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音楽のメロディーについて少し勉強をしています。用語でいえばメジャーやマイナー、完全五度やコンコードモーション(訳さなくてすみません)などです。一つ一つの言葉については一応理解はしています。

ヘンリーパーセルのディドとエネアスを聞きました。この曲のオーケストラ中ではコンコードモーションが作用してリポーズを引き起こしていると習いました。では逆に言えば何がテンションを引き起こしているのかということについて考えているところです。
すごく分かりづらい文になってすみません。全くスルーしていただいて結構です。

また後に補足します。

A 回答 (3件)

補足説明をありがとうございました。


ほかの用語と具体的な曲の場所が出てきたので、それらの総合から大体のことがわかってきました。それにしても、用語の使い方がわかりにくいですね。

まずコンコードモーションですが、「concord」単独なら、音楽用語としては「協和音」なのですが、「concord motion」という用語の「concord」は協和音とは関係がないはずです。実は、すでにきのうの段階でこちらの方の可能性が高いと思っていましたが、補足説明を頂くまで保留していました。この曲は、バッソ・オスティナート(固執低音)といって、最初に提示される5小節のバスの動きが、全曲を通して繰り返されていきます。バスは半音階で下行していますが、こういう形を「ラメント・バス」といって、悲しみを表現する決まったパターンとして多くの作曲家が共通で使いました。「Dido’s lament」ですから、ラメント・バスの使用は、歌詞の内容にふさわしいものです。そして、使われている和声も、大きな変化はないまま最後まで繰り返されていますが、不協和音が現れる瞬間はところどころにあり、「Remember me!」のあたりで特に増えるわけではないので、コンコードモーションが「協和音」に関連する動きとは考えられません。「concord」はこの場合、単純に「一致」という意味で、「concord motion」は、日本の音楽用語の「同時進行」に当たるものと判断しました。おそらく、simultaneous motionでも同じ意味になるのではないかと思うのですが、理論家は独自の用語を考案することがしばしばあるので、これもそういうことかもしれません。同時進行というのは、複数の声部があるとき、すべてが同じリズムで動くこと、音符が縦方向にいつもそろって並んでいる状態です。この曲の場合、バッソ・オスティナートのリズムが基本になるので、ほかの弦楽器や歌も同じリズムになっている場合をコンコードモーションと言っているのだと思います。

stepwiseというのは日本の音楽用語で「順次進行」、つまり、メロディーの音が常に音階上の隣の音、2度音程の関係にある音に進んでいくことをいいます。それに対してdisjunct motionは、メロディーの中に音程の跳躍があることをいいます。disjunct motionの反意語としてconjunct motionというのがあり、stepwiseと意味は同じになるはずですが、なぜか使っていませんね。
この曲のディドの声楽パートのメロディーは、確かに順次進行が大部分を占めています。「Remember me!」のところでは、4度の上行と5度の下行という跳躍が続いて出るので、そこがdisjunct motionでテンションになるというのはわかるのですが、disjunct motionに限って言えば、「create no trouble, no trouble」の個所にもあり、むしろこちらの方が多いですね。ただ、ここはメロディー全体としては下行していますし、音域も低いので、総合的にみると「Remember me!」の個所の方がテンションはより強いということでしょう。

引用していただいた文は歌のパートに関することで、弦楽合奏のことではないと思いますが、コンコードモーションとの関連でいうと、「Remember me!」の個所の歌のリズムは、バス、および伴奏の和音のリズムとはずれており、「forget my fate」の個所で再び同時進行になるので、そのことを指摘しているのだと思います。

弦楽合奏に関してどういうことが言えるかという問題ですが、弦楽はあくまでも歌の伴奏、背景なので、melodic tensionの効果は、作曲上、声楽パートほど重要にはならないでしょう。一番高いヴァイオリンの声部だけを見ても、ずっとstepwiseのままで、「Remember me!」の個所でも変化していません。強いてあげるなら、内声であるヴィオラのパートに大きな跳躍が連続しているので、楽譜の上で見れば、disjunct motionによるmelodic tensionと分析できますが、演奏や録音によってはほとんど目立ちませんので、この動きをテンションとして取り上げるかどうかは微妙です。下の動画の演奏だと、ヴィオラ・パートのdisjunct motionが比較的よく聞こえます。


コンコードモーションの点から言うと、弦楽合奏もこの場所では少しリズムのずれがあります。コンコードモーションではない場合の名称がそちらの教科書に書いてあるかどうかわかりませんが、意味の上から言うとポリフォニックモーション(polyphonic motion)と言えると思います。したがって、この「Remember me!」の個所は、弦楽合奏のパートにも多少のテンションは認められるということでしょうか。

