A 回答 (6件)
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No.6
- 回答日時:
No.2です。
再び。う~ん、なかなか「音色」ということに理解いただけないようですね。
ヴァイオリンに関しては、この「G線の音色」で一番納得いただけるのが、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲の第3楽章冒頭の独奏ヴァイオリンの旋律でしょうか。あの野性味あふれるヴァイタリティは、G線でなくては表現できないと思います。
4本の弦を使えば、もっと優雅に滑らかに気品のある音で演奏できると思いますが、ベートーヴェンがほしかったのは、そういう音ではなかった、ということです。(ベートーヴェンによる「sul G」の指定があります)
ヴァイオリンに限らず、クラシック音楽においては「音色」というものに大きな価値が置かれます。
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の古色蒼然とした音色は、機能的には19世紀のままの「ウィンナ・ホルン」や「ウィンナ・オーボエ」によるところが大きいのです。特にホルンは、現代のオーケストラでは普通「F管/B♭管」切り替えのできる「ダブルホルン」で演奏するのが普通で、管の短い「B♭管」を使うことで音を外すリスクを低くしていますが、「ウィンナ・ホルン」は管の長い「「F管」だけの「シングル・ホルン」です。これは、「ダブルホルン」が機能が上がった代わりに音色を犠牲にしている、ということで、リスクが高くとも昔ながらの音色を保持するために「F管のシングル・ホルン」を使い続けているのです。(その「ウィンナ・ホルン」は、ウィーン・フィルしか需要がないことから、制作・修理できる職人がいなくなってしまい、困ったウィーン・フィルが日本のヤマハに制作を依頼したことは有名な話です。)
また、フランスのオーケストラでは、木管楽器としてドイツ式の「ファゴット」ではなく、フランス式の「バッソン」を使っていましたが、最近では「機能」優先でファゴットを使う演奏者やオーケストラが増え、フランス特有の音が無くなってしまった、と悲しむ人も多いようです。
今日、うまく破たんのない演奏がほしければ、コンピュータで演奏させることもできます。しかし、同じ楽器の音でも、「フォルテ」と「ピアノ」は同じ音色ではないのです。単なる波形増幅ではなく、「フォルテ」の音色やニュアンス、「ピアノ」の音色やニュアンスがあるのです。それを味わうことができなければ、そこにこだわりを持たなければ、クラシック音楽の存在価値はないと思います。
No.5
- 回答日時:
ヴァイオリンは楽器の発祥を含め、音楽自体、本場ヨーロッパですでに数世紀の歴史を持った芸術です。
古今全ての作曲家がこの楽器の為に膨大な数の曲を書いていますし、曲によっては表現上から4本ある弦であえて隣に移弦しないでそのまま一本の弦を上がって表現するような箇所も沢山あります。それは単に隣の弦に移ったほうが合理的でテクニック的にも楽だとか、一本の弦を使うのは原始的だとかという次元の問題ではないのですね。要は「求める音」なのです。この曲のこの箇所は移弦しないで太くて一本の線上にある音が欲しいと、あえて望んで書いているのです。
あなたが疑問に思うようなことも分かります。ただ、「G線上のアリア」のようなアレンジもののショートピースではなく、もっと正統的な交響曲、協奏曲、室内楽曲(ソナタ、デュオ、トリオ、カルテット)、管弦楽曲、オペラ、etc・・・をいろいろと聴いてみてください。
これらには日常的に普通に沢山、件のような箇所が出てきます。殆んどが作曲家自身が楽譜に指定していますし、後に著名演奏家や音楽学者がこの箇所はこの弦で弾く(例えばG線ならばsulGと音符のところに書いてあります)という様に研究・検討・校訂されています。
また、高ポジションを利用するのは基本的には第一ポジションではとることのできない高い音程を出すためですが、音色を変化させる為あえて用いる時もあります。E線の華やかな音を避けたり(A線を用いる)、G線の高ポジションにおける独特の美しさを出す場合など。(特にG線の高いポジションの魅力的な音は、或る作曲家は「神が宿る」などと表現しています)
