オーケストラのゲストについて

Question

私はある外国人ピアニストのファンです。
 先日ピアニストさんが、来年の予定を発表しましたが、
 日本へは3度演奏にくるそうなのです。

そのうち2回は、東京交響楽団と大阪センチュリー交響楽団で
 しかも同じプロコフィエフのピアノコンチェルト3番です。
しかも間はたったの3か月です。

クラシックファンの初心者としては、
 同じ曲を同じゲストで年に2回も大きなオケが演奏するということに
少々驚きました。私は何度も彼のピアノが聞けるので嬉しい限りですけど。

 単なる偶然なのですか？
 演奏の年間予定をたてるときは、他所の予定は見ないものなのですか？
ゲストを決めるときはどうやって決めるのですか？曲に合った人で
予定が合う人という感じでしょうか。それからはやりの人を
呼びたいとかもあるのですか？政治的に呼びやすい国とかそうでない国とか
 そういった慣習などもあるのですか？

 自分はバレエばかり見ていたので、バレエでゲストを呼ぶときは
 どうなっているのかは、なんとなく分かります。この場合はチケットセールス
 ありきです。でもオケの場合は層の厚いクラシックファンでチケットセールス
 は、第一義ではないと思いますが、どうでしょうか。

 詳しい方、よろしければ、教えてください。

yhr2 · Accepted Answer

ピアニストや演奏家には「得意な曲」があり、観客にも「この演奏家ならこれを聴きたい」というものがあり、これが一致すると「よい演奏」と「チケットセールス」の両方が得られる、ということで、そういった演奏会になりがちです。
　ロシア人ならロシア物、フランス人ならフランス物、フィンランドやノルウェーなら北欧物というのが、日本では「本場もの」として尊重されますから。

おそらく、そのピアニストはロシア人で、「プロコフィエフ」が得意なのではありませんか？　ピアニストの側からしても、得意な曲なら「練習」しなくてもよいですし。（ピアニスト側も、日本で得意なロシアの曲を弾けばブラヴォーが取れる、と考えていると思います）
　オーケストラからすると、その2回は東京と大阪ですよね？　両方共通で聞く人は少ないでしょうから、別な都市で異なった聴衆に、得意な曲を披露する、ということなのでしょう。
　曲の決まり方は、ソリストが決まってから、そのソリストとオーケストラ（あるいは指揮者）との相談で決める場合と、逆に、先に曲が決まってから、それに適したソリストを探す場合とがあるでしょう。いずれの場合も、「そのソリストが得意な曲」という選定基準で選ばれると思います。

残念ながら、クラシック音楽会も「チケットセールス」ありきです。しかも、日本人は「本場もの」が大好きです。クラシックの演奏会は結構「お高い」ので、ビッグネームあるいは確実に満足できそうなコンサートのチケットしか売れません。「本場もの」なら満足度が期待できそうなので、チケットセールスも期待できるのでしょう。
　ロシア人ピアニストの場合には、「ロシア物」なら集客が見込めますが、相当なビッグネームでもない限り、ベートーヴェンやモーツァルトでは客は集まりません。逆に、ドイツ系ピアニスト以外で、ベートーヴェンで集客が見込めるなら、一流演奏家の証です。

「チケットセールス」ありきなので、どこのオーケストラのプラグラムも、同じような「人気曲」が並びます。年末には「第九」のオンパレードになります。有名作曲家でも、ややマイナーな曲は演奏されることがありません。
　日本人作曲家の曲を集めた演奏会など、本来日本のオーケストラなら「本場もの」として試みるべき企画ですが、客が来ないのでどこもやりません。せいぜい「伊福部昭　生誕100周年」などの特別企画ものでしょうが、それでも半分は「ゴジラ」の音楽です。

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