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岩波文庫をはじめとする文庫本は、ドイツのレクラム文庫にならつたものですが、日本以
外でも、レクラム文庫とほぼ同じ大きさで、大規模に出版されてゐる書籍はあるのですか。

A 回答 (3件)

こんにちは。


また回答がつきません。5~10年前ならすぐ回答が集まったようですが、plapotiさんや私が入会するより前にもリニューアルがあって、ほかのQ&Aとの間で会員が行ったり来たり、またやめてしまう人も相当出たらしく、結局ここまで寂れたような感じです。

小型の本そのものは古代からあることはあったようで、4~5世紀のKölner Mani-Kodex(3,5 × 4,5 cm)というものが知られています。
https://de.wikipedia.org/wiki/K%C3%B6lner_Mani-K …

中世にも、ガードルブックとか教理問答書がありました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%83%BC …

いわゆる文庫本の発祥は、イタリア・ルネッサンス期のアルド社ですね。昔は、1枚の紙を何回折ったかで大きさが決まりましたが、紙そのものの大きさが多少不統一なので、場所や時代で少し違うようです。二つ折りにしたものをフォリオ、四つ折りをクァトロ、八つ折をオクターヴォ、十六折をセクストデチーモと呼び、現在アメリカ図書館協会が採用している寸法表が次のものです。
https://en.wikipedia.org/wiki/Book_size#Common_f …

このうち、八つ折がどうも文庫として当時普及した版形のようで、ポケットに入るという意味の「タスカービレ」の始まりです。
http://www.p-renaissa.jp/borujiaya/?p=485

セクストデチーモはレクラムの大きさにかなり近いです。
https://en.wiktionary.org/wiki/sextodecimo

日本の文庫本は、一応国際的な規格サイズAに準拠したA6なのですが、欧米ではA6判の書物というのはあまり見たことがありません。A5とかならあるのですが、やはりヨーロッパの本の大きさは、先ほどの四つ折り、八つ折の伝統を汲むもののようです。ドイツでもレクラムの大きさというのは特別で、向こうの書店でもほかの出版社に同じ大きさの本はほとんどなかったと思います。文庫本に当たるもので最も一般的なのはTaschenbuch(ポケットブック)で、ペンギン・ブックスに代表されるような英語圏のペーパーバックに相当します。世界的にみると、文庫本として標準なのはこのサイズでしょう。やはりドイツが始まりのようで、最初はギリシャ、ラテンの古典だったそうです。それにレクラムやタウヒニッツが続きました。
http://1000ya.isis.ne.jp/0237.html

ただし、私がある程度把握しているのは欧米だけです。ほかの地域のことはわかりません。
レクラムや日本の文庫本より小さいものといえば、大規模出版ではもちろんありませんが、いわゆる豆本がありますね。コレクターがいるので、それなりに数は出ているようです。
http://www.toxel.com/inspiration/2011/04/11/mini …

http://forum.xcitefun.net/worlds-smallest-librar …

https://www.google.co.jp/search?q=small+books&hl …

https://www.google.co.jp/search?q=small+books&hl …

向こうの書店でも、Taschenbuchと並んでこういうサイズのものが売られていることがあります。買ったことはありますが、小さすぎてかえって扱いにくいです。日本にはジェムという小さな辞書もありましたが、今もあるのでしょうか。
楽譜にもポケット・スコアという縮刷版の楽譜がたくさん出ています。日本の文庫本と同じような大きさのものとしては、Lea Pocket Scoresというのが昔はあったのですが、今はなくなったようです。これは余談です。
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この回答へのお礼

あちこちで御投稿を拝見してをります、ロシア語も。音楽は世界中の言葉とむすびつきますから。本につきましても、さすがにお詳しいのですね。家が小さいので本の多くは物置にしまつてあつて読むことができません。手元にあるのはあまり場所をとらない文庫本が主体です。若いころ初めて買つたレクラム文庫がニーチェ『ツァラトゥストラ』です。今でも黄色い表紙で販売されてゐるのでせうか。

>小型の本そのものは古代からあることはあったようで......文庫本の発祥は、イタリア・ルネッサンス期のアルド社ですね。

レクラムだとばかり思つてゐました。過去の貴重な資料の情報をありがたうございます。

>欧米ではA6判の書物というのはあまり見たことがありません。

私もそれで不思議に思つて質問した次第です。やはり欧米ではペーパーバックが主流なのですね、リンク先の、日本では新書に相当する、といふ指摘はなるほどと思ひました。私は解説書をほとんど読まないので新書はめつたに買ひません。

