。なんたって,勉強し直そうとしている Physical Chemistry ですからね・・・。
    • good
    • 0

rei00さん、どうもです。



天然物有機化合物で、いま手元にあるのは、

Nishimura, K., et al., (1998) J. Phys. Chem. B, 102, 7476-7483.

ですね。ロイシンエンケファリンの結晶構造を決めたものです。
他にもあると思いますが、私は蛋白質専門なのであまり詳しくなくてすみません^^。
    • good
    • 0

rei00 です。



ryumu さん,早速ありがとうございました。

> CDの測定は、UVと同じく、溶液試料を使うんですよね?・・・
> そんな状態で正確な吸収が測れるのでしょうかね?

 すみません。私の説明不足でした。CD を測定しているのは凝集した PHF ではありません。Watanabe らの文献にある Ser peptide と Pro peptide 及びそれらのリン酸化体です。

 これらの中で,Ser peptide だけが Tau 2 抗体に反応するという事で,それらの二次構造を CD を用いて検討しています。これらは溶液になりますので,測定自体には問題ないようです。

> 厳密な構造解析は、いまだ低分子試料でしか成功しておらず、
> 固体NMRの手法の精密原子間距離測定法(REDOR)の適用が

 すみません。sonorin さんの質問とは全く関係ありませんが,これらを低分子有機化合物(天然物なら言う事なしですが)で行なった文献がわかりましたらお教え願えませんか。

 天然物化学屋としての興味が抑えられません。
    • good
    • 0

sonorinさん、



>ryumuさん、初めまして!マニアなサークルへようこそ!!(?)

こちらこそよろしくお願いします。・・・・サークルになっちゃった?!

>こういった構造変化を詳細に解明できる手段は、今現在存在するのでしょうか?

さて、分子の立体構造を調べる手法は大きく分けて、3種類あります。

(1)X線回折
(2)電子線回折
(3)NMR

まず、これらの解析に共通して必要な条件は、試料の(構造の上での)均一性です。つまり、いずれの解析法も結局は分子の集団の平均を見るわけですから、各分子がそれぞれ異なる構造を取っていたりすると、平均では観測できないということになります。

(1)は、まず試料を結晶化する必要があります。すなわち結晶化が難しい試料は適していません。ただし、最近は小さい結晶でも大型放射光を用いて解析することもできるようです。またX線による試料の損傷を防ぐため、低温にすることもあるようです。
(2)は、試料を二次元結晶にする必要があります。また電子線による損傷等を減らすため、極低温(~4K)にする必要があります。

(3)のNMRには、さらに2種類あります。
一つは、溶液NMRといって、溶液状態の試料を扱う方法。現在NMRといえば、一般に溶液NMRを指しているようです。溶液NMRは、水溶性タンパクの構造解析では、かなり強力な手法で、上の(1)(2)と異なり試料を結晶化するひつようもなく、比較的天然に近い状態の構造情報が得られます。しかし、試料が溶液状態、簡単にいうと早い分子回転をしていないと、正確な構造情報が得られないです。
そもそもNMRは、強い静磁場を試料に一方向(一般にz方向といっています)かけているのですが、もし分子運動が遅いと、それぞれの分子の感じる磁場が、各分子で異なることになり、同じ構造なのに異なる信号を持ってしまう、ということになるのです。
つまり、溶液NMRでは、試料が溶液であること、それに関連して分子量の上限があるのです。

さて、(3)のもう一つの手法は、固体NMRというものです。これは、試料が溶液である必要もなく(もちろん溶液状態の試料も扱えます)、結晶である必要もないので(結晶も扱えます)、かなり広範囲での応用が期待されています。固体NMRでは分子運動が低い試料を扱うので、分子運動の低下によるさまざまな問題が生じますが、現在はかなり改善され、高分解能の信号が得られるようになっています。しかしながら、厳密な構造解析は、いまだ低分子試料でしか成功しておらず、巨大分子の詳細な構造情報をえることはまだ出来ていないようです。

また、NMRでは試料を同位体標識する必要が多々あり、同位体導入が用意であることが必要です。また、ラジオ波を照射するため、高濃度のイオンが入った試料は、測定中に温度が上昇するので、適切ではありません。
ただ、13Cを観測する場合、詳細な構造ではなく、αヘリックス、βシート、ランダムコイルという程度の判断が、信号の位置から判断することが出来ます。


さて、今回の繊維化に限って話をすれば、もっとも適している解析手法は固体NMRだと思います。
というのも、固体NMRだと、繊維化前後(溶液 <-> 固体)の構造情報が得られますし、13C標識出来れば、その標識した残基の二次構造変化の情報が容易に得られるためです。また、繊維化状態ではかなり分子運動が制限されているので、固体NMRの手法の精密原子間距離測定法(REDOR)の適用が可能かもしれません。
    • good
    • 0

またまたryumuです。



>さ~すが,専門家(パチ,パチ,パチ)!