思いますのに、ヴァイオリンという楽器は、楽器自体の美しさ・完成度もですが、演奏面からも(決して易しい楽器ではありませんが)これほど左手の4本の指にとって合理的(4本の弦、五度の調弦、ネックの太さ・長さ)で、さらに右手の弓による多彩な表現が出来る魅力的な音の出る楽器は他に殆んど例が無いかと・・・
ありがとうございます。
そう、正におっしゃるとおり、私も同様にバイオリンの楽器の完成度に敬意を持つ立場です。ゆえに疑問です。
だってG線だけで弾いてしまったら4本指の合理も、弦にさわる弓の為に描かれた4本弦のかくも美しき「孤」も意味を成さなくなります。
部分的に弦を指定するのは知的でいいと思います。しかし、基本はバイオリンの構造をフル活用した演奏であるべきです。その中での一部弦指定であるべきです。でなければバイオリンがあのかたちをしている意味が消滅するからです。
「オールG線指定」は「豪快」かもしれませんが、場面に関わらず全打席ホームランを狙う中村紀洋のようです。そりゃホームランは誰も否定しません。音色の追求は誰も否定しません。でも全部G線てのはあまりにも思考が停止しすぎじゃあありませんか?。
No.4
- 回答日時:
Violinを弾いている者です。
4本ある弦は低い方からG、D、A、Eです。和名ではソ、レ、ラ、ミ。
つまり5度で調弦します。
どの弦もその開放弦から順に上がっていくと2オクターブ上までいけます。
例えばG線ではソの2オクターブ上のソまで弾けるというわけ。(2オクターブ上は弦長も極端に短くなるので弦に軽く指をあててのハーモニクスでの音が多いですが)
で、バッハの管弦楽組曲のアリアをヴァイオリニストが編曲した「G線上のアリア」は本来なら移弦(隣の弦に移る)したほうがはるかに弾きやすいのをあえてG線だけで弾く(歌う)というテクニックの曲なのですね。(オリジナルの調性とは勿論違います)
これによりヴァイオリンのG線独特の太くて深みのあるかつ柔らかな響きが出るんですね。
この曲はあえてそうした演奏効果を上げるために作られたショートピースなのです。
ご存知のようにヴァイオリンにはギターのようにフレットがありません。(仮にフレットなどがあると多彩な音楽表現や各種技巧を駆使する際に支障があり、よってそのようなものの必要性が全く無いからなのです)
けれど、ポジションといって(三味線の勘所のようなもの)厳格に音程を取る(決める)ための指の定位置はあります。(フレットがないので繰り返しの練習・修練により体得します)
これをマスターした人は実に正確に全ての調性で完璧な音程・音階を出すことが出来ます。
尚、先にも述べましたようにG線で高い方のA線やE線の音全てを出すことは不可能です。
(G線の2オクターブ上のソはE線の最も低い指の位置・第1ポジションのソに匹敵します)
基本的に高い音へはG線から順に移弦してA線やD線へと移っていきます。
そして曲のところどころは同じ弦でそのまま上に上がっていき、あえて1本の弦で太くて深みのある音を出す場合もあります。(こういう場合は殆んど作曲家が楽譜にあらかじめ指定しています)
E線の場合はこれより細くて高い音を出す弦はありませんから、音が上にあげっていくと特にE線のハイポジションといってヴァイオリンならではの魅力的な澄みきった高い音を出すことが出来ます。
ありがとうございます。
元々「単線」の方が楽器として「原始」的で、絶妙な「5度」の差異をつけた4本線という演奏上「画期的」な「発明」がバイオリンをバイオリンたらしめているとすれば、G線を固定的に指定する事は先祖返り的ではないでしょうか?。
「G線指定」は、D線での同音との選択肢の中であえて指定するとしたら、それは「知的」な行為のひとつと言えますが、「音色」という大義名分をかざして全音「G指定」するのは「思考停止」の「盲目的行為」に聞こえます。
G音の音色にこだわる事より、他の線を利用するメリットの方がはるかに大きいはずだからです。演奏しやすいから。演奏が難しいということは、フォームの遅れを容認する事を代償として払います。
自転車が二輪で走るメリットを捨てて終始ウィリー走行をするのは奇抜な「曲芸」に過ぎず、まるで理にかなってないと思うのです。
No.3
- 回答日時:
No2さんの書かれているとおり、良い・悪いではなく、各弦で響きが違うので、曲にマッチした弦が選ばれているということで、G線一本で弾ける曲なら、当然他の3本のうちのどれか一本でも弾けます。
「D線上のアリア」でも「E線上のアリア」でも有りうることです。そもそも原曲のキーから言えばG線一本では弾けません。従いまして、バッハの管弦楽組曲のアリアは、「G線一本で演奏可能なアリア」とは言えないと思います。しかし、編曲作品として「G線だけで弾くアリア」というのなら大いに納得ができます。クラシックギターやマンドリンの作品にも、繰り返しのときにはハイポジションが指定されていて、一回目と二回目では全く同じメロディーなのに響きが剛・柔と万華鏡のように変化するものがあります。
ウィキによると下記のように説明されています。
「G線上のアリア」(ゲーせんじょうのアリア[1]。独: Arie auf G)は、ヨハン・ゼバスティアン・バッハの『管弦楽組曲第3番』BWV1068の第2楽章「アリア」の、アウグスト・ウィルヘルミによるピアノ伴奏付きのヴァイオリン独奏のための1871年の編曲版の通称。ニ長調からハ長調に移調されており、ヴァイオリンのG線のみで演奏できることに由来する
http://ja.wikipedia.org/wiki/G%E7%B7%9A%E4%B8%8A …
こちらが楽譜で冒頭に「sul G」(イタリア語:Gの上で=第四弦で)という指定があります。
https://repertory.jp/img/score/in/cfb/cfb1383_1. …
こちらのyoutubeは、管弦楽で演奏しているのに「G線上のアリア」と書いているので、本来は間違いです。バイオリンの人は皆さん四本の弦を使って弾いています。
編曲作品のほうが有名になったので、この曲の俗称として「G線上のアリア」と呼んでいますが、キーも違いますし、違和感があります。まさに「G線だけで弾けるアリア」であって、「G線上のアリア」ではありません。
ウィルヘルミ編曲によるヴァイオリン独奏の演奏に限って「G線上のアリア」と呼んで頂きたいと私は思っています。だれかが当然バイオリン独奏と思って、「G線上のアリア」と思ってCDを買ったり、コンサートに行って、聴いてみたら、ピアノソロだったり管弦楽曲だったらがっかりする人もいるかもしれません。そうすると「G線だけでも演奏可能なアリア」と翻訳しておくほうが看板にいつわりなしということで良いのかもしれません。
バッハ作曲「管弦楽組曲第三番よりアリア」
(G線だけでも弾けるアリアを管弦楽で演奏しています)
本物の「G線上のアリア」
http://www.youtube.com/watch?v=r1fTkkGvjCk
ありがとうございます。
紀州からやってきた「紀州麺」が名古屋で「きしめん」となっているとおり、「G線上のアリア」のタイトルが本来の由来から乖離してることは問題ないと思います。
「G線上」の意味は大体わかりましたが、個人的には音質の違いも含めて「4本の弦」を全て使ってこそのバイオリンと信じたい立場です(他はみんなそうしてるから!)。みんなが「G線」にこだわりだしたら残りの弦をいっそハズしちゃえばいい。
そんなのひとりでドリブルしてゴールするサッカーみたいです。
関係ないか!。
No.2
- 回答日時:
No.1さんの答には、へ~っと思いました。
ヴァイオリンの「G線だけで弾く」という意味のネーミングとは知りませんでした。
>ところでG弦だけで演奏する事が「より良い」という発想は意外でした。
>
>だって、そう考えてしまったら、それこそ全ての曲がその発想に囚われてしまうからです。
>
>バイオリンという楽器そのものの否定といいますか。
何が何でも『G弦だけで演奏する事が「より良い」』というわけではありません。
ヴァイオリンの弦は、低い方から G線(開放弦がト音記号の下第3間の「ソ」)、D線(同じく下第1間の「レ」)、A線(同じく第2間の「ラ」),E線(同じく第4間の「ミ」)に調弦されます。(完全五度ずつ高くなる)
つまり、G線は一番太い弦で、音も太く、ぼわっとした、渋い音がします。これに対し、高音の弦ほど、繊細で明るくくっきりとした音がします。
どれが「より良い」というのではなく、あくまでキャラクターの違いです。
