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武家ではなく、公家の世界での敬称・呼称について教えてください。

公家ではその家の長を殿様とか、その家の長男や次男を若さま、
のように呼びますか?

また、武家ではお姫様の読みが、将軍家とその他の家では違うそうですが、
公家のお姫さまは、なんと呼ばれていたのでしょうか?

※よく、ひいさんとかひい様という呼び方を聞きますが、
これは関東でもお嬢様、のような感じで使われていたようですね。

A 回答 (2件)

例えば、「レファレンス協同データベース>レファレンス事例詳細」では、


「江戸時代に公家・公卿が使用していた言語(特に口語)に関する資料はあるか。」の
質問に対しては、下記URLのとおり
「御所言葉(御所詞、女房詞とも。)に関する資料はいくつかあるが、
江戸時代の公家・公卿の使用していた言葉(口語)について
まとめられた資料は見つからなかった。」とあります。
http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_v …

そこで、ネット限定ではありますが、
上記URLの参考資料を手懸かりに少し調べてみますと、

〇「門跡の言語生活からみた女房詞の研究(I):御所ことばを訪ねて/井之口有一・堀井令以知」
『西京大學學術報告. 人文 9/京都府立大学/1957-11-15』(115-84頁)
http://ci.nii.ac.jp/naid/110000412544
※要注意、前後逆順※<32/32→1/32>
<6/32>(110頁)&<5/32>(111頁)
『公家言葉集存』
(一)敬称(二)人称 公家衆の自称及その家中よりの称呼
(三)小児語 敬称
の「1~64」の語などが見出せます。

<32/32>(84頁)~<30/32>(86頁)の冒頭文からは近世から引き続き使用されていたとの
様子も伺えますが、明確ではありません。

続いて、下記URLでは、
「ここに収めた語彙は尼門跡で現用されている御所ことばを、
尼門跡の言語生活の録音や方言調査表などによって調査するとともに、
従来の女房詞文献所収のものを広く集成したものである。」とあって、
近世を含む情報ではあるようです。

〇「<資料>御所ことば語彙の調査研究:続編,食物を除く/井之口有一・中井和子・堀井令以知」
『京都府立大學學術報告. 人文 15/1963-11-25』(52-22頁)
http://ci.nii.ac.jp/naid/110000057145
※要注意、前後逆順※<31/31→1/31>
<20/31>(33頁)
V 人倫・官職
914/うえさま/上様。天皇
915/うもじ/お内儀様。妻の敬称。
[915-2/おおもじ/915-3/おかもじ/916/おまえさま/917/かかさま/918/かもじ/]
919/おうらさん/お裏様。武家から降嫁の室、清家以上で用いる。
920/れんちゅうさん(御簾中様)
921/おかみさん(御督様)/一般公家の家庭で用いる。
922/おおごっさん/大御所様。摂家・清家・大臣家以上のご隠居
923/おおじご/領主殿。先祖。女または子供の言

<19/31>(34頁)
930/おおとのさん/大殿様。諸家殿上家の主人のご隠居
931/おおみやさん/大宮様。皇太后宮。
932/おかたさん/お方様。方領米を拝受する公家の息
933/おかた(お方)
934/おかみ/お上。天皇
[935/きんちゅうさん(禁中様)/937/しゅしょう(主上)/938/とうぎん(当今)]
938-2/おかみがた/宮様方
941/おこたち/子供たち
[942/おさない(子供)/943/こたち/944/とりとり/945/わかご]
946/おごりょう/女。御御料は御御料人の略
949/おそもじさま/「あなた」の敬称。「おまえさま」「そなたさま」より
身分の低い人にいう。なお書くときは「おそもじさま」。
950/おたたさん/御多々様。宮中・宮家・摂家・精華・大臣家で、
母君をいう小児語
/おたあさん/「おたあさん」諸家・堂上家・賀茂の社家で使用する小児語。