画像を添付します。ちょっと小さくて見にくいと思いますが、メロディー・ラインの動き中の青いカギカッコはstepwise(順次進行、swと略記)でリポーズに当たり、赤いカギカッコはdisjunct motion(跳躍進行、dmと略記)でテンションに当たります。弦楽パートにも、一部点線で入れておきましたが、一番高いヴァイオリンの声部は、「Remember me!」の個所も含めほとんどstepwiseのまま変わらないので、省略しました。薄い青色で囲った音符は、concord motionと考えてよいと思われるグループです。薄い赤色で囲った音符は、concord motionのタイミングから逸脱するもので、テンションの効果になると思います。分析メソードの詳細がわからないので、あくまでも私の推測と個人的解釈による大ざっぱな分析になります。
用語の意味や分析が違っていたら、教えてください。
「メロディーについて。意見を聞かせて下さい」の回答画像2
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この回答へのお礼

まずはいつも迅速に回答してくださってありがとうございます。そしてまた私の説明不足でしたが、このテキストの中にはコンジャンクトモーション、ディスジャンクトモーションという言葉は出てきます。私が訳した場所からはこのような言葉はでてきませんでしたが、テキストの中からは確かにあります。ですのでこの教授の書いていることはコンコードモーション=コンジャクトモーションということになるのかもしれません(しかしコンジャクトモーションという言葉が出てきたのは後にも先にもここだけです、今のところ)。テンションとリポーズについて書かれている場所にこうあります。
「テンションはディスジャンクトモーションやリープによって発生します。そしてそれらは全く反対の動きを取るコンジャンクトモーションやステップワイズモーションによって解決されます。テンションが起これば起こるほど、そのテンションを解決するためのリポーズが必要となるのです。」

それと送って頂いたこちらの演奏の方が音を分析するにはくっきりと聞こえてきて分かりやすいです。譜面を使っての説明もビジュアルラーナーの私にはとてもありがたいです。

お礼日時:2016/02/23 19:55

コメント拝見しました。

少し混乱してきました。
用語の使い方なのですが、「ディスジャンクトモーションやリープ」と言われると、「ディスジャンクトモーション」と「リープ」という二つの概念があるように聞こえてしまうのですが、2語の間が「and」ではなく「or」ならば、「ディスジャンクトモーション、またはリープ(とも呼ばれる)」ということで、二つは同義なのではないでしょうか。「リープ」は跳躍ですし、「ディスジャンクトモーション」も跳躍です。「コンジャンクトモーションやステップワイズモーション」も同様に、呼び名が二つあるというだけのはずです。コンジャンクトモーションとディスジャンクトモーションについての説明が下の動画にありますが、これを見ても、「ステップワイズモーション」と「コンジャンクトモーション」は同義としか思えません。


それから、「コンコードモーション=コンジャクトモーション」というのは、コンコードという語の意味からはちょっと考えにくいです。もしそうだとすると、回答No.2の譜例の中で、赤、青の2色の四角で音符を囲った私の分析は誤りになってしまいます。回答No.1に頂いたコメントの中に、「ディドは、主にステップワイズ、コンコードモーションでこのラメントを歌います」という引用がありましたが、ここの原文はどうなっていますか。「stepwise and concord motion」ですか、それとも「stepwise or concord motion」ですか、あるいはこの訳と同じようにコンマで区切られていますか。もし「and」なら、「コンコードモーション=コンジャクトモーション」ではないでしょう。この質問が出たとき、コンコードモーションという用語の例が全く見つからないので、これをkonsonante Bewegungというドイツ語に直訳して検索してみました。1件しかヒットしなかったのですが、その論文中では、順次進行、つまりコンジャンクトモーションという意味ではなく、同時進行、つまり複数声部が同じリズムで動くという意味で使っていました。ですから、「コンコードモーション=コンジャクトモーション」というのは、どうも想像がつかないのです。もしこの2語が同じ意味だとすると、たとえ1回だけだとしてもほかの場所で「コンジャンクトモーション」という語を使っているのは、用語の不統一と感じます。
今後の授業でこれらの疑問点が明らかになるとよいのですが・・・
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この回答へのお礼

確認したところ「or」でしたのでディスジャンクトモーションとリープは同義ということだと思います。回答1の中での「ディドは、主に、、」のところはstepwise, concord motionというふうにコンマで区切られています。しかしこうやって考えてみるとやっぱりおかしい。。。明日の授業のあと教授に尋ねてみます。私自身がこのクラスの内容を把握するのに他の生徒よりも時間がかかりすぎ、先生への質問も1~2章分前のものになるために、急かされるだけでなく先生からも詳しい説明付きの回答がもらえないでいるのかも知れません。頑張ってキャッチアップします。

お礼日時:2016/02/24 06:29

これはぜひ補足を頂きたいですが、コンコードモーションという用語の定義が不明です。

英語の音楽理論書や辞典にもなく、インターネット上にも用例が全くありませんので、そちらでお使いの教科書の著者独自の用語なのかと思っています。
concordは協和音なので、リポーズに関係するというのは道理にかなっています。テンションの効果を持つのはdiscordの方です。tensionとreposeの語をinstabilityとstabilityに言い換えて説明しているものもあるので、協和音が安定していて、不協和音が不安定であることを考えればすぐにわかると思います(reposeの代わりにrelaxationの語を使っている書物も結構見受けられます)。
よくわからないのは、concord motion、つまり協和音進行なる語が、具体的にどういう動きを表しているのかということです。メロディー内に、ハーモニーの構成音以外の音、つまり不協和音程を生じさせるような非和声音(non-chord tone)を含まない場合のことを言うのだろうとは思うのですが、全く含まない場合のことだけを言うのか、条件付きで非和声音も含むのか、その辺を知ることができません。