>豆本がありますね。コレクターがいるので

これは好事家の領域ですね。貧乏人はそこまで手がまはりません。

>日本にはジェムという小さな辞書もありましたが、今もあるのでしょうか。

さういへばそんなのがありました。今でもあるやうです、高価です。私は辞書はなるべく大きなものを買ひます。

>楽譜にもポケット・スコアという縮刷版の楽譜がたくさん出ています。

CDを聴きながら見るのは、この大きさが便利です。これは新書サイズですね。

いつもお時間を割いて、内容の豊富な回答をいただき、ありがたうございます。

お礼日時:2015/09/01 22:33

「レ・メゼラブル」→「レ・ミゼラブル」(笑笑笑)

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この回答へのお礼

『レ・ミゼラブル』は読んでゐません。ショーロホフ『静かなドン』も。横着者なので長編は避けてゐます。

日本では分冊化が一般的ですが、一長一短ですね。手軽に読める反面、一巻だけ入手不能なんて事態も生じます。

楽しい御回答、ありがたうございました。

お礼日時:2015/09/02 08:42

>今でも黄色い表紙で販売されてゐるのでせうか。



これはずっと変わりません。ただ、レクラムには色分けがあるんですよ。黄色はドイツ語の本、赤は外国語、オレンジ色は外国語とドイツ語の対訳本、緑は語注や解説集、青は学校などで作品研究に使う内容分析などの教育的な参考書です。探しやすくていいですよ。緑や青は、たぶん私が向こうに滞在していたころに出てきたのではないかと思いますが、定かではありません。赤のレクラムは、英文学などですが、ドイツ語圏での販売しかできないので、日本の洋書店にはないはずです。私は、青以外はいろいろ持っています。
今これを書きながら、レクラムが横積みになっている棚を眺めていたら、レクラムの間に1冊だけ、ほかの出版社の同じ大きさの本が入っていることに気がつきました。そういえば、単行本と同じハードカヴァーの製本で、これぐらい小さなシリーズを出している出版社もあったと思います。ドイツではやはりレクラムの影響で、結構出ているかもしれません。
Taschenbuchはペーパーバックに相当すると書きましたが、紙質、製本ともに英語圏のペーパーバックよりははるかに上等です。娯楽的な文学の場合は、英語圏のペーパーバックのような粗末な紙質のものもあります。
私が住んでいたところでは、1月に「白い週間」と言って、本の安売り期間がありました。増刷が出た本があると、それ以前に印刷されたものを「欠陥品」扱いで処分するのです。天や地の切り口に「Mangelexemplar」というスタンプが押してあったり、マジックで線が引かれていたりします。実際には乱丁、落丁などの欠陥品ではなく、ただ古い版というだけです。私は、帰国すればドイツ語の書物はそうたくさんは変えないだろうという思いから、ある時期から買えるだけ買いためました。厚さに関係なく200円、300円均一のことも多く、ショーロホフの「静かなドン」とかユーゴの「レ・メゼラブル」のような分厚いものも(向こうではあまり分冊で出しません)定価の10分の1の値段で買いました。店によっては秤が置いてあって、1kgあたりいくら、なんていうところもありました。持ち帰った本の大部分はこうして安く手に入れたものです。残念ながら、私の家も本棚で並べられるスペースはあまりなく、ダンボールに詰めて、押し入れや部屋の隅に山積みになっています。外国語の本をこんなに集めても、一生に読めるのはごく一部です(笑)。

>CDを聴きながら見るのは、この大きさが便利です。

楽譜を見ながら音楽を聞かれるのですか?
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この回答へのお礼

詳しい追加回答をありがたうございます。レクラム文庫は黄色だとばかり思つてゐました。アマゾンやレクラムのサイトで検索してみると確かに色分けがありました。世の中知らないことだらけです。一部しか見てゐないと、全体を見誤つてしまひます。

>娯楽的な文学の場合は、英語圏のペーパーバックのような粗末な紙質のものもあります。

御指摘のとほり英語圏のペーパーバックは粗末です。学生時代に買つたものは、表紙がとれたり、変色が激しかつたり、ボロボロです。自動車同様ドイツのほうが高品質のやうです。

>店によっては秤が置いてあって、1kgあたりいくら、なんていうところもありました。

(笑、笑、笑)欠陥品のスタンプといふのも笑へます。

>楽譜を見ながら音楽を聞かれるのですか?

Tastenkastenさんのやうに聴いただけでは楽器がわかりません。(実物を目で見ても楽器が判別できません。)それに、メロディーライン以外は頭に入りません。

お礼日時:2015/09/02 08:33

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