この人頭いいなと思ったエピソード

「お伺いさせていただきましたが、あいにくご不在でした」
これはとある訪問調査の不在票での文面なのですが、この「あいにく」の使い方は適切なのでしょうか?

「あいにく」という言葉は、話者が、聞き手側に起因しない話者の不都合を説明し、聞き手に詫びる際に多く使われると私は解釈しています。

例)
「あいにく客人が来ていて電話にでられませんでした」
「あいにく人手が足らず間に合いませんでした」
(「客人が来ていた」「人手が足りなかった」のは聞き手側のせいではない)

しかし、上記不在票の場合、「不在」は確かに話者にとって不都合ではあるものの、聞き手起因の事象です。そのため、聞き手にとっては不在であったことを責められているように受け取られてしまうようにも思うのですがいかがでしょうか?或いは、このあいにくの使い方には何ら問題は無く、聞き手の受け取り方次第ということになるでしょうか?

A 回答 (3件)

感覚的とかニュアンスとしては判りますが、言語学的には、不都合起因の主体には制限されないと思われます。


少なくとも、「制限される」と言う根拠は存在しない様です。

語源は「あや+にく(し)」で、「あや」は感嘆詞です。
従い、「大層、憎らしいことである/残念,無念である」みたいな意味で、ベタに表現すれば、「ああ、憎たらしい!/腹が立つ!」みたいな感じの、発言者の割と強い不快や憎悪を示す感情表現です。

その後、「あいにく(生憎)」と言う単語化すると共に、憎悪感などはかなり減じ、「残念ながら」くらいの意味に転じています。
また「残念」などの直接的な感情表現に比べ、「生憎」は婉曲的な表現なので、いわゆる「コンビニ敬語/ファミレス敬語」と同様、言語学的に経緯が高まるワケではないですが、やや丁寧,丁重な印象はあるかと思います。

従い、軽度の敬意や丁寧さを示しつつ、「残念ながら」と言う感情を示す場合、「あいにく」と言う言葉が使用されているものと解釈します。

更に、「お生憎さま」などに代表されますが、相手の感情を代弁したり、同情の念を示す場合にも使われますので、質問者さんが仰る、相手の気持ちや立場を斟酌するニュアンスも生じているとは思います。
しかし、あくまでニュアンスであって、少なくとも現時点では、自分の感情の吐露として「あいにく」を使うのが誤用とまでは言えないでしょう。
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この回答へのお礼

言語学の観点からの解説ありがとうございました。おかげさまですっきりしました。
ちょっと話は違うかもしれませんが「持ち込みはご遠慮ください」と言う場合の「遠慮」と同じ経緯をたどっているのかもなぁと思いました。(本来の使い方から転じて、「お止め下さい」を婉曲的に表現するのに多く用いられるようになっている)
大変勉強になりました。ご回答ありがとうございました。

お礼日時:2016/03/26 01:23

あいにくは(憎たらしく不在でした)で


不在をなじっているんですよ。
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この回答へのお礼

実際のところ、不在票の受取人である私が少しなじられた気分になってしまったために、今回質問をさせて頂くに至りました。今度はなじられないよう、自宅待機していようと思います。ご回答ありがとうございました。

お礼日時:2016/03/26 01:18

私なら、あいにく(生憎)ではなく、残念ながらを使う

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この回答へのお礼

私もはじめはそう思いました。でも、不在票での書き言葉としては「残念ながら」はカジュアルだなぁ…と。そうなると、やはり生憎が適切なのかなと考えたりしています。言葉って難しいですね。ご回答ありがとうございました。

お礼日時:2016/03/26 01:18

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