作曲者が、この音色がほしくて、音としてはどの弦でも弾けるのだけれど「G線で弾いてほしい」という場合に、楽譜上に「sul G」(スル・ゲー)と書きます。G線以外の弦を指定することは、ほとんどありません(「sul D」とか「sul A」はほとんど見かけません)。そういう意味で、G線の音色には独特のものがあるということです。
ありがとうございます。
ピアノの場合は音の高低がそのまま弦の細い、太いを決定していて、弦の太さをチョイスできません。
なのでバイオリンに限りそこにこだわるところに「うーむ」と疑問を感じます。
それに「G線上のアリア」って決して重厚な暗い曲ではなく、むしろ、軽やかで明るい曲なので、なして「太い」G線がよろしいのかも意図がくみとりきれない。
といった気持ちです。
No.1
- 回答日時:
>タイトルの意味は「バイオリンのG弦のみで演奏可能だから」との事ですが
違います。正しくは「G線一本のみで演奏するアリア」です。
>もしバイオリンの弦もギターと同じならどんな曲でも「G線上」のみで弾けるのではないでしょうか?。
G線だけで弾けるという可能・不可能の問題ではなく、曲の性格とG線の個性が合致することに着目した素晴らしい編曲のアイデアというところを分からなければいけません。
可能か不可能かというだけのことなら、ひとつは音域の問題(一本の弦だけでカバーできる音域であること)、それから音の飛躍の問題(あまりにもポジション移動が激しくなる場合、演奏が不可能となります)
これらの問題が無い楽曲であれば、おっしゃるとおりどんな曲でもG線一本で演奏することが出来ます。
もとは「アリア」という名の管弦楽曲ですが、これをバイオリンの一番太い第四弦(G線)だけで弾く指定で、バイオリンソロ曲(伴奏は別途についています)に編曲したのが、「G線上のアリア」です。もちろんこの曲を普通に4本の弦を使って弾くことも可能です。
バイオリンは(ギターも同じですが)四本の弦に個性があって、同じ音でも使う弦によって「音色」が違います。第四弦は「渋い響き」ですし、第一弦は「明るい響き」です。
第三弦の開放弦(D線)と、同じ音を第四弦を押さえて出した音は、勢い・エネルギー・パワーが違います。太い四弦だけでポジション移動をしながら弾くと渋い音色・勢い・エネルギー・パワーが統一されて響きます。この曲を普通に弦を移りながら演奏すると、弦が変わるたびに音色が変化し、高音においても統一されたあの「渋い音色」が損なわれます。細い弦を使うとそこだけカラッと明るい響きになります。
ギターでも第四弦の12フレット「レ」の音は勢い・力強さ・説得力がありますが、第二弦の3フレット「レ」は、やせてペンペンの音しか出ません。このように弦楽器の音は、「高さが同じであれば弦が違っても同じ音」とは言えない要素があります。それが音色・勢い・パワー・エネルギーというものです。これらを保って曲を演奏すれば管楽器のように統一された音色で、その曲の最低音から最高音までを出すことができます。弦楽器の場合、終始一本の弦で演奏すればそれが実現されます。しかしその理想を実現しようとすると音域が広いと、一本の弦だけでは演奏できなくなります。またポジション移動が余りに激しいと、やはり演奏ができません。この管弦楽用のアリアは、一本の弦の音域に納まる範囲の音のみで出来ているということで、第四弦のみを使って弾くと渋さを保ちながら演奏できますが、移調してA線上のアリアにするとスカッとした響きのアリアになります。
ギターでもエイトル・ビラ=ロボスという人の作った多くの曲は、太い一本の弦だけでフレーズを作り、弦の指定をすることで強い説得力を出すという手法となっています。
ありがとうございます。
ネットで調べると、いずれもそこまで説明されてなくて多くの人が「G線のみで弾ける曲」と、誤認しているように思えます。
でもちょっと考えたら「変だな」と思う筈です。
ところでG弦だけで演奏する事が「より良い」という発想は意外でした。
だって、そう考えてしまったら、それこそ全ての曲がその発想に囚われてしまうからです。
バイオリンという楽器そのものの否定といいますか。
まあより弦の少ない「二胡」みたいなのもあるからな。
ありがとうございました。
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