アメリカの音楽理論でmelodic tensionととらえられている現象について、私が把握していることを全部挙げてみます。そちらで学ばれているメソードと一致するのかどうかは判断できません。

1番目は、メロディー・ラインの形です。上行する(音が高くなっていく)メロディー・ラインの方がテンションに、下行する方がリラクゼーション(リポーズ)に当たるという説明があります。
2番目は、メロディーが書かれている音域です。特定の楽器、または特定の声種における極限の音域、特に最高音域でメロディーが演奏される場合をテンションととらえています。
3番目は、メロディー全体が占める音域の広さです。同じような高さの音の周りを巡っているメロディーよりも、低い音から高い音まで、幅広い音域を動き回るメロディーの方が、テンションが高いとされます。
4番目は、メロディー・ラインの中の音程の跳躍幅です。5度以上の音程の跳躍、特に7度や9度、減5度(もしくは増4度)などの不協和音程での跳躍がテンションとされます。
5番目は、harmonic tensionとの関係で起きることです。メロディーの音が、その瞬間に鳴っているハーモニーの構成音以外の音(非和声音)になっていて、メロディー音とハーモニーの間に不協和が生じている場合、つまりdiscord(不協和音)の起因となっている場合は、メロディーに関してもテンションということになります。

以上のことは、「Musical Form and Analysis: Time, Pattern, Proportion」(Glenn Spring、Jere Hutcheson著)の7~18ページに実例付きで説明があります。なお、1番目の、上行下行でテンションとリポーズに分類するというのは、8ページのEXAMPLE 1-6のような単純な形の場合はわかりますが、ほかのテンションの要素が組み合わさってきた場合、そんなに単純に分けられるものではないのではないかという疑問が残ります。
https://books.google.co.jp/books?id=vQlhAQAAQBAJ …

上に挙げた5つのケースのうち、5番目については、アメリカのバークリー音楽大学のサイトにもっと細かな定義があります。同じアメリカでも理論が統一しているとは限らないので、そちらで学ばれているメソードと同じかどうかはわかりませんが、これによると、

1. メロディー内の非和声音が、1拍より長く延ばされる場合。
2. メロディー内の非和声音が跳躍進行と隣接する場合。
3. メロディー内の非和声音が強拍上にあり、弱拍で和声音に下行する場合。

の3つのケースがあります。下のサイトの、Download this lessonから、PDFファイルをダウンロードしてください。そのファイルの、Topic 2, page 6に譜例とともに解説があります。
http://www.berkleeshares.com/music_education/mus …

パーセルのディドとエネアスは、「オーケストラ」と書いてあるところを見ると、序曲だけでしょうか。この中には、melodic tensionと分析できる個所はほとんどないですね。メロディー音のほとんどは和声音ですし、メロディー・ラインのところどころに5度より広い跳躍が見られるくらいです。コンコードモーションというのは、テンポの遅い序奏が終わったあとの速い部分でしょうか。序曲のあとのオペラ本体については、少しmelodic tensionが見られます。ただ、パーセルの時代の音楽のメロディーには、7度や9度の跳躍はあまりないですね。バッハならかなりあります。

実例を出して説明しようと思ったのですが、時間が遅くなりましたので、今日はここまでにしておきます。
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この回答へのお礼

さすがTastenkastenさんです。1言うと10悟られる。困ったことにコンコードモーションに関するこれといった説明が教科書の中にはないのですが、その言葉が出てくるところを翻訳して抜粋します。ちなみに私の聞いたレコーディングはこの部分だけです。

https://youtu.be/S9xwlWfHWv4

”ディドは、主にステップワイズ、コンコードモーションでこのラメントを歌います。ディドが死にゆくとき(と想定される)友達のべリンダにこう歌います。When I am laid in earth...Remember me, but ah, forget my fate. この曲の終わり近くでは、ディスジャンクトモーションがゆえに「Remember me」のところでテンションが起こります。そして次の「forget my fate」でステップワイズ、コンコードモーションに戻り曲が解決されます。”

分かりにくくて申し訳ないのですが、このようにしか書いてありません。
オーケストラといったのはストリングオーケストラのことでもう一度質問を書き直すと、この弦楽合奏の中でどのようにステップワイズ、コンコードモションがリポーズを引き起こしているか?どこで一番強いテンションが起こっているのか、と言いたかったのです。質問ちょっと変えました。すみません。

あと、夜遅くに回答してくださってありがとうございました。

お礼日時:2016/02/21 12:51

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