いやはや恐縮です^^;
回答には(いつも?)私の趣味も入ってますが・・(笑)

さてCDについてですが、蛋白質の世界では、その二次構造含有量を手軽に測れるのでよく使われております。
これは、αヘリックス、βシートおよびランダムコイルの3種の構造が、それぞれ異なるCDスペクトルを示すことを利用しています(生化学事典(東京化学同人)にも各構造のCDスペクトルが載っています)。


念のため、典型的な二次構造のCDスペクトルの特徴をまとめますと・・・

αヘリックス ;190 nmに正の吸収、208 nm、222 nmに負の吸収
βシート   ;195 nmに正の吸収、218 nmに負の吸収
ランダムコイル;195 nm付近に負の吸収

となります。
たとえば、変性前後ペプチドのCDスペクトルを、これらのレファレンスをもとに解析し(デコンボリューションのようなことをするのでしょうね)、二次構造変化について議論する・・・ということになります。

スペクトル変化があれば、それは明らかに二次構造変化が起こったという証拠となりますので、CDによる二次構造変化の解析は妥当です。

ただし、これから分かるのは、あくまで各二次構造の比率であって、どの部分がどういう構造かは言えませんし、構造の揺らぎのために厳密にレファレンススペクトルと一致しないこともあるでしょう。


ここからは個人的な意見ですが・・・

CDの測定は、UVと同じく、溶液試料を使うんですよね?
もし繊維化すると、凝集がおこるので、完全な溶液ではないと思うんです。
具体的には、散乱がおこると思うのですが・・
そんな状態で正確な吸収が測れるのでしょうかね?
試料がそれほど凝集を起こしていないものなのか、
それともそういうのも回避する測定法があるのでしょうかね?
その辺は気になるところですが・・・・

この回答への補足

ryumuさん、初めまして!マニアなサークルへようこそ!!(?)
何だか、質問者の私から見ると、専門家の方々(パチ、パチ、パチ、…∞)。
すみません。前回も書きましたが、PCの調子が悪くて…、また2児の母なもので、自分の時間が取れる時がなかなか無くて、皆さんの回答を見るのが遅くなってしまいました。
しかし、今回の質問で、様々な角度から検討することができたのは、本当に自分自身でもありがたいです。自分で検討するには、やはり方法に限度がありま
すから。どんどんマニアックな淵に沈み込んではいますが、自分の知識にとって非常にプラスになるいい経験です!

ところで、ryumuさんもご指摘の通り、tau-2の場合は、論点となっているSer conformationが起こりつつ、tau-2部位における他のアミノ酸配列に対する反応性を保持していなければならない点で、非常に特殊なmonoclonal抗体といえるかもしれません。私の経験上(非常に乏しいですが)、このような変わったmonoclonal抗体はtau-2が初めてです。(他にあるようでしたら、そこからヒントなり、明確な答えが探り出せるのですが)
しかし、こういった構造変化を詳細に解明できる手段は、今現在存在するのでしょうか?専門家のご意見をお伺いしたいです!

補足日時:2001/06/25 09:12
    • good
    • 0

ryumu さん,早速ありがとうございました。

他に安心して意見を伺える構造生物屋さんが思い浮かばないものですから,最近ご迷惑ばっかりお掛けしております。お許し下さい。

そのうち「アトキンス 物理化学」を始めとして,しっかり勉強しますので,それまでよろしくお願い致します。

> 私に言えるのはこんなところです・・・
> 期待はずれですみません->rei00さん、MiJunさん^^;

 どういたしまして,これ以後に書かれている意見なんて,ryumu さんをお呼びして初めて伺える内容ですから。さ~すが,専門家(パチ,パチ,パチ)!

 で,ryumu さん。NMR がご専門ですが,CD スペクトルの方はいかがでしょうか。MiJun さんが ANo.#14 でお示しになった最初の文献を読んでいるのですが,CD デ-タを元にしていて行き詰まっています。

 内容は,問題のペプチドのコンフォメ-ションを CD で調べたもので,結論として,「・・・ we have demonstrated that the conformation-dependent epitope for mAb Tau 2 binds to the antibody and stains NFTs only in an AD-specific β-pleated sheet secondary structure.・・・」とあります。つまり,変性した NFTs は β-pleated sheet 構造をとっているとの様です。

 ただ,その結論が CD デ-タに基づくもので,結論の妥当性がよくわかりません。天然物の CD ならお手の物なんですが,ペプチドになるとさっぱりです。お分かりになるようでしたら,簡単に解説願えませんか。すみません。
    • good
    • 0

このQ&Aに関連する人気のQ&A

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!

このQ&Aを見た人が検索しているワード


人気Q&Aランキング

おすすめ情報