<18/31>(35頁)
962/おちごさん/諸家・諸上家の子息
966/おもうさん/父。宮中・宮家・摂家・精華・大臣家で父を称する小児語。御申様。御孟様。
967/おでえさん(お出居様)/諸家・堂上家で父を称する
宮廷では「サン」、武家では「サマ」を用いた
969/きみさん/君様。皇太子妃。皇族の妃、宮様からご降嫁の室
[970/みやすどころさん(御息所様)]
971/~きみさん/皇族の妃殿下または摂家・清家の子息及び子女。
975/ごしょさま/御所様。天皇・上皇・法皇をはじめ、宮門跡にもいう。
なお、摂家・清家のあるじにも用いることがある。
[976/ごっさん(御所様)/977/いんごしょさま(院御所様)]

<17/31>(36頁)
997/(だい)さま/(大聖寺)様。頭文字だけをとり後を省略する呼び方が、
公家社会ではよく用いられる。
1001/とおさん/諸家・堂上家の子息・子女。特に父母から子を呼ぶ時に用いる。
1002/とのさん/殿様。諸家・堂上家の主人。
1007/はるのみやさん/春宮様。皇太子
1008/ひもじ/姫
[1009/おひもじ/1010/ひめ/1011/ひめご/1012/むらさき/
1013/~ひめさん(諸家・堂上家の子女)]

<16/31>(37頁)
1106/~まるさん/丸様。諸家・堂上家の子息の元服までの呼方
1019/みだいのかた/御台の方。貴人の妻の敬称。
1025/わかごっさん/若御所様。摂家・清家・大臣家以上の若主人
[1026/わかとのさん/若殿様/1029/わかさん/若様。諸家・堂上家の子息]

以上 「女房詞」の断片情報に過ぎませんが

少しでも 疑問解消の糸口に繋がれば幸いです^^
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この回答へのお礼

たくさん載せていただき、どうもありがとうございました♪

お礼日時:2014/11/30 11:56

>公家ではその家の長を殿様とか、その家の長男や次男を若さま、のように呼びますか?


家長は御所(ごしょ)さま、息子は御曹司などと呼びました。

公家の女性の呼称は非常にややこしいです。
公家社会では、名前を呼ばれるというのは、その人に支配される、という考え方がありました。
文書で書く必要がある場合でも決して第三者からは特定されないように書かれています。
御所という狭い社会でのことですのでこれで当事者どうしは充分了解していたようです。
従って実名というのが記録に残されていないのが大半です。
御所に務めるようになると諱と呼ばれるものが定められ実名扱いされました。
高位の女性の場合には一定の年齢になると諱をつけられました。
普段は幼名を使いました。
お茶々さま、などというのがこれに相当します。

多くの場合には、役職や住いの場所などで間接的に呼び合っていました。
紫式部も清少納言も実名ではありません。実名は分かっていません。
おそらく周りからは式部さま、少納言さまなどと呼ばれていたのでしょう。
正室は北政所さま北の方さま 御台所(みだいどころ)さま御台(みだい)さまなどと呼ばれました。
早い話が御所の北側の部屋か台所のことです。

御簾中さま、お局さまなどはいわば女性のご家来に対する呼称です。
しかも、この呼称が形式化されて、誰をどのように呼ぶかなどということをセッセと決めたりしていました。
従って、時代によって違うということがおきています。

御姫様をおひめさまと呼ぶのは将軍家の娘限定でした。
大名家と大身旗本では御姫様を「おひいさま」と呼びました。
公家は知りません。

※よく、ひいさんとかひい様という呼び方を聞きますが、
これは関東でもお嬢様、のような感じで使われていたようですね。

明治時代まではあったかもしれませんが現在はあまり心当たりはありません。
おそらく屋敷奉公の名残りではないでしょうか。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。

史実になるべく忠実な歴史ドラマや小説でも、
武家中心で、公家に焦点を置いたものがあまり見かけられず、
疑問に思っていました。

お礼日時:2014/11/30 11